【無料ゲーム】オチが秀逸な 化け物に超怪しい料理を提供する微ホラーADV「The Supper」【Steam高評価】

1ツイゲームレビュー
ある日Appletonさんのお店に3体の人間とは思えない異形のお客さんが現れました。Appletonさんは人間が頼む料理とは思えない彼らの注文を聞き、それを実際に作って提供していきます。異様な注文を意に介さないAppletonさんが料理を作るのを手助けするポイント&クリックADV「The Supper」の紹介記事です。

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概要

「The Supper」は、海外製のポイント&クリックゲームです。お客さんに料理を振る舞うために、食材などを探してまわります

このゲームのプレイしておもしろいところは、その雰囲気とエンディングのオチです。人間ではなさそうな見た目のキャラクタが登場し、人間が到底食べるものとは思えない料理を求められ、それを実際に作って提供するという怪しげな雰囲気があります。

私たちプレイヤーが動かすのは、料理を振る舞う「Ms. Appleton(Appletonさん)」です。

彼女はエプロンに返り血のようなものをつけていて、義足をつけて歩きます。呼び名の「Ms」は、彼女が既婚者であるか未婚者であるかを問わないものなので、実際に彼女が結婚している(もしくはしていた)かは不明です。

プレイ時にはこうしたフシギな状況や不気味な雰囲気を味わえますが、エンディングではどんでん返しのようなオチが用意されています。ネタバレを含めたエンディングの解説をこの記事の最後にまとめています

そのエンディングを含め、流血表現や微グロといえるような表現があります。もともと明るいテーマの作品ではないので、このゲームに興味をもつ人が不快感をおぼえるような表現ともあまり思えませんが、念のために注意喚起をしておきます。

オススメ度

「The Supper」のオススメ度はSランクです。Sランクは★が3つ(★★★)で、毎週のまとめ記事にて「オススメ」としてピックアップできるくらいのオススメ度を示します。

このゲームがSSランクではないのは、ゲームシステムに大きな特徴がなく、単なるポイント&クリックの1つでしかないからです。ここ本作のちょっとした弱点です。

しかしストーリーや雰囲気がとてもよく、Steamで高評価を受けていた理由はプレイしてみればすぐわかる内容となっています。雰囲気を味わうだけでも楽しめるので、英語がわからないという方でもぜひプレイして感じてみてほしい作品です。

ゲームの情報

タイトルThe Supper
開発Octavi Navarro
オススメ度S<オススメ>:★★★(週間でのオススメ)
リリース日2020/01/29
価格無料
次元2D(2次元)
ジャンルポイント&クリックADV
特徴微ホラー/料理/探索/血/微グロ/雰囲気/シングル/Steam
視点斜め見下ろし
グラフィックドット絵2D
操作方法マウス
言語英語
インストール必要
ファイル容量281MB(2020/05/15時点)

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補足

ネタバレ

エンディングのオチ

さて、最後にこのゲームの醍醐味のひとつであるオチについて、ネタバレありで解説しておきましょう。見たくない方は、ご注意ください。

このゲームのエンディングでは、2つの重要な事柄が説明されます。1つはAppletonさんに関することであり、もう1つは主人公に関することです。

まずエンディングの前に、すべての料理を提供し終えると、店内には3体の客の死体(死んでいるかは明確には示されていません)が残されます。それを店頭へもちはこび、店頭の粉砕機(grinder)で粉々にします。

粉砕機で客を粉々にするAppletonさん。

We’ve never used the grinder with such large specimens.

こんなに大きな標本を粉砕機にかけたことはないね。

まずここで、これが最初の犯行ではなく、何度か続けていることがわかります。

粉砕された客が粉々になって、ボチャボチャと鍋に注がれていく。

そしてこの粉砕機で粉々にした客の体は、これまで料理として提供してきたソースの鍋に注がれていきます。つまりこのAppletonさんのお店では、「前の客」をソースのダシとして使っていたことが明らかになります。

幽体らしきものがAppletonさんに話しかけている。

次のシーンでは、さきほどの客がもってきていた宝箱のようなものが空いていて、そこに白骨化したような死体が収められている様子が描かれます。その死体からは男性の幽体のようなものが出てきていて、目を閉じて眠っているらしいAppletonさんに話しかけています。

Thank you Ms. Appleton. I appreciate all you’ve done for me. At last I’m allowed to rest, and so are you.

ありがとうAppletonさん。あなたが私にしてくれたこと、感謝しています。これでやっと休めます、そしてあなたも。

このセリフでは、まだ謎があまり明かされません。

I have so many good memories of you and I working side by side. You were my dearest friend.

隣り合って一緒に働いた思い出がたくさんあるね。あなたは大親友だった。

穏やかだった頃の、かつての2人。

ここで、この男性(の霊)とAppletonさんの関係が、少なくとも「dearest friend(大親友)」と呼ぶような仲であったと示されます。彼がAppletonさんの旦那や、それに近い恋愛関係にあったかは定かではありません。

そしてゲームの冒頭からAppletonさんに話しかけていた謎の声は、この男性の霊らしいということもわかります。

この男性の声が指示を出していたこともあり、Appletonさんはそれに従っていたという見方のほうがより適切でしょう。ここから「主人公=Appletonさん」ではなく、「主人公=霊の男性」という見方ができます。

なぜこの男性はAppletonさんに話しかけていたのでしょう? それは「復讐」のためです。

When those beasts dragged me out from our kitchen I knew I was done for.

この化け物が私をキッチンから引きずり出そうとしたとき、私はもう終わりだと思った。

このメッセージは、過去の回想と共に表示されます。

食事を提供したさっきの客たちは、かつてAppletonさんたちを襲撃していた。

ある日3体のビースト(beasts)が2人の前に現れ、2人を傷つけていきました。ゲーム内のグラフィックの内容からわかるのは、男性が引きずられ、Appletonさんの両足が切って食べられてしまっている様子です。

ここでAppletonさんの両足が義足だったことの説明がつけられます

男性はこのときに殺されてしまった可能性があります。いずれにせよ霊となってしまっているようなので、Appletonさんとは死別してしまっているのでしょう。

そしてこの回想のなかで2人を襲った3体の化け物が、さきほど料理を提供して粉砕機にかけた客であるということにもプレイヤーはやがて気づきます。

I swear I didn’t steal that gold nugget from them. I won it fair and square.

あいつらから金塊を盗んではいないと誓うよ。あれはちゃんと不正なしに手に入れたんだ。

と続くので、おそらく3体の化け物は金塊ほしさに難癖をつけて襲いかかってきたのでしょう。

While I was anguishing, suffocating inside this chest they put me in, there was only one thing I knew for certain: You wouldn’t rest until you found me, dead or alive.

ヤツらが私を詰め込んだこのチェストのなかで苦しみ呼吸すらできずにいた間、1つ間違いなく確信できることがあった。死んでいようと生きていようと私を見つけるまで、あなたに休むつもりはないということだ。

ここで、やはり男性の死体が化け物たちのもってきた宝箱(チェスト)のなかに入っていたこと、そしておそらくAppletonさんの目的はそれを回収することだったのだとわかります。

I’m deeply sorry you had to lose your own sanity along the way.

本当にすまない、これまであなたは正気を失うしかなかったんだ。

そして最後に、Appletonさんは目的を果たすために正気を失った人間の女性だったのだと判明します。

こうしてこのゲームは終わっていくのです。

ネタバレのエンディング解説は、以上となります。

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