グラフィックボードを変えるデメリットは? コストとリスクを考えよう

PCのパーツのなかでも、グラフィックボードは高価な製品です。一般の人にとっては、こうしたパーツをわざわざ購入する意義・メリットに疑問を抱く人もいるでしょう。それでも、ゲームをPCで遊ぶ人のなかにはゲームのパフォーマンスを上げるためにグラフィックボードの購入を検討する方も少なくありません。

そうした人たちにとって、グラフィックボードを購入・設置するメリットは「ゲームのパフォーマンスを上げる」と明確になっています。しかしデメリットはどうなのでしょうか? どういったデメリットが考えられるものなのでしょうか?

このエントリのポイント

  • グラフィックボードは値段が高い。
  • ゲーミング以外の用途がごく限られる
  • 知識を必要とする
2019年決定版! ゲーミングPCに本気でオススメできるグラフィックボードとは!? | | グラスト! - THE GRAPHIC STRIDE
「ゲームをストレスなく楽しみたい」「グラフィックボードを買おう」と考えている人への決定的な提案です。価格重視・コストパフォーマンス重視・性能重視などの様々な観点から考察し、グラフィックボードを購入するメリット・デメリットについても解説しています。自作PCに興味がある方・ない方・初心者の方にもオススメしています。

コスト

グラフィックボードに限らず、多くの製品ではコストがデメリットに直結していることがよくあります。そしてグラフィックボードでも同様に、コストは大きなデメリットといえます。

グラフィックボードは高価である

まずは金銭的なコストである「値段」がデメリットの1つとして挙げられます。端的にいえば「値段が高い」ということです。
基本的に値段の高い製品というのは、それだけで購入をためらうものです。いくら性能がいいとわかっていても、高ければ手が届かないこともあります。
ブランドものがいくら好きでも、身の丈に合った買い方をせずに散財してしまえば元の木阿弥です。

グラフィックボードを使用する理由

グラフィックボードを購入するデメリットを考える上で、まず「なぜグラフィックボードを使用するのか?」という根本的な考えを改めておきましょう。

ゲームのためにグラフィックボードを使うのが主

グラフィックボードを設置・交換する根本的な理由は「ゲームのパフォーマンスを上げる」ためです。次点での理由は、動画のエンコーディングを補助する「ハードウェアエンコード」を利用できる点です。たとえば実況動画をYouTubeやニコニコ動画に投稿する人、また録画したTV番組をエンコーディングする際などに活躍することでしょう。

しかし主目的はあくまで「ゲームのパフォーマンスを上げる」ことであり、次点のハードウェアエンコードを期待する人はより限定され少なくなります。そして主目的の「ゲームのパフォーマンスを上げる」ことに重点を置くと、どうしても安さ重視の製品よりも、ある程度は機能を備えた製品でないとあまり意味がありません

PCパーツなどのIT製品では、ハイエンド(高機能で高価格)・ミドルクラス(機能・価格ともに中程度)・ローエンド(低機能で低価格)と呼ばれる製品の区分があります。

安いグラフィックボードを本当にほしいかどうか

グラフィックボードの現状として、ローエンドの製品には1万円あたりのものがありますが、はっきりいってあまり利用するメリットがない製品群です。そうした製品でもLeague of LegendsやOverwatch、また場合によってはPUBGのようなゲームを起動してプレイすることはできるかもしれません。しかしグラフィックボードを使用する目的は、「ゲームのパフォーマンスを上げる」ということであり、「なんとかゲームを起動しプレイできる状況にもちこむ」ということではないはずです。とにかくゲームを起動させたい、というだけならローエンドの製品を買う動機にも充分なりえるでしょう。

しかし、もし「ラグやフリーズ、解像度の低さにイライラしてしいがちな人」が資金的な妥協のもとに、実際には満足できる性能を手に入れられていないのにぬか喜びしていたなら、高負荷なゲームをプレイしているうちに「あまり改善されないイライラ」にやきもきするようになってしまうのは目に見えてはいないでしょうか? 「そのときはまたローエンドの安いグラフィックボードを買えばいい」と考えるなら、それも良いでしょう。しかし自作PCに興味がない人であれば、定期的にグラフィックボードを交換しなければいけないという状況が苦痛になるのも、想像に難くありません

安いグラフィックボードは性能があまり上がらない

またPCのパーツ知識に長じていない人が安いグラフィックボードを購入したとして、「実際に設置したときにどれくらいPCの性能が上がるか」という感覚的な予想を的確に判断することができるでしょうか? ローエンドの安価な製品をあくせくしながらなんとか設置してみてPCの起動も確認した上で、League of Legendsすらまともに動作せず、Minecraftが動作する程度だったら満足できるでしょうか?(Minecraftに人気があり楽しいゲームであることを批判する意見ではありません)

そうした考えを踏まえると、ミドルクラス以上のグラフィックボードを用意することが望ましいでしょう。実質的な価格帯は2~5万円あたりでしょうか。ミドルクラスといえども、一般的にこの価格帯ではすでに高額といって差し支えないでしょう。満足度と価格を考慮すると、ある程度の予算が必要となるのがグラフィックボードなのです。

PC自作は知識を蓄えるため時間を必要とする

次に、時間的なコストもデメリットとして挙げることができます
グラフィックボードに限らず、PCパーツを設置・交換するのには知識と経験が必要になります。知識と経験が少ないほど失敗する可能性が増えます。
その問題を解決するには、2つの単純な方法があります。「誰かに代行してもらう」か「自力でなんとかする」かです。

PC自作に興味をもてるかもてないか

設置・交換を代行してもらう場合、友人にお願いするか、代行サービスを有料で利用するかに分けられます。
友人にお願いする場合は、無料で行ってもらえる可能性があるのがメリットです。もちろんそうした知識と経験を有する友人がいるのが最低条件なので、意図的に実現しにくいのが難点です。代行サービスを利用するメリットは、相手がプロであることです。デメリットはさらに費用がかかってしまう点です。

この「誰かに代行してもらう」という選択肢は、「自作PCに興味がない」という方にオススメできます。無駄(と思えるよう)な知識を覚えたりする手間を省くことができるのは嬉しいことでしょう。

さて、問題は「自力でなんとかする」場合です。適切な友人がいない場合や、わざわざ代行サービスに料金を支払いたくないときはこちらを選択することになるでしょう。
この選択肢の場合、コツは特にありません。とにかく知識を蓄え、実際に経験するしかありません。

PC自作が好きならいろいろ考えるのも楽しい

「グラフィックボードを設置・交換しよう」と考えたときからすでに自作PCに少なからず興味がある人は、程度の違いがあるとはいえ、楽しんで学ぶことができるでしょう。しかしやはり興味がない人には、苦痛であるのに変わりはありません。自作PCに興味がある人にとってはその知識と経験を蓄える時間的コストは「投資」になりますが、興味がない人にとっては単なる苦痛であり「ロス」にしかならない可能性が強いものです。

とはいえ興味がない人にとって、この精神的な「ロス」は金銭的なコストとして変換できるものです。まったくPCの自作に興味がない人なら代行サービスを利用するのも良いでしょうし、その代行サービスの料金分をそもそものグラフィックボードの予算として上乗せするのも良いでしょう。

リスク

コストと同様に、リスクも多くの製品でデメリットとなります。グラフィックボードにおいては、コストはデメリットとして価格が抜きん出ていますが、リスクは細々としたデメリットが並べられるような状況です。

思ったようにパフォーマンスが上がらない可能性がある

予想というものは往々にして誤差があり、実際に体験してみることでその効果を実感することができます。PCパーツでも同様で、グラフィックボードも体感してみるまでわかりにくいものです。
安いグラフィックボードではより顕著ですが、PCを自作する経験に乏しい人にはミドルクラスの製品でも期待をしすぎてしまう可能性はあるでしょう。

さらにはこの体感的に理解を深め、また予想との誤差を少なくする方法は、日常的な食料品や日用品など比較的安価なものであれば「安いし一度ためしてみよう。ダメだったら次は買わなければいいし、よかったらまた買おう」と気軽に試してみることができます。しかし高価なものであるほど、この「試してみよう」という感覚は、「失敗したらどうしよう」という恐怖に覆われがちです。

そうすると事前の予想と事後の体感の誤差を、的確に埋めるという作業がとても難しくなります。グラフィックボードは高価な製品で、そう高頻度で買い替える製品ではありません。ですので経験を積むことが難しく、製品の実質的性能と主観的予想とのギャップを埋める作業が簡単ではないのです。

そのため実際のグラフィックボード製品の能力よりも過大に評価して購入してしまうと、「思ったほどパフォーマンスが上がらない」という結果になることがあります。もちろん過小評価していた場合は「予想以上にパフォーマンスが向上した」と体感することになるでしょう。

この予想と現実の誤差を、適確に埋めるのは熟練者でも難しいことです。チョコレートが好きで各社の新商品を試している人でも、「今回のは思ったよりおいしくない」「これは想像以上においしい」といったギャップが存在して当然なのと同様です。そのギャップを完全無欠に埋められるようになる必要はありませんが、ギャップが大きいほど損失に繋がるというのは嬉しくありません。

自作PCは熟練者でも失敗することがある

また自作PCとは前述のように、知識と経験が必要な分野です。しかし「猿も木から落ちる」といわれるように、熟練した人でもミスをします

互換性のない製品を購入してしまい、うまくパーツ同士を接続できない、ということは少なくありません。しっかりと確認することでミスを減らすことはできますが、人的ミスはゼロにはしにくいものです。

そして熟練者と初心者の違いとして、熟練者は何度もパーツを交換してきているので、予備のパーツを保有していることがあり、場合によっては「現在は使っていないが、いずれ使うかもと保持していたパーツ」を流用することができることもあります。
しかし初心者の場合は、そうした予備のパーツがあることは少ないでしょう。
複数PCを所持していた場合、別のPCからパーツを転用することも可能ではありますが、それも事前にパーツを交換する知識・経験があってできることです。

これはグラフィックボードに限った話ではないのですが、自作PCという分野にも当然ミスはつきものです。そして初心者ほど代替案を用意するのに手間がかかります。こうしたミスは潜在的なリスクだといえるでしょう。

経験が少ないと破損させかねない

経験がある人にとっては、自作PCとはプラモデルのようなものです。あまりこの分野に長じていない人には「PCを組み立てる」「PCを自作する」という分野が、まるでイチから作り上げるようなイメージに映るかもしれません。しかし実際にはパーツを購入します。
パーツが高価なのは、すでに製品として完成しているからです。LEGOでいえば、LEGOのパーツが詰まった製品の箱を買ってきて組み立てるだけのことです。
なにもプラスチックを溶かして成形するところから作り上げる必要はありません。完成した製品としてのLEGOに料金を支払って購入すれば、あとは組み立てるだけなのです。

実質的にはプラモデルを組み立てるのと大差はありませんが、プラモデルだったとしても明らかな失敗をしてしまうことがあります。それは「物理的な破損」です。パーツが物理的に欠けてしまうと、パーツ同士がしっかりと組み立てられなくなることがあります。また破損してパーツが鋭利に尖ってしまえば、ケガのもとにもなります。

この点はPCのパーツも同様です。CPUをマザーボードに設置する場合は、ソケットの規格や向きがあっていなければ物理的な破損を招きます(CPUは正方形なので向きがわかりにくいことがあります)。またCPU・メモリ・グラフィックボードなどはマザーボードへ接続した後に事故で外れることのないようにロックをかけることができるものがあります。自作PC初心者の方は、このロックの外し方が分からずにマザーボードを破損させてしまうことがあります。

破損の程度によっては、そのまま使用することもできることもあります。しかし経験が少ない初心者の方にとっては、このリスクは大きいものといえます。

開封してしまうと返品できなくなることも

新調した商品は、開封してしまうと返品できなくなる可能性があります。初期不良の製品の場合はこの限りではありませんが、「思ったほどパフォーマンスが上がらなかった」「違う製品を購入してしまった」という購入者自身のミスの場合、開封してしまうと返品ができないこともあります。

趣味として自作PCをしている人であれば、なんとか転用する方法を考えたり、将来的に利用する方法を見つけ出したり、またはネットオークションなどで販売することもできるかもしれません。

しかし初心者の方には、転用や将来的な利用方法を考えることは難しいものですし、ネットオークションを利用するにしてもしっかりとパーツのスペックを記載することができずに買い手を逃してしまうこともあるかもしれません。

まとめ

  • グラフィックボードを変えるデメリットはコストとリスク
  • コストには、金銭的コストと時間的コストが挙げられる。
  • リスクには予想と現実のギャップ、人的ミスなどが挙げられる。
  • 初心者ほどミスからのリカバリーが容易・上手でない。

さいごに

今回はグラフィックボードの設置・交換を踏まえて、PC自作におけるデメリットを解説しました。
デメリットばかりを並べ立てましたので、こんなにデメリットがあるものなのか、と尻込みしてしまう方もいらっしゃるかもしれません。しかしこれは自作PCに限らず、どんな趣味の分野でも、いえ、どんなことでも「行動」するのであればリスクとコストがあり、ミスがつきものなのです。

自分の手腕に不安がある方は、安価なパーツを揃えて1~2万円程度の予算でPCを自作してみると良いかもしれません。しっかりと確認して購入し組み立てれば動作しますし、それはサブPCとして利用できる上、自信をつけるための投資としても機能するのですから。

2019年決定版! ゲーミングPCに本気でオススメできるグラフィックボードとは!? | | グラスト! - THE GRAPHIC STRIDE
「ゲームをストレスなく楽しみたい」「グラフィックボードを買おう」と考えている人への決定的な提案です。価格重視・コストパフォーマンス重視・性能重視などの様々な観点から考察し、グラフィックボードを購入するメリット・デメリットについても解説しています。自作PCに興味がある方・ない方・初心者の方にもオススメしています。
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