「ミノニヨクシティ」#24【考察】人々の真実を探る ミチビキ編(前)【ネタバレ】

ゲーム考察
「ミノニヨクシティ」の考察です。「きのこねくしょん」の管理者「ミチビキ」にどのような裏事情があるのかを考察していきます。

こんにちは、Caffeineです!
今回は少しアクが強いキャラクタながら他の住人たちとはどこか一線を画す「ミチビキ」について焦点を当てていきます!

少し長くなってしまったので、ミチビキについては前後編として分割しています。

前回のエントリ(【考察】凶について):
「ミノニヨクシティ」#23【考察】凶とはなんなのか?【ネタバレ】
「ミノニヨクシティ」の考察です。作品内に登場する「凶」たちについて、理解を深めていきます。 こんにちは、Caffeineです。 「ミノニヨクシティ」の考察も大詰めとなってきました! 住人についてはほとんど考察してきました。主要キャラクタ...

ミチビキの真実

ミチビキはミノニヨクシティの町長です。一応ストーリー上は隠されている事実ですが、ここまで読んでくださっている方であれば周知のことでしょう。
ギャラリーのプロフィールでは、意外と若そうな顔を見ることができますが、身長も年齢も不明となっています。

またミチビキは凶です。ミチビキについて考察するときに凶についても確認していくと煩雑になるので、前回でまとめて凶について考察しておきました。凶は箱庭を管理するためにスカウトされたリンネですので、ミチビキがミノニヨクシティという箱庭を町長として管理しているのは、不思議ではありません。

賛否あるものの実績を作っている凶

凶の都では、ミチビキのことを考察する上で重要な情報がたくさん得られます。
特にミチビキは、他の箱庭と異なる「自覚した者が住人として留まり続ける箱庭」という実績をもつため、一目置かれているようです。

自覚しても住人が留まる珍しい箱庭

凶の都での情報によると、彼の管理のおかげかミノニヨクシティは他の街に比べて「自覚」している人物が多いようです。実際ゲーム内で行ける箱庭の街で、明らかな人間の姿をした住人はいません。

しかもふつう自覚した人物は暴れるなどして、街自体が封鎖されることもあるようです。暴れた人は裏世界に堕とされうるそうです。

それぞれの箱庭は輪廻道に繋がっており、街の状態がいいと輪廻道も長持ちするそうです。輪廻道の宿はものによっては「入口がない」だとか「崩壊寸前」のものがあるなど、状態がよくない宿を実際に見ることができます。なおクリア後のおまけ時(ユウヤ自覚後)には、ミノニヨクシティから行ける輪廻道以外には行くことができなくなります。

凶の人々は街のことを「箱庭」と呼ぶのですが、これは心理療法の一種である「箱庭療法」に似たものを感じます。もしくは単にオモチャとして遊ぶ「箱庭」も想起します。「箱庭ゲー」と呼ばれるものにも通じているかもしれません。

ビル街の管理者である凶は、ユウヤが話しかけると以下のようなことをいいます。

私はね、一生懸命働く人が、
大好きなんです。それこそ、
「死ぬほど」働く人が……ね。

この凶の語り口に、住人を思い遣る印象はありません。箱庭の管理者という務め以上に、オモチャのように魂を集めているような感覚すらあるのかもしれません。

このように管理者として適切とは感じられない凶もいることを考えると、ミノニヨクシティの住み心地は悪くないはずです。その点でミチビキの業績は大きいといえるのかもしれません。

イザナイに目をつけられた厄介者

そのようにミチビキは優秀だと判断されている一方で、凶たちの間でも忌避されているイザナイから長らく目をつけられているそうです。カラコロが連れていかれそうになったように、ピギュラが来る前の住人で連れ去られた人物もいるかもしれません。

その上でなお、凶の都の「凶のQ&A その②」によると、イザナイから街を守る方法の手本として「ミノニヨクを手本になさい」という助言が載っています。

ミチビキをはじめとした凶の人々について細かくはわかりません。スカウトされた後どのようにしてリンネの姿から凶の幽霊に似た足のない風貌へと変わるのかもわかりません。肉体改造のようなものがあるとすれば、さすがにやりすぎではないかとも感じるでしょう。

姿を見せない他の箱庭管理者

また先程とりあげたビル街の管理者などは、ゲームクリア後のおまけで(ユウヤでいるとき)しか話しかけられません。ピギュラのときその凶を調べようとすると消えてしまいます。

作者の方のブログにて裏話が公開されており、「凶の見当たらない箱庭」について記されています。それによると姿を現すかどうかは凶個人の自由らしく、住民と交流するかも自由であるようです。

ユウヤになったときに話しかけられるのは「自覚しないと凶に話しかけられない」というような制約があるというより、相手の凶が自覚してなおミノニヨクシティに留まるユウヤに興味をもったから、ということなのかもしれません。

ミチビキを疑え

ミチビキの性格については、かなりドライなところもあるようです。カラコロが失踪するときにはなんのアドバイスもなく、カラコロを助ける際にイザナイと会ったことを知ると「危なかったですねぇ~」だとか「友情って偉大だなぁ~」とか無責任なことをいいます。

ミチビキの方針に疑いを抱くことが、おそらく本作「ミノニヨクシティ」においてトゥルーエンドからミノニヨクシティの住人すべての存在意義にわたるまで、広く疑義を呈することになるのでしょう。そしてゲーム内の端々でミチビキに対する不信を見かけることから、作者もこのミチビキの方針が「最善」だと示しているわけではないのではないでしょうか。すなわち「ミノニヨクシティは楽園ではない」という疑いの目です。

次のエントリ

次回のエントリでは、ミチビキの真実・後編をお送りいたします。

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