タイトル | ねじれのきりとりせん |
開発 | ぴーた |
オススメ度 | A<GOOD>:★★(#1ツイゲームレビュー) |
リリース日 | 2020/04/07 |
価格 | フリー |
次元 | 2D(2次元) |
ジャンル | RPG |
特徴 | 戦闘/人助け/鬱/魔女/ファンタジー/シングル/マルチエンド |
視点 | 真横(探索時) |
グラフィック | デフォルメ2D |
操作方法 | キーボード |
言語 | 日本語 |
インストール | 不要 |
ファイル容量 | 76.6MB<アーカイブ> / 83.2MB<解凍後>(Version 1.00) |
ツイート
ツイートより概要を読みたい方は、こちらで飛ばせます。
【#1ツイゲームレビュー】「ねじれのきりとりせん」
無料でDL↓https://t.co/uDZCv95wdl
英雄になれる部活をつくろう!
そのために部員を集めよう!部員を集めたら人助けをしよう!
たとえ誰かが傷ついているとしても――終盤の鬱展開が著しい
「学園ほのぼのお助け鬱RPG」。#フリーゲーム pic.twitter.com/ApWq3YfLaB— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) April 21, 2020
補足
ぴーた @p_zAp_ 氏の作品。https://t.co/bl04uAiLPb
— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) April 21, 2020
この作者さんのゲームは
過去に2つレビューさせていただいています。https://t.co/te2V75W7ET— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) April 21, 2020
— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) April 21, 2020
この作者さんは、全体的に
鬱展開がかなりお好きな様子。本作でも「お助け」のほのぼの系で
いきなり鬱展開をド――ン!とぶつけてきます。あまりにこのド――ン!が急なので
初めての人は混乱するかも。 pic.twitter.com/IDBQJXMcUk— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) April 21, 2020
戦闘はそこそこありますが
RPGとして捉えると楽なほうかも。ただこの作者さんのゲームは
ボスが変化球になりがちなので
心地よく倒せるとは限りませんが。
あと信頼度はちゃんと上げておきましょう。ちなみに「平行線が交わるとき -Parallels Cross-」
が前作だそうです。https://t.co/2xXfywux5C pic.twitter.com/PoDxk1wO7f— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) April 21, 2020
エンディングは6つ。
全部見ましたが、救いは…まあ、ね?こういう作者の嗜好が
クリアに反映された作品(群)は
ほんとうにインディゲームらしいと
強く感じます。よかれあしかれ
ひきこもごも。— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) April 21, 2020
概要
「ねじれのきりとりせん」は、日本製のRPGです。終盤での展開の予想がつかない作品です。
本作は「人助け」をするゲームで、主人公は「英雄」になるべく学校でクラブをつくり、部員を勧誘して人助けをしていきます。このように前半のストーリーラインは健全なものの、物語の終盤では強い鬱展開になるのが特徴的です。
舞台は学校であり、活発ながらやや能天気な主人公ミズキがいろいろな生徒(ときには先生など大人も)巻き込みながら、ミズキの目的である「英雄になる」のためにクラブをつくります。ゲームはおおまかに前半と後半に分けられ、前半では部員を集めて、後半では部員を2人誘って学校中の困っている人を助けていきます。
作者・シリーズの情報
ツイートでも説明しているように、私はこの作者の方のゲームを過去に2作レビューしてきています。
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どちらも鬱展開のある作品で、特に「終末にさよならを、君に救済を。」は同じくRPGながら敵の裏設定やバグ的演出が秀逸なゲームでした。過去にレビューしたこの2作はシリーズもので、繋がりがあります。
また本作は「平行線が交わるとき -Parallels Cross-」が前作として存在します。そのため上記のレビューとは別のシリーズの作品となっています。
ベースは同じ味
私は本作を含めるとこの作者の方のゲームは4作プレイし、3作をレビューしてきています。そのなかでだいたい同じテイストが続いてきていると感じています。共通要素として、
- 鬱展開
- ややセカイ系
- 偽悪的
という3つを挙げてみましょう。ここでは①の印象がもっとも強く、③はやや弱めの要素だと見なしてください。
「1.鬱展開」は、そのままです。
物語の制作や演出論でいうところの「その物語全体を通して主人公たちが解決しようとしている主な問題」である「セントラルクエスチョン(Central Question:中心の問題)」は、たとえば本作では主要キャラクタたちのものは<人助け>であり、主人公ミズキにとっては<英雄になること>です。一見とても健全です。
この健全なCQ(セントラルクエスチョン)で鬱展開にするのは、実はとても簡単です。建前と裏設定を用意して、建前に立派でちゃんとしたCQを見せておいて、その建前でも論理的に破綻しない鬱的な裏設定を一緒にあらかじめ用意しておけばいいのです。過去にレビューした2作もこのようなニュアンスがありました。
「2.ややセカイ系」は、ざっくりいうと「物語は壮大だけど、実際に出来事が発生し収束しているのはごく狭い地域」ということです。セカイ系は、悪い見方をすると「全世界が大きな問題を抱えていても、鑑賞者(ここではプレイヤー)が見られるのは局所的な狭い世界」という印象の物語です。
俗には「エヴァっぽい」というのがセカイ系の簡単な概要です。日本ばかりが映されていて、他の国ではどんな情勢なのか、という情報があまり見えないという怪しさがあります。
好意的に捉えると、物語を制作するときに「全世界的な脅威を低コストで描ける」という利点があります。たとえばGANTZでは終盤で海外編や各国の人物が登場する展開があります。たとえ少しだけでも海外のシーンを映すときは、誤りが少ないように取材する必要性が大きくなります。こうした取材はたとえばフリーゲームなどでは非常に大きなコストです。これを避けられるのは、セカイ系の大きな利点だといえるでしょう。
「3.偽悪的」というのは、「本当は悪くないのに悪いふりをする」ということです。「本当は善くないのに善いふりをする」という偽善の逆だと捉えるとわかりやすいでしょう。
ファンになる? それとも飽きる?
この3つが、今のところ私がこの作者の方のゲームをいくつかプレイして感じた共通点です。
同じテイストの味というのは、まったくおかしな話ではありません。いわばラーメン店で、同じスープのダシを使って、醤油・塩・味噌のラーメンを作り分けるようなものです。スープも変えることで飽きないようにできるかもしれません。
しかしいずれにせよ、最終的に「作って提供する」という目的がある以上は、コストの問題が重要になってきます。ゲーム開発も同じです。労力的コスト・時間的コスト・金銭的コストを考えずにゲームをつくり続けることはできません。低コストは大きな魅力です。
しかしベースが同じ味ということは、やはり「飽きやすい」というデメリットがあります。
ベースを同じにするときは、同じにした上で他の要素でどう変えられるか、どう飽きられないようにするか、が大事になってきます。
ここにおいては私が「絶対にファンになれるゲーム」だと過剰にかつぎあげたり「飽きやすいゲーム」だとけなしたりするより、やはり実際にプレイしていただいて判断してもらうのが妥当だと考えます。
システムはしっかりしている
私は常にゲームを「物語」と「ゲーム性」で判断していますが、本作のゲームシステムはかなりしっかりしています。これもこの作者の方のゲーム全般にいえることです。
イラストは1つ1つが完璧に洗練されているわけではないものの、キャラクタすべてがしっかり特徴的に描き分けられています。それだけでなくメニューのUI(ユーザーインターフェース)もしっかりしています。
セーブを行うときなど上下にくるくると回転するこのUIは、単純に私たちがプレイヤーとして操作するときはあまり意識しませんが、実際に自分がこれをデザインする様を考えてみると、いかに難しいかが想像できるでしょう。
他にも、学校を移動する際は建物を「真横」から切って見たような視点になっていて、ありきたりな「斜め見下ろし型(真横から見た本作の映像を、さらに少し視点を上げて、浮いたようなカメラの位置から撮影しているもの)」ではないのも、視覚的な工夫が施されていると感じられるところです。
オススメ度
「ねじれのきりとりせん」のオススメ度は、Aランクです。Aランクは★が2つ(★★)で、通常の「#1ツイゲームレビュー」と同程度のオススメ度を示します。
本作がAランクなのは、鬱展開があるもののシステムがしっかりしていてRPGとして楽しめる内容になっているからです。
システムがしっかりしているのでBランクではありません。しかし鬱系は人によって好みが大きく分かれるので、ストーリー展開よりもゲーム性に大きな特徴がないとSランクまで上がるのは、少し厳しいでしょう。
この作者の方のゲームはおおむねストーリーの展開が似ているようなので、「ファン」でない場合は少し食傷してしまうかもしれません。しかし鬱系の展開が大好きな方ならば、ファンになって全作を存分に楽しめる素養があるといえるでしょう。