こんにちは、Caffeineです。
今回ご紹介するのは「終末にさよならを、君に救済を。」です!
タイトル | 終末にさよならを、君に救済を。 |
ジャンル | 2D/RPG/ドット絵/ウディタ/マルチエンディング/チップチューン/バグ表現/シングル |
開発元 | ぴーた |
価格 | 無料(フリー) |
リリース日 | 2019/12/01 |
言語 | 日本語のみ |
クリア所要時間 | 1週およそ20分 |
完全クリア時間 | 1時間前後 |
プラットフォーム | PCのみ |
操作方法 | キーボードのみ |
難易度 | (33/100)★★★☆☆☆☆☆☆☆ |
インストール | 不要 |
ファイル容量 | 約99.4MB(アーカイブ)/約107MB(解凍後)<Ver.1.00> |
実績 | なし |
どんな人向け?
おもしろければ罠にハマるのも悪くはないと思う人
裏があったり裏の裏があったりする作品が好きな人
本作の魅力は?
本作の魅力を語ることは、ある種その魅力を減じさせてしまうおそれがあることを述べておきます。なるべくネタバレを避けるように努めてはいますが、楽しみを少しでも減らしたくない方は、今すぐダウンロードしてプレイしましょう!
では、「終末にさよならを、君に救済を。」の魅力を確認していきましょう。
本作は「#1ツイゲームレビュー」でも紹介した作品で、おもしろいゲームでしたので改めてご紹介させていただくことにしました。
【#1ツイゲームレビュー】「終末にさよならを、君に救済を。」
救済系RPG。
あのゲームに似てるけど、どれに似てるかいうとネタバレになっちゃう系。
エンドは4つ。全部見たいなら、TRUEエンドは最後に見よう。逃げるんじゃない。救うんだ。#フリーゲーム #新作 #ウディタhttps://t.co/AzIhtGCAyR pic.twitter.com/C5gHI8lfPd
— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) December 1, 2019
「終末にさよならを、君に救済を。」の魅力は、作者の性根の悪さです(誉め言葉)。細かくはネタバレになるので述べませんが、ふつうにプレイしていれば完全に作者の手中にはまるでしょう。そこがいいのです。
罠にハマろう
とある作品に似ているのでそのタイトル名を挙げれば、そのゲームをプレイしたことのある人にはとてもわかりゃすいのですが、そのタイトルを挙げることがすでにネタバレになるので、名前を出しません。
ともかく本作のようなゲームでは、うまく作者の罠にはまることが大事です。ちゃんと楽しむには、最初は顕わがないことです。まずは作者の定めた運命に従うのです。抗うのは、その後で構いません。
終末がなにで救済とはなんであるのか、それはゲームをプレイしていけばやがてわかります。そしていずれ「作者め、ハメやがったな!」と感じるのです。
そこを楽しめる人であれば、本作をちゃんと遊ぶことができるでしょう。逆にこの点を知って「うーん、ちょっと嫌だな……」と感じるのであれば、本作のターゲットからはズレているということになります。
万人向けではない
しかしそうした「騙される」「罠にハメられる」というのが根底にある作品ですので、そうした要素が気に入らない方にとってはあまりイイ作品とはいえないでしょう。そこは「人による」と明言しておいたほうが間違いありません。
そもそもフリーゲーム・インディゲームには、大企業が制作するメジャーな作品にはない独特なおもしろさがあります。この「騙される」という点も、特徴的だといえます。
基本情報
まず「終末にさよならを、君に救済を。」について、基礎的な情報をまとめていきましょう。
説明文
ダウンロードサイト「ふりーむ!」の個別ページに掲載されている説明文を参照しましょう。
「このゲームは夢と希望に溢れています」
◇あらすじ
主人公と一緒にすべてを救済しましょう。※なお、登場する人物・団体などはすべて架空です。
実在する人物・団体などには一切関係ありません。ジャンル:救済系RPG
エンド数:4(NORMAL/HAPPY/BAD/TRUE)
プレイ時間:30分程度
開発元・開発者
開発者は日本の「ぴーた」氏です。本作「終末にさよならを、君に救済を。」は作者の過去作から続いているようですが、「プレイしなくても大丈夫です」と「Read_Me.txt」に明記されています。
本作の特設ページにて、攻略情報が掲載されています(左上の「HINT」から移動可能)。
インストール&容量
「終末にさよならを、君に救済を。」はウディタ製ですのでインストールは必要ありません。アーカイブのzipファイルをダウンロードして解凍すればすぐにプレイできます。
解凍前のアーカイブで約99.4MB、解凍すると約107MBです(Ver.1.00)。HDDに余裕がない方でも気軽にプレイできる容量でしょう。
ゲーム概要
それでは、ゲーム本編の内容に移りましょう。
ジャンル
冒頭で述べたように、「終末にさよならを、君に救済を。」は、プレイヤーが作者に騙される要素がある2DのRPGです。公式では「救済系RPG」と設定されています。日本の作品ですので、ここで紹介している洋ゲーのように英語を心配する必要がありません。
ゲーム性の基本はRPGの戦闘システムで、ゲームを進めるとザコ敵がたくさん登場します。
ボスも何体か登場するので、倒すにはしっかりとザコ敵を倒しておくことが重要になります。
レベル上げはさほど苦労しないシステム設計になっているのか、ザコ敵の強さが段階的に変わっています。経験値はザコ敵の強さによってやはり段階的に変化するので、レベルが低いうちは弱い敵でレベルを上げ、効率が悪くなったら少し強めの敵と戦うといいでしょう。
逃げるときに失敗することはなさそうですので、気楽に戦うことができます。セーブと逃亡をちゃんと使えば、レベル上げはまったく難しくありません。
マルチエンディングですので、何週かプレイすることになるかもしれません。ボリュームは大きくないので、コツをつかめばすぐにクリアできます。
とりあえず最初は、しっかり敵と戦ってボスを倒していくのをまじめにしていれば問題ありません。他のエンディングは、その後で模索していけばゆっくり楽しめるでしょう。
世界観
世界観はなかなか不思議で、主人公の巳雲(みくも)は最初からプレイヤーの存在を認識しています。つまり巳雲は自分がゲーム内のキャラクタであることを自覚しています。
そして巳雲は自分の行動がプレイヤーによって制限されていることも理解しており、彼はプレイヤーである私たちに向かって話しかけてきます。他の敵キャラクタなどは二進数(0と1の組み合わせ)で語ってくるので、基本的になにをいっているのかわかりません。
ストーリー
ストーリーは、巳雲の双子の弟がいなくなったので助ける、というものです。巳雲はゲームのキャラクタを自覚しているので、プレイヤーの協力がないと満足に動けないのを知っているのです。
巳雲に協力してゲームを進めていくと、細かいストーリーを教えてくれるようになります。
グラフィック&音楽
本作ではグラフィックだけでなく、音楽でも作者オリジナルの要素があるようです。
グラフィック
「終末にさよならを、君に救済を。」はウディタ製であり、簡単に述べるとRPGツクールなどと同じようなふつうの2Dグラフィックです。日本のアニメ調の雰囲気がある絵で、キレイだというよりドット絵として楽しむこともできるでしょう。
主人公の巳雲は男性のようですが、中性的に描かれている向きもあります。キャッチーな絵柄でグロ演出をするようなことはないので、ある程度は安心してプレイできるでしょう。
音楽
音楽は全体的に8bit調の曲、いわゆるチップチューン(Chiptune)系でまとめられています。マップ上ではほのぼのしたBGM、戦闘中はアップテンポの曲など、状況に合わせて選曲はちゃんと分けられています。
フリー音源が多用されていますが、エンドロールでは音楽などの項目に作者の名前もあることから、一部は自作されているようです。
操作方法
操作は上下左右キーで移動、Enterなどで決定、Insert・BackSpaceなどでキャンセルを行えます。特に難しい操作はありません。
システム
「終末にさよならを、君に救済を。」のゲームシステムは、RPGの戦闘要素とプレイヤーが「騙される」という2点に集約されます。
実はRPGの要素も後者の「作者がプレイヤーを騙す」という点に寄せられているので、より本質的なのはプレイヤーにとって「騙される」という点でしょう。そのためこの点をどうしても避けたい方には、本作自体がプレイしづらいものになってしまいます。
たとえば私のように、「うまく騙してくれるなら問題ない」と考える方にとっては、なんら支障はありません。むしろ本作は小規模ながら完成度は高いので、安心して騙されることができます。
所要時間
本作はボリュームが大きいわけではありませんので、1回のプレイは20分ほど、早ければ10分かからずにクリアできるでしょう。
ここでもネタバレを避けないといけない点があるのですが、ちゃんとクリアしようとしても1時間ほどでクリアできると思われます。
クリアにかかる時間だけを考えれば、休日の空いた時間にサクッとプレイすることができます。個人的には時間だけでなくストーリーの展開も考えると、気持ちに余裕があるときにぜひプレイしていただきたい作品だと思います。
難易度
本作のようにトリッキーな作品では、難易度のような一元的な評価をしにくいところがあります。見方やルートによって、容易に変化してしまうからです。
それでもわかりやすく説明するために本作の難易度を数字で定めるとしたら、低めの33点(100点中)ほどだと評せます。トリッキーな作風をひとまず置いておくと、RPGとしてのゲーム性は難しくないので簡単なほうだと判断できるからです。
ザコ敵でレベル上げするときは特に苦労を必要としませんし、ボス戦では巳雲が敵の弱点を教えてくれます。RPGとしてはヌルゲーといわれる可能性もあるくらいです。
問題は本作のゲームシステムの別軸である「騙される」という点です。うまく騙されて、本作すべてのイベントを見通す、というのはなかなか難しいでしょう。引き返せなくなるところがる、ということです。
次のエントリ
次回のエントリでは、ネタバレを含めた本作の感想を述べていきます。