【無料ゲーム】酸素ボンベは180秒! このダイビングをDIEビングで終わらせないように……。 「180sDIEving」【鬱系】

3.0
S:オススメ(★★★)

このゲームに一言キャッチフレーズをつけるとしたら?

海底で何度も180秒を過ごして溺死してを繰り返して、なんとか地上へ戻ろうとがんばる鬱ゲー
180sDIEving:無料ゲーム配信中! [ふりーむ!]
「180sDIEving」:深海で180秒間だけ生きるゲーム

概要

「180sDIEving」は、日本製の2D探索ゲームです。タイトルの通り、180s(180 seconds:180秒)しか酸素ボンベがもたない状態で、故障して深海に沈んだ潜水艦から降りることになります。

潜水艦のなかや海底を調べることができますが、基本的に180秒しか活動できませんので、無駄な行動をとっているとあっさりと死んでしまいます。死ぬ瞬間の描写などはないので、残酷な表現は特にありません。

なぜかはわかりませんが、潜水艦から出て写真を撮ることで海中の生物を図鑑に登録できます。登録したところで具体的な処置がとれなければ酸素ボンベは尽きてしまうので死ぬことに変わりはありません。たとえ死んでしまうことになっても登録した生物は図鑑から抹消されないので、繰り返せばすべての生物を登録できるかもしれません。

こうしたシステムの作品なので、おおむね「180秒間 写真を撮るだけとって窒息死する」という行為を繰り返すことになるでしょう。最初から死ぬことがほぼ約束されている「儚い」雰囲気の作品として捉えることができます。「死にゲー」というジャンルの作品とは異なりますが、ある種この作品も死にゲーとはいえるのかもしれません。

オススメ度

「180sDIEving」は、Sランクのオススメです。Sランクは★が3つ(★★★)で、一週間のまとめ記事にて「オススメ」としてピックアップしている作品群です。

本作をオススメとしている理由は、ゲームシステムの設定に最初から「味」があることと、エンディング展開も味わい深いところです。

コンパクトな作品なので、フリーゲームらしくプレイ時間はさほど長くならないでしょう。もともと1プレイがどうあがいても180秒ということもあり、細かくプレイしていくことにはなります。そうしたプレイ時間とは別に、ゲームの設定や展開から感じられる雰囲気に、なかなか他では楽しめない味わいがあるのです。

この作品に興味をもった人の多くは、「180秒しか生きられない」という儚さのようなものに惹かれたのではないでしょうか? 明るいストーリーの作品はフリーゲームでもたくさんありますが、もしこういう暗めの設定に惹かれたのでしたら、ぜひプレイしてエンディングまで見てほしいと思うのです。

ここではネタバレしませんが(このページの後半でネタバレありの解説をしています)、エンディングの味わいは「潜水艦が壊れた上180秒しか酸素ボンベが使えない」という設定と同じくらい鬱系で絶望的な展開になっています。ぜひゲーマーの方々には、自分の手で見て感じてほしいと思います。

ここから次の項目ではネタバレを含めた情報を掲載していきます。ネタバレがお嫌いな方は、ここから先を読まないことをお勧めします。

ネタバレ<微>

ここからは少しネタバレを含めて解説していきます。これからプレイしようと考えている人には知りたくないと思える情報があるかもしれませんので、お気をつけください。

主人公の背景

潜水艦の真ん中あたりにある冷蔵庫のようなものがある位置を調べると、1枚の手紙を見つけられます。

この内容を読むと、本作の主人公は本来一人で深海に来る予定だったのではないことがわかります。主人公はゾイ、そして一緒に来るはずだった同乗者はグレゴリーという名前であるようです。

主人公が深海へ来る前にケンカ別れをしたため同乗者は来るのをやめたようです。文章はややぶっきらぼうで突き放した内容にも捉えられますが、最終的には仲直りのために写真を撮ってきてくれといっているので、悪い人ではないのでしょう。

これを見つけると、ケンカ別れをしたままちゃんと謝れずに深海へ来たことがわかり、潜水艦の故障により約束されている主人公の死が、より虚しいものに感じられるようになっています。

エンディングを見るには

潜水艦の操縦席部分を調べると、「ぶひんがあればなおせるかも?(0/3)」というメッセージが表示されます。この表記の通り、海中で部品を3つ集めると主人公の水中での死ではないエンディングを見られます。

ネタバレ<濃>

ここからはゲームをクリアするなどしないと見られないような濃いめのネタバレ情報をまとめていきます。

潜水艦の写真立て

また潜水艦のなかにある写真立てを調べると、2人の写真が見られます。ヘルメット内の主人公の髪型から察するに、おそらく右側の白く見える髪の人物がゾイなのでしょう。

両者の名前と写真から、両者の性別を推測することができます。ゾイが「Zoe」などならば女性名、グレゴリーは男性名だと判断されます。しかし写真ではどちらも少し中性的で、男性だといわれれば男性に、女性だといわれれば女性にも見えるあやふやなところがあります。

180秒時のメッセージ

部品を3つ集めると、潜水艦を直せます。潜水艦を直すと、会話のダイアローグが発生し、ゾイとグレゴリーのケンカがどんなものだったかわかるようになります。グレゴリーはなんらかの病気に罹っており、そのために深海へ来ることは叶わなかったようです。

なお潜水艦を直さずに180秒を過ぎてしまった場合、ゲームは強制的にシャットダウンされます。このとき一瞬だけ画面中央あたりにメッセージが表示されます。

その内容は「今そっちに行く」です。これを主人公ゾイのモノローグだとすると、ケンカの理由でもあるグレゴリーの病気が死に瀕するほど重く余命が幾許もないものだったので、深海で死んで自分もそっちへ行く、という意味になるのかもしれません。

エンディング

修理後のダイアローグの後、ゾイのモノローグで「かれにやつあたりした」と語られるので、やはりグレゴリーは男性だということがわかります。そしてグレゴリーに謝る決意を固めます。

しかし地上に戻ったゾイが見たものは、破壊された街でした。戦争が勃発したか、なにか大きな災害が発生したのかもしれません。「あなたが死ぬまであと0びょう」とメッセージが表示されるため、感染症や核汚染が発生していたのかもしれません。

総評

私は鬱系のエンディングを特に忌避しないので、こういうエンディングはそういうものだとして受けとって楽しめます。しかし人によっては努力が無駄になった、もしくは荒唐無稽だと考えて突っぱねることがあるかもしれません。

たしかにこのエンディングは荒唐無稽です。主人公ゾイおよびプレイヤーがこの結末を想定する材料がほとんどないからです。こうした衝撃的なエンディングを設定する以上、やはり「エンディングで驚きがMAX」になるようにしたかったのかもしれません。そうすると意外性を高めるために、たしかに情報が少ないほうが驚けるのは間違いありません。

このエンディングをどう評価するかで、本作自体の評価も大きく変わるでしょう。こうした性根の悪いエンディングは嫌いではないので、私は良作だと判断しました。

ゲームの情報

タイトル180sDIEving
開発者じゃむさんっぽいど
オススメ度S<オススメ>:★★★(週間でのオススメ)
リリース日2020/02/29
価格フリー(無料)
次元2D(2次元)
ジャンルADV
特徴ウディタ/探索/制限時間/潜水艦/海/深海/鬱/図鑑/動物
視点
グラフィックドット絵
操作方法キーボード
言語日本語
インストール不要
ファイル容量62.9MB<アーカイブ> / 83.0MB<解凍後>(Version 1.02)

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補足

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