私の友達は彼女で……あれ、思い出せない「Milya[broken]」

SS:超オススメ(★★★★)
コンソールを使用して進めていく独特な日本製のホラーゲーム「Milya[broken]」の紹介記事です。

ダウンロードサイトのURL:
Milya[broken] by lol_rust
"Corpses do not retain your perception".
タイトルMilya[broken]
開発lol_rust(Twitter
オススメ度SS<超オススメ>:★★★★(月間でのオススメ)
リリース日2020/03/27
価格無料(寄付可能)
次元2D(2次元)
ジャンルホラーADV
特徴コンソール/ノイズ/バグ的表現/第四の壁/シングル/Unity
視点真横/斜め見下ろし
グラフィックバグ的2D
操作方法キーボード
言語日本語/英語(自動翻訳)
インストール不要
ファイル容量165MB<アーカイブ> / 536MB<解凍後>(日本語版)

ツイート

ツイートより概要を読みたい方は、こちらで飛ばせます。

補足

概要

「Milya[broken]」は、(おそらく)日本製のホラーADVゲームです。退廃した雰囲気が特徴の作品です。

本作はタイトルにある通り「Milya(ミーリャ)」に関するストーリーです。日本語と英語(機械翻訳)に対応していて、ゲーム内の文中ではロシア語らしき単語も見受けられます。Twitterのアカウントなども見ていくと、制作者はおそらく日本の方なのではないかと思われます。

退廃的かつバグ的な表現が非常に目立つ作風となっており、この手の表現が好きな方にとってはたまらないでしょう。ニコニコ動画の「sm666」などで知られる「ぴろぴと」氏の作品をいくらかマイルドにしたような印象を受ける作品です。そのため「グロテスク」というほどではありません。

本作のゲームシステムは、最初は右に進んで表示されるテキストを読み進めるだけです。他の作品を挙げるなら、「つぐのひ」シリーズと似ています。しかし実は他のキーを使用するなどして、物語をもっと進めていくことのできるギミックの多い作品です。公式での攻略情報もあります。

非常に凝っているのが伺える作りになっており、ゲーム内でコンソールを使って進めていくシステムはかなり珍しいといえます。コンソールは場合によって異なりますが、おおむねゲームではチート用のコマンドなどを入力できるインターフェースをさします。たとえば(シングルプレイ用などの)3Dゲームにて壁をすり抜けられるチートとして、「noclip」というコマンドが使われることがあります。

本作ではそうしたチートにもなりうるコンソールを使うということなので、「ゲームの外から本来しない挙動をゲームにとらせる」という印象を与えることになります。その上でホラー展開が広がっていくので、かなり没入度が高い作品だといえるでしょう。

クリアするには「根気」が必要

しかし本作の全貌を理解するには、かなり根気が必要です。私は一応エンディングと思われるものを見ましたが、本作はかなりトリッキーなので、実はその先すらあると疑う余地があるくらいトリッキーです。

たとえば自分に霊が憑いているといわれて除霊をしに行き、霊媒師に払ってもらって最後に「ぜんぶ憑き物は落ちましたか?」と聞いたときに、「ハハッ、とりあえずはもう来なくても大丈夫だよ」といわれるようなものです。霊媒師はぜんぶ落としたかどうかに答えておらず、単に「命の危険がある霊だけは落とした」ということかもしれないのです。

これはもはやそう疑わされてしまったらキリがなく、たとえその後で霊媒師が「冗談冗談! ぜんぶ払ったよ」といっても、「自分を安心させるためにそういってるだけなのでは……?」と疑心暗鬼になってしまいます。こればかりはあまり疑わず、キリのイイところで「とりあえずそういうことでいいか」と納得するしかありません。

いずれにせよ本作はそれくらいトリッキーなので、「自分が終わりと思ったら終わり」というような作品ですらあります。私が見たエンディングと思わしきものには「end」と明記されていたので、ひとまず私はそこをひとつの到達点として、新しい情報があるまではエンディングだと信じてみることにしています。

オススメ度

「Milya[broken]」のオススメ度は、SSランクです。SSランクは、毎週まとめている「#1ツイゲームレビュー」の週間記事でオススメとしてピックアップした作品のなかから、さらに生え抜きとして月間の「超オススメ」として選ぶくらいのランクです。細かいことを考えずに、私が「超オススメしている」作品だと思っていただければ早いでしょう。

本作がSSランクである理由は、システムを制作者がみずから構築し、これまでになかった作品をつくりあげただけでなく、ストーリーが二転三転してそちらでもしっかり楽しめるようになっており、さらには「プレイヤーがゲームをプレイするとはどういうことか?」といった要素にまで踏み込んでいるからです。

これを執筆している2020/04/13段階では、ひとまず月間の「超オススメ」であるSSランクには少なくとも該当する作品だと判断しています。さらにこの上に年間の「極オススメ」というSSSランクも用意しています。正直なところ、年間の極オススメとしてピックアップしてもいいのではないかと考えるくらいにはオススメできます。

特にシステムをしっかりつくりあげているところを考えると、有料で販売されていてもおかしくないレベルです。現在では英語のローカライズは細かく行われていないようですが、各言語にローカライズした上でSteamなどにて販売すれば、流行るのではないかと思うくらいです。

退廃的な雰囲気は、人によってはプレイを続けられないくらい苦手なことがあるかもしれません。そういう場合でもない限りは、多くのホラーゲーム好きの方々にプレイしていただきたい作品です。

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