このゲームに一言キャッチフレーズをつけるとしたら?
概要
「HANG UP」は、日本製のホラーADVゲームです。脱出ゲームとしては短めでクリアできますが、あるエンディングによって真相がわかるようになっています。
幽閉する母親 逃げる娘
プレイヤーは主人公である「幽閉される娘」を操作します。主人公の母親はなぜか娘を監禁していて、逃げたら「お前の足をちょん切ってやる」とまでいいます。
愛憎劇
この「HANG UP」では、基本的に主人公と母親の2人しか登場しません(エンディングによっては異なりますが)。
プレイヤーは幽閉されている娘を操作して脱出しますが、この娘はひとことも言葉を発しません。そういう演出なのかもしれませんが、少し娘の心情がわかりにくいようになっています(それも意図的かもしれません)。
母親には彼女なりの動機・理由があるようですが、それを話してはくれません(この親子の間ではもはやお互いに理解していることなのかもしれません)。母親は娘をただ憎くて幽閉・監禁しているワケではないようです。
母親は娘を幽閉して暴力的なことをいいますが、それでも娘のことを微塵も思っておらずただ邪魔だから幽閉しているワケではないようです。
その証拠に、冒頭では厳しいことをいいながらも食事をもってきます。「ネグレクト」と呼ばれる育児放棄などであれば、食事を与えることも放棄しかねません。しかしこの母親は、しっかり娘が飢えないように気をつけているのです。
制限時間内にアイテムを探そう!
脱出ゲームとしては、アイテムを集めて使うタイプのシンプルなものです。アイテムを見つけるのも難易度が低めで、全体的に手軽に遊べるゲームという印象が強くなっています。
ただ後半ではエンディングの分岐があります。そのためどのアイテムをどのように使うかを考えることで、すべてのエンディングが見られるようになっています。
制限時間はあるものの、ある程度 注意深く探索できればアイテムを見つけるのは難しくありません。あくまでこの制限時間はフレーバー(雰囲気づくり)として使われている向きが強いようで、あまり焦らなくてもクリアできるでしょう。
真相を知ろう
この「HANG UP」は少しトリッキーです。エンディングは4つ用意されていますが、そのうち1つのエンディングでしか真相は描かれません。
ありがたいことに分岐する場面でリスタートできるようになっているので、考えられそうな手立てを試してみればいずれすべてのエンディングを見られるでしょう。
実際にプレイしてみての感想は、最後の真相を知るところまで含めてこの「HANG UP」をプレイしたと感じられるところです。難易度がさほど高くないので、自分の手で真相を知れるゲームだという印象です。
母親はどんな気持ちで娘を幽閉し続けていたのか。そして娘はどんな思いで母親のその態度を受け止め続けていたのか。なにも語らない娘を通して考えてみることで、より深く楽しめるのかもしれません。
オススメ度
「HANG UP」のオススメ度は、Aランクです。Aランクは★が2つ(★★)で、通常の「#1ツイゲームレビュー」と同程度のオススメ度を示します。この「HANG UP」がAランクなのは、全体的に難易度が低めな短編だからです。真相も、人によっては予想できるかもしれません。脱出ゲームやストーリー重視のゲームとしてクォリティが抜群だというより、こぢんまりとしながらもまとまりのイイ和製Unityゲームといった形で楽しめるゲームなのかもしれません。
何百万人がプレイして歓喜するような歴史的フリーゲームと呼ばれるような作品ではないかもしれませんが、Unity製の和風3Dゲームというのも珍しいところがありますし、しっかり遊べるのがとてもイイところですね。
ゲームの情報
タイトル | HANG UP |
開発 | .ID |
オススメ度 | A<GOOD>:★★ |
リリース日 | 2020/06/01 |
価格 | フリー |
次元 | 3D(3次元) |
ジャンル | ホラーADV |
特徴 | 脱出/探索/親子/シングル/マルチエンド |
視点 | TPS視点 |
グラフィック | デフォルメ3D |
操作方法 | キーボード |
言語 | 日本語 |
インストール | 不要 |
ファイル容量 | 63.5MB<アーカイブ> / 182MB<解凍後>(Ver 1.00) |