グラボはそんなに必要? ゲームをスムーズにプレイしたい!

PCでゲームをする人のなかには、「グラフィックボード」についての話や噂を見聞きしたことがあるのではないでしょうか。重いゲームをスムーズに動かしたり、今のスペックでは動かないゲームを動かせるようにしたりするには、グラフィックボードを使うといいと世間では言われています。

しかしインターネットで出てくる情報は難しいものばかりです。さらには覚えないといけないこともたくさんあります。そうした情報を目前にして、多くの人がこう思うはずです。「グラフィックボードって、ここまでして使わないといけないものなの?

今回のエントリでは、グラフィックボードを使う以前のそうした大前提について考えていきましょう。
色々な情報を探る前段階として、グラフィックボードはなぜ重視されているか、そして重視されているにもかかわらずなぜ多くの人が困惑させられているのか、初心者の方にもわかるよう他のエントリよりも平易に表しています。

このエントリのポイント

  • あればかなり重宝するが、グラフィックボードは「必ずないといけない」わけではない。
  • 予算と相談するのが大事
2019年決定版! ゲーミングPCに本気でオススメできるグラフィックボードとは!? | | グラスト! - THE GRAPHIC STRIDE
「ゲームをストレスなく楽しみたい」「グラフィックボードを買おう」と考えている人への決定的な提案です。価格重視・コストパフォーマンス重視・性能重視などの様々な観点から考察し、グラフィックボードを購入するメリット・デメリットについても解説しています。自作PCに興味がある方・ない方・初心者の方にもオススメしています。

グラフィックボードが求められる理由

筆者は15年近くPCを使用し続けていますが、グラフィックボードの重要性が叫ばれるようになったのは2010年代のごく近年になってからではないでしょうか。そもそも日本ではそれ以前、PCでゲームをプレイするという考えが今ほど広まっていませんでした。ひとつのターニングポイントとして、Minecraftの登場は大きかったのかもしれません。

いずれにせよ現在ではグラフィックボードはPCパーツのなかでも重要性が高く認知されています。グラフィックボードについてあまりよくご存知ない方のために、PCをとりまく環境全体を通して、グラフィックボードを使用する目的について見ていきましょう。

よりよいゲームライフを送るため

一般的にグラフィックボードはゲームのパフォーマンス向上のために使用されることがほとんどでしょう。それというのも、グラフィックボードはPCにおいて「視覚情報」を改善する機能を担っているからです。グラフィックボードを設置・換装することで、PCが3Dゲームなどの処理を力強く円滑に行い、高負荷な処理に耐えることができるのです。

高負荷なゲームをプレイする

ゲームには処理の軽いものと重いものがありますので、どういったゲームをプレイするかでどんなグラフィックボードが必要かは状況によって異なります。
軽いゲームならば安価なグラフィックボードで大丈夫です。重いゲームならばやはり高性能なグラフィックボードでないとまともに動作しないことがあります。

動作環境や推奨スペックはゲームによって個別に設定されているので、高性能なパーツを利用しているほうがいろいろなゲームをプレイできることになります。
CPUやメモリも然ることながら、安価なグラフィックボードでは選択肢が常に狭まった状態になるのです。

より見やすくプレイする

同時に、画質やフレームレートを向上させた状態でプレイし続けるために、性能のいいグラフィックボードを使用することもあります。単にプレイするだけでなく、「より快適に」という条件を含めているわけです。

画質はやはり解像度が高く細やかなほうがキレイに見えます。単純にキレイなほうが心地よくプレイできるという観点もありますが、PVPなどの対人ゲームでは画質が悪いと視認性が低くなり、敵を認識するのが遅くなったり照準を合わせたりするのが難しくなるので、負けやすくなってしまいます。

フレームレートとは、1秒間にフレーム(画像)が何回表示されるかを表す数値です。fps(frame per second:フレーム毎秒)とも表記されますが、ゲームのジャンルにFPS(First Person Shooter)と呼ばれるものがあるので、区別をするために表記が避けられることがあります。
フレームレートの数値が高いほど、ゲーム画面もスムーズになり視認性が高まります。単純に不満なく映像を見ていられるという観点もありますが、処理が遅れてフレームが少なくなる「フレーム落ち(処理落ち)」が起こると、反応が遅れて敵に負けやすくなってしまいます。

動画の処理をスムーズにする

視覚情報を扱うグラフィックボードは、ゲームのみならず動画に関しても影響を与えます。ゲームで遊ぶ機会のない人たちは、こちらの機能を向上させるのに使用することがあるかもしれません。
昨今PCなどのIT製品の性能が大きく向上し、ネットブラウジング程度なら安価なPCでも容易に行えるようになりました。動画再生も同様なので、あまり固執しなくてもいいでしょう。

動画に関しては、作成・編集する作業において再生するとき以上にグラフィックボードの能力が必要とされます。いわゆる「エンコード」などです。
近年はVTuber(バーチャルYouTuber)をはじめとしたYouTubeに動画投稿をする人が増えてきて、個人が動画を作成・編集する機会が以前にもまして増えてきています。
こうした行為を頻繁に行うのであれば、ハイエンドの高性能グラフィックボード製品でなくてもいいので、グラフィックボードを設置しておいたほうがいいでしょう。

マルチモニタ化する

グラフィックボードを利用するもうひとつの利点は、複数のモニターを1つのパソコンで同時使用する「マルチモニタ化」が使用できる場合があることです。グラフィックボード製品にもよりますが、前世代のものでもマルチモニタに対応している製品はいくつもあります。
2つのモニターを同時使用することをデュアルモニタ、3つのモニターの場合はトリプルモニタと呼ばれます。

マルチモニタはビジネス用途としても視認性を上げる効果があり、「一度デュアルモニタなどにするとシングルモニタには(不便で)戻れない」と言われることがあります。
筆者もデュアルモニタでPCを使用しており、動画を再生したりしながらこのサイトの記事を執筆したりしています。シングルモニタを否定することはありませんが、筆者の主観としてシングルモニタ環境に戻せばたしかに不便に感じてしまうのは間違いありません。

必要ない人も多い

実質的には、グラフィックボードを必要としない人もいます。グラフィックボードが求められる理由のほとんどが「ゲーム」なので、PCをビジネス用途のみで利用する人などにはグラフィックボードが必要ないのです。その場合、細かくは「グラフィックボードを必要としない仕事に従事している人」がこれにあたるでしょう。

より細かくは「仕事用のPCにはグラフィックボードを搭載する理由が少ない」というほうが厳密でしょう。会社で使用するPCだけでなく、仕事用として使う会社・自宅兼用のノートPCなどもこれにあたります。

基本的にグラフィックボードを利用する理由は、「性能の改善」にあたります。不満を解消する効果はありますが、そもそもPCの使用頻度が低いためその不満を感じる機会が少ない方は、グラフィックボードを使用する意義は低くなります。

オンボードでも充分な場合がある

グラフィックボードを必要としない人は、「オンボード」とされる製品でも充分なことがあります。いわゆる「オンボ」というものです。内蔵グラフィックスとも呼ばれ、Intel製の「HD Graphics」が有名です。

性能はあまり高くありませんが、ネットブラウジングをする程度ならばグラフィックボードがなくても問題ありません。むしろCPUやメモリの性能が重視されるでしょう。
動画再生となると、もちろんごく数千円のグラフィックボードでも、ないよりはマシでしょう。
もし動画編集をするならば、オンボードでは厳しい場面が増えます。

PCを使用する目的がハッキリしており、かつ動画のような映像主体のコンテンツを利用する頻度が低いならば、無理にグラフィックボードを使用する必要性は少ないでしょう。
もし必要になることがあるとしても、グラフィックボードは後から設置することもできるので、そのときになってから判断するというのもひとつの手段になります。

なぜグラフィックボードは敬遠されるのか

近年では様々なゲームがPCでプレイできるという事実が認知され、PCをゲームハードと認識する人たちが増えてきています。特にPlayStationやNintendo Switchなどの据え置き型コンシューマ・ハードでプレイできないゲームも気軽に遊ぶことができ、PCはゲーム以外の用途にも使えるので、たまたま家にあったPCでゲームをしたいと考えるようになる人もいるでしょう。

しかし初心者であればあるほど、グラフィックボードについて調べるうちにうんざりとしてくる場面が増えてくることでしょう。なぜグラフィックボードについて知ろうとすると、そうした方たちは消極的になってしまうのでしょうか。

グラボは高価だから

グラフィックボードが敬遠される第一の原因は、その「価格」にあるといえます。グラフィックボード製品は安く性能もイマイチなものから高性能かつ高価なものまで幅広くあります。性能・価格によってローエンド(安く性能も低い)・ミドルクラス(性能も価格も中程度)・ハイエンド(高性能な分、高価)と区別して呼ばれることがあります。

ローエンドな製品であれば1万円以下のものがありますが、こうした製品はあまり使用する意義がありません。性能の向上があまり見込めないからです。
ミドルクラスの製品はコストパフォーマンスに優れ利用価値も高いのですが、2~6万円程度と世間一般の金銭感覚からすれば、この時点で高額といえるでしょう。
ハイエンドの製品になると5万円以上の製品が当たり前となり、最高性能の製品となると10万円を超えることがあります。趣味に投じる資金としてはためらわれる額です。

この「価格」がグラフィックボード最大のデメリットであり、敬遠される理由であるといえます。もしこの相場が1/10で「ローエンドが1000円以下、ミドルクラスが2000~6000円、ハイエンドが5000~1万円」程度であれば、こぞって誰もが利用することでしょう。
しかし現実的には「数万円」という相場が保持されているので、グラフィックボードを購入するのがためらわれているといえます。

設置に知識・経験が必要だから

グラフィックボードはPCパーツのひとつです。PCのパーツを使用する際は、PCケースを開けてなかのパーツに接続する必要があります。すでに別の製品を使用している場合は、それを外して新しい製品に換装(交換)しなければいけません。こうした行為は「自作PC」と呼ばれます。

自作PCは知識と経験がないと、やや難しい分野です。もっとも大きな難点は、的確な知識がないとせっかく買ったパーツを無駄にしかねない点でしょう。グラフィックボードに限らず、PCパーツには万単位で費用がかかるものが少なくありません。それが無駄になってしまっては、たまったものではありません。

こうした失敗を初心者の方が恐れるのは、しかたのないことです。自作PCというものに興味がなければ、なおのことでしょう。「ただゲームをしたい」だけなのに、リスクを冒さなければいけないのです。しかも各パーツは精密機械です。グラフィックボードを換装したかっただけなのに、ミスの種類によっては別のパーツを壊す危険性もあるのです。
自作PCとは常にリスクと隣り合わせです。

「自作のリスクを避けたい」「でも新しいPCを買うなんてコストが大きすぎる」という方のために、有料で換装を代行してくれるサービスなどがあります。もちろん費用が上乗せされることになります。とにかくなにをするにもお金がかかるとあっては、うんざりするのもしかたありません。

そもそも興味がない

費用がどうのこうの以前に、そもそも「グラフィックボード」に興味がない人も多いことでしょう。パソコンのパーツとか中身とか知ったこっちゃない、なんでそんなものにお金をかけなきゃならないんだ、と感じる人がいてもまったくおかしくありません。

興味は知識と密接

自作PCは趣味のひとつとされますが、そもそも趣味とは興味があってこそ始めることができ、継続することができるものです。興味がなければ、知識を蓄えたり経験を積み重ねたり自発的に行おうとはしないでしょう。

そうした状況に際して「どうして」とばかり愚痴をこぼして、いつまでたっても環境の改善に勧めないのならば、選択はおそらく2つしかありません。「諦める」か「費用を支払ってぜんぶ任せる」かです。
ここから先はどうあっても、本人が決断するほかありません。これ以上はいつまでわがままを言っても、誰も決断できないからです。

前進するか後退するか

「PCでゲームをする」という行為においては、もはやグラフィックボードの存在なしに語ることはできない水準に達しています
PCには主要なパーツが他にもあり、脳にあたる「CPU」や、処理をスムーズにするサポート役の「メモリ」などがそれにあたります。こうしたパーツを増強することで、高負荷に耐え円滑に動作するようにPC全体の性能を上げることができます。
しかしゲームをプレイする場合は、グラフィックボードが重要なのです。

たとえ初心者の方で知識に乏しく経験に欠ける人であっても、ゲームが好きで遊びたくて、その結果「グラフィックボード」という代物に辿り着いたのであれば、筆者はできるなら背中を押して一歩を踏み出せるようなサポートをしたいと考えています。
しかしそれは本人の意志がすべてですので、強制させられるべきものではなく、やっぱりやめようと思う余地は残さないといけませんし、そう思ったのなら後退できるようにすべきでしょう。

筆者は当サイト全体を通じて、グラフィックボードのデメリットは「価格」であると繰り返し告白しています。これはまぎれもない事実です。しかしそのデメリットを超えて前進するきっかけになるのは、「ゲームへの熱意」であるとも示しています。
このグラフィックボードの価格にけおされ、後退を選ぶのであればその判断は尊重されるべきです。進退の決心がつかずに迷うようであれば、情報を探ることもいいのですが、自分の胸に聞いてみるのもひとつではないでしょうか?

まとめ

  • ゲームで遊ばないならグラフィックボードの利用価値は大きく下がる
  • 動画を作成するなら安価なものでもあったほうがいい
  • 諦めるかお金で解決するかは、最低でも自分で決めよう

さいごに

グラフィックボードは主にゲームのパフォーマンスを上げるのに使用されますが、それは一般的な考え方であって、どうしてもコストを払いたくない場合は、諦めるのも決断のひとつです。少なくとも金銭を対価として得られるものが、その支払う金銭に見合わないと当人が感じれば、その手段を取らないという選択は尊重されて然るべきだからです。

大事なのは、どう不満を解決するかです。諦めたところで、基本的に物事は進展しません。少なくとも「グラフィックボード」という代物について、「一歩を踏み出す」という行為は少なからぬ費用を要するものなのです。この事実はどうあがいても変わりません。

筆者はゲームが好きですので、同じくゲームが好きだという方には、ぜひしっかりとした性能のあるグラフィックボードを使用して、楽しくゲームをしていただきたいと考えています。
しかしあくまで費用は費用です。それと「ゲーム」が見合うかどうかは、本人にしか判断しえません。
基本的にゲームが逃げることはありません(旬が過ぎたりサービスが終了したりしますが)。落ち着いてゆっくり考えて、納得できる解決策を探せるようにしましょう。

2019年決定版! ゲーミングPCに本気でオススメできるグラフィックボードとは!? | | グラスト! - THE GRAPHIC STRIDE
「ゲームをストレスなく楽しみたい」「グラフィックボードを買おう」と考えている人への決定的な提案です。価格重視・コストパフォーマンス重視・性能重視などの様々な観点から考察し、グラフィックボードを購入するメリット・デメリットについても解説しています。自作PCに興味がある方・ない方・初心者の方にもオススメしています。
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