概要
「伌」は、日本製の戦闘ありADVゲームです。動画配信の女性が悩んで病んでいく内容です。
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動画配信者の主人公。初めは楽しそうにしているが……。
小品でクセはそこそこ
ゲームとしては小品で、ボリュームは小さめです。10分前後でクリアできますし、難易度が突き抜けて高いわけでもありません。
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ファンから貰ったゲームで、バトルをしていく。「ハイ/Hai」は彼女のアバター?
ただ作風が「自己肯定感の低い女性動画配信者が病んでいく」というタイプで、鬱系にも分類されうる内容なので、人によっては楽しめない可能性もあります。
病み系配信者
ゲーム開始時点で主人公の女性は人気動画配信者として生計を立てているようです。顔出しはしておらず、アバターのようなものが見えることもあるので、VTuberのような活動をしているのかもしれません。配信者としては比較的 順調な活動をしているようで、コメントで荒れたりはしていないそうです。
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ゲームを遊び出してから、段々と鬱憤をボロボロ吐き始める。
しかしゲームを進めていくうちに視聴者を疑い出したり、自分の「外出が少なく枯れた生活」に自分で否定したりして病んでいきます。
それに対してプレイヤーは救いの手を差し伸べたりなにか介入したりすることもほとんどできないので、人によってはモヤモヤするかもしれません。むしろそのモヤモヤとした気持ち悪さを味として感じる楽しみもあるかもしれません。
ゲーム内ゲームのバトル
この作品のゲーム性は、ジャンケンのような3すくみのコマンド制バトルです。やや特殊なのは、3すくみの関係が「ターンごとに変化」することです。
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バトルの基本パターン。要はジャンケンのようなもの。
ジャンケンに譬えると、通常のように「グーがチョキに、チョキがパーに、パーがグーに勝つ」というターンもあれば、関係が変化することで逆に「グーがパーに、パーがチョキに、チョキがグーに勝つ」という3すくみになるターンもある、ということです。
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敵の出した手に合わせて、勝てるようにこちらも手を出そう。
最初は難しく感じるかもしれませんが、多少ならミスが許されますし、バトルを重ねていくと覚えられるでしょう。
これは、主人公があるファンから受けとったゲームのなか(つまりゲーム内ゲーム)でのバトルであり、呪われているのか いわくつきのようです。そしてそのゲームを主人公がプレイし続けるなかで、だんだんと病んでいく、というのがおおまかなストーリーです。
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勝つにせよ負けるにせよ、1度手を出したら3すくみの関係が変動する。
フリーゲームらしいフリーゲーム
このゲームの味わいを全体的に見てみると、おおむね「フリーゲームらしいフリーゲーム」だといえるでしょう。特に「独自グラフィック」として自分で描いた絵などを使うフリーゲームによくある「暗め」「めんどくさい」というタイプの作風のゲームです。
「めんどくさい」系の展開
私がこのサイトを始める前にインターネットで見かけた文章に、いまだに記憶に残っているものがあります。それは「トラウマがアイデンティティの人はヤバイから近づくな」というタイプのものです。
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主人公の病みについていけるかが、このゲームを楽しめるかどうかのラインになりそう。
このゲームの主人公は、いわばそれに近い「ゲームのキャラとしてなら許容できるけど、実際に身近にいたら面倒この上ない主人公」だといえます。
それはこの作品だけに当てはまるのではなく、日本のフリーゲームにそこそこの頻度で登場するパターンです。それが作者の心情の生き写しなのか、単にそういう流行りや人気もあるのだと認識しての作戦なのかは私にはわかりません。しかし海外のインディゲームには、あまりこの手の「めんどくささ」はありません。
そのため「日本のフリーゲームに慣れている人なら問題なく遊べそう」だともいえます。グロ系や激しくショッキングな描写はないので、そこは安心できます。
エンディングの後は……
エンディングに関しては、「状況」として結果が示されるだけなので、ハッキリとしたことはわからないようになっています。有り体にいえば、「プレイヤーが自分で答えを決める」タイプのあやふやなエンディングだとでもいえばわかりやすいでしょうか。
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バトルに勝ったときには中指を立てる。勝気なキャラを作っているのかもしれない。
人によっては救いがないと感じられるかもしれませんし、いやあれはちゃんと前向きに歩み始めた結果なんだよといいたくなる人もいるかもしれません。私は答えをおしつけたいとはまったく思わないので、実際にプレイして判断してみてください。
なおタイトルの「伌」は音読みでは「アイ」と読み、訓読みでは「こまる・くるしむ」と読むそうです。
オススメ度
「伌」のオススメ度は、Aランクです。Aランクは★が2つ(★★)で、通常の「#1ツイゲームレビュー」と同程度のオススメ度を示します。
このゲームがAランクなのは、ストーリー展開やゲーム性を含めて全体的に小品だからです。30分~1時間くらいのボリュームで、ストーリー展開やゲーム性にもっとインパクトやメリハリを加えていれば、Sランクにもなっていたかもしれません。
もちろん小品であるということは、それだけシンプルにサクッと遊べるということです。タイトル画面のイラストを見れば、オリジナルかつちゃんとクォリティのある作風だとわかるようになっているので、小品とはいえ「他のゲームと似たり寄ったりだな」と感じることはほとんどないでしょう。
ゲームの情報
タイトル | 伌 |
開発 | DeИ!eLLa games |
オススメ度 | A<GOOD>:★★(#1ツイゲームレビュー) |
リリース日 | 2020/07/16 |
価格 | フリー |
次元 | 2D(2次元) |
ジャンル | バトルADV |
特徴 | 配信者主人公/ゲーム内ゲーム/鬱/シングル |
視点 | ― |
グラフィック | アニメ調2D |
操作方法 | マウス |
言語 | 日本語 |
インストール | 不要 |
ファイル容量 | 30.2MB<アーカイブ> / 34.5MB<解凍後>(Version 1.00) |
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【#1ツイゲームレビュー】「伌」
無料でプレイ⬇https://t.co/LEJbCxT9fq
よしよし今日も視聴回数はよさそう。
動画配信は気楽だね。おっとファンからのゲーム?
バトル系か、やってみよう♪怪しいゲームをプレイして病んでいく
暗めのADVゲーム。#無料ゲーム pic.twitter.com/qxAn3akvrG— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) July 20, 2020
補足
タイトルは「あい」と読みます。
「こまる・くるしむ」とも読むそうな。10分程度でサクッとクリアできます。
でも鬱系テイスト。モヤモヤするかも。
むしろモヤモヤを楽しもう。 pic.twitter.com/Pvn11lEGIa— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) July 20, 2020
バトルは3すくみのコマンド制。
要は「ジャンケン」系です。ただラウンドごとに
3すくみの関係が変化するので、
その変化を覚えて
自分の手を変えましょう。 pic.twitter.com/UeIzw4aIA6— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) July 20, 2020
フリゲに耐性がない方は
ちょっとキツイかも?逆に鬱系フリゲに慣れてる人は
ふつーに楽しめるかもしれません。エンディングは
「おー、そう来たかー……」
という感じ。 pic.twitter.com/n4hrbZDCzP— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) July 20, 2020