こんにちは、Caffeineです。
今回ご紹介するのはSteamの激安FPS「Putrefaction」です!
ジャンル | FPS/スプラッタ/ゴア/3D/シングル |
開発元 | Kazakov Oleg |
価格 | \98 |
言語 | 英語のみ(日本語未サポート) |
クリア所要時間 | 2~3時間 |
完全クリア時間 | 5時間以上 |
プラットフォーム | Windowsのみ |
操作方法 | マウス&キーボード |
難易度 | 低~中(40/100)★★★★☆☆☆☆☆☆ |
必要英語力 | 低(20/100)★★☆☆☆☆☆☆☆☆ |
インストール | あり |
ファイル容量 | 約1.15GB |
実績 | あり(全10個) |
食べ物に譬えると?
100円の赤黒担々麺(実は辛味ひかえめ)
どんな人向け?
激安好きな人!
安物ならちょっと難があっても楽しめる人!
Basic – ベーシック
まずは「Putrefaction」の基礎的な情報を確認していきましょう。
基本情報
Steamでのストアページでは、以下のような説明が掲載されています。
Putrefaction is a First Person Shooter with horror elements, lots of enemies and weapons. The game heavily inspired by old-school shooters from 3D Realms and id Software.
Features
1) Fast-paced, adrenaline shotting.
2) Tons of enemies, with different behaviours
3) Huge variety of weapons, ranging from simple pistols and riflles to exotic and mystical weapons.
4) Boss battles with HUGE bosses.
5) Old school searching for med packs without health regeneration
6) Two game modes: campaign and survivalStory
In the near feature the new disease started to infect people. The infected experienced horrifying body transformations, making them unable to even walk or talk normally. In response to this threat a special elite force was created, with the task of finding a source of this horrible epidemic and eliminating it. You are playing as a member of this organization, send to check an abandoned base in mountains. From there you must find an underground facility and uncover horrible truth about what’s really happening.
「Putrefaction」はホラー要素のある一人称視点シューティングで、たくさんの敵と武器が登場します。このゲームは、3D Realmsやid Softwareの伝統的なFPSに強く影響を受けています。
特徴
1) ペースが早くアドレナリンの出るシューティング。
2) 違った挙動をする多数の敵。
3) シンプルなピストルやライフルから、エキゾチックで神秘的なものまで揃ったいくつもの武器。
4) 巨大なボスと戦うバトル。
5) HP自動回復がなく、伝統的なヘルスパックを探すシステム。
6) 2つのゲームモード:ストーリーとサバイバル。ストーリー
今から時代が少し過ぎた未来、新しい病気が人々の間で広まっていた。感染者は恐ろしい変身を遂げ、通常のように歩いたり話したりすることすらできなくなっていた。この脅威に応じて、この感染症の原因を見つけ根絶するという任務を負う特別なエリート軍が結成された。あなたはこの組織の一員となり、山間の放棄された基地を調べるべく派遣された。そこから地下施設を見つけ、本当はなにが起きているのかという恐ろしき真実を暴かなければならないのだ。
「Putrefaction」の通常価格は98円です。STEAMSALE.MEによると、最安値は半額の49円のようです。私は実際に49円で購入しました。
Steamのゲームですので、インストールは必要となります。データ容量は約1.15GBですので、あまり高スペックなPCを使用していない場合は、ストレージの容量に少し気をつけておきたいサイズではあります。もし数TBのHDDなどを使用している場合は、あまり気にしなくていいでしょう。
操作法は一般的なFPSと同様に、WASDで移動し、マウスで視点移動やエイミングを行います。
なお開発元「Kazakov Oleg」から、続編の「Putrefaction 2」の「Void Walker」および「Rumble in the hometown」が販売されています。
また「OLEG KAZAKOV’S BUNDLE」として、今回の「Putrefaction」などを含んだバンドルも販売されています。
システム要件
プラットフォームは、Windowsのみです。
OS | Windows® 8 (32/64-bit)/Windows® 7 (32/64-bit)/Vista |
プロセッサー | Dual Core Processor |
メモリー | 1 GB RAM |
グラフィック | 128MB Video Card with OpenGL support |
DirectX | Version 9.0 |
ストレージ | 1 GB 利用可能 |
最低スペックのみが掲載されており、推奨スペックについては記載がありません。
要求されているスペックは、どれも高くはありません。3DのFPSゲームを遊ぶためにしっかりとCPU・グラフィックボード・メモリの能力を底上げしているPCであれば、特に問題はないでしょう。
ゲーム概要
「Putrefaction」は3DのFPSゲームです。ゾンビのような感染者を倒すシングルゲームです。FPSゲームは多く存在しますが、L4D2など有名なものと似たイメージをもっていただければ、大きくは外れないでしょう。
システムは、マップを歩いていくとバリアのようなものが表示されて先に進めなくなり、敵が登場します。敵を殲滅するとバリアが消え、先に進めるようになります。ストーリーに関わるような特別なイベントはほとんどなく、進んでは敵を倒しまた進むという繰り返しです。ストーリーはトッピング程度で、とにかく敵を倒すのが醍醐味といったところです。
ゲームをクリアする所要時間は、およそ2~3時間といったところでしょう。一度進んだマップを戻ることはほとんどなく、適度にオートセーブが差し挟まれて失敗してもやりなおせるチェックポイントとなりますし、適度にマップのロードも挿入されます。
FPSとしての難易度は、さほど高くないといえるでしょう。特にPvP型のFPSゲームで要求されるエイムのような繊細さは、ほとんど必要ありません。あまりFPSに慣れていない方の場合は、敵の量やミスをしたときにパニックになってしまって簡単に倒されてしまうかもしれません。しかしシングルのゲームですし難易度を下げることもできますので、ミスを気にせず楽にプレイすることができます。
そのためFPS初心者の方を考慮した全体の難易度を考えてみると、「クリアはできるがミスは何度かする」という程度だといえます。そのため少し低めの真ん中あたりの40点(100点中)と見なしました。
グラフィックは決して驚嘆するようなものではありませんが、100円で遊べる3Dゲームとしてはまっとうなところでしょう。
ただBGMに関しては、ゲームプレイをちょっと盛り上げる程度です。ほとんど気にするものでもない程度ですので、逆に捉えれば好きな音楽を流しながらプレイするのもいいかもしれません。
また日本語はサポートされていませんが、ゲームプレイにはさほど影響を与えないでしょう。最初のストーリー解説などで英語が用いられる程度で、ゲーム内では言語的な情報は多くありません。ストーリーも「病気が蔓延してその感染源を探りに行く」という程度のものですので、英語にあまり長じていなくても楽しめるでしょう。
最初はホラーっぽいから
ちょっとドキドキするけど
進めると敵がいっぱい出るってわかるから
前のめりになっていくよね。
あれは前のめりだったのか。
頭突きかと思ったぞ。
やってあげよっか?
結構です。
シロートはいつも
一言多いですよね。
Advanced – アドバンス
この「Putrefaction」について、少し踏み込んだ情報を考えていきましょう。
どんなFPSと似てる?
ここまでおおまかな「Putrefaction」としての内容を見てきましたが、「他のFPSゲームとどう似ているか」という視点から考えてみましょう。
実際にプレイしてみて私が感じたのは、「Serious Sam」シリーズと「Killing Floor」シリーズに似ているという点です。
まず「Serious Sam」シリーズについて確認しましょう。
「Serious Sam」シリーズは、クロアチアの「Croteam」が開発しているFPSシリーズで、敵が多数押し寄せてくるなかをいくつもの銃を切り替えながら撃ちまくるゲームです。特徴はまさに「敵が押し寄せてくる」という点と、「いくつもある銃を切り替えて撃ちまくる」という点です。敵にも種類がいくつもあり、何十体と敵が押し寄せるなかで、その敵を避けつつ効果的な対応をしていくことが大事なのが「Serious Sam」シリーズです。
この「Serious Sam」と今回の「Putrefaction」の類似点は、やはり「敵が多数押し寄せる」という点と「武器がいくつも存在する」という点です。また「敵にいくつも種類がある」という点も類似しています。
違う点は、まず雰囲気が異なります。「Serious Sam」はトレーラーのBGMから見受けられるように、メタルミュージックのような「熱く激しい戦い」をFPSに落とし込んだゲームです。敵にせよ弾にせよ「数が勝負ッ!」といったような非常にアメリカンな作品です。
その点に比べると、今回の「Putrefaction」は人知れぬ地下に潜っていくストーリーそのままに鬱々とした雰囲気のなか、BGMも控えめで「値段相応」の印象を受けます。
そしてこの鬱々とした雰囲気のなかで感染者を倒していく様は、「Killing Floor」シリーズに似てきます。「Killing Floor」シリーズではゾンビに似た敵が「WAVE(ウェーブ)」ごとに数を増して押し寄せてくるので、それを世界中のプレイヤーたちと協力して倒し生き残るCO-OP型のPvEゲームです。
「Killing Floor」シリーズでは基本的にどのマップも薄暗く、爽やかなイメージはどこにもありません。クリアした後の爽快感に焦点があてられたものというより、敵に囲まれてどうしようもなくなる絶望感、そしてそれをどうにかして避けていくというギリギリのプレッシャーなどに焦点をあてたゲームです。
雰囲気は今回の「Putrefaction」と似通っていますが、「Killing Floor」シリーズが異なるのは「シングルかマルチか」という点でしょう。
このように「Putrefaction」は、敵が押し寄せて手数で押し返す様子は「Serious Sam」シリーズに似ており、ゲーム全体の鬱々とした印象は「Killing Floor」に似ています。
こうした要素を全体的に見ると、「Serious Sam」と「Killing Floor」を足して2で割ったようなゲームが「Putrefaction」といえるかもしれません。(完成度を求める人にとっては、3で割ったり4で割ったりしたようなイメージに感じられるかもしれません)
「ここがオススメ!」
まずゲームの内容より先に、98円であることは驚愕に値します(この驚愕は98円以上の値になるのではないでしょうか)。
もちろん世間では安ければ大したものではないと見なす向きがありますが、この「Putrefaction」はしっかりと遊ぶことができるFPSです。
最近はあまり行かなくなったので現状は詳しく知りませんが、一昔前では百均でCD-ROM形式のゲームを販売していることがありました。そうしたものは将棋や麻雀などテーブルゲームが多く、私たちゲーマーが普段ゲームと呼んでいる「ビデオゲーム」然としたものは少ない状況でした。あったとしてもとてもクリアまで遊べるクォリティでないものがありました。
この「Putrefaction」は価格こそ同程度ですが、それに比べるとしっかりと遊ぶことができます。全体的にシンプルにまとまっているゲームで、いくらか気になるところはあるものの、価格と比べてみると満足感は高いのではないでしょうか。
たとえばCall of DutyやBattlefieldの新作でこのクォリティの作品が出てくれば、ゲーマーは激怒するどころか開発会社が倒産しかねない騒動になるかもしれません。しかしこのクォリティの作品を友達が作ってきたら、拍手でもって迎えて「才能あるよ」と激励するかもしれません。
価格を無視すると改善点が気になりますが、価格を前提とすると満足感が高くなります。
すべてのゲームが不満なしに快適にプレイできるべきだという観点ではなく、価格などに応じて様々な作品があっていいという多様性を認めることができれば、このゲームは充分楽しいものだと見なせるでしょう。
マジ100円としては
よくできたゲームだぜ。
シロートは収入少なくて
性格も悪いけど、
収入少なくても性格がいい人、
みたいな感じだよね、
このゲーム。
スタイルちょっとアレでも
優しい女の子みたいな感じか。
ココロみたいな
口も汚いのと違って。
この2人はもう……。
グルルルルルル……
Grrrrrrr……
また実際のゲーム内容としては、敵ごとに挙動が異なるので役割が分けられているのがわかります。中盤以降では特殊武器と特殊な敵が登場し、具体的な手順で攻撃しないと倒せない敵が現れます。倒し方の説明などはありませんが、武器をそれぞれ試していればすぐにわかるようになっています。
またL4D2やSerious Sam、Killing Floorのように、FPSゲームはやはりPvPやCO-OPなどマルチでプレイするのが醍醐味のものが多く存在します。自分のエイムに自信があるわけではない人は、味方に迷惑をかけるのが怖くてプレイできない人もいるでしょう。自分のペースで進められるシングルゲームの気楽さもあるでしょう。
「ここはイマイチ……」
この「Putrefaction」はおよそ100円ということもあり、さすがに少しでも気になる点を挙げるといろいろと述べることができます。ここでは特にプレイ中のストレスに繋がる事柄について、記していきます。
FPSをいくつかプレイしたことがある方に向けて操作感を説明すると、センシの調整が実際のプレイ中にはできず、プレイ開始前のタイトル画面でしか行えないため、やや面倒だと感じることになるかもしれません。私はプレイしている最中にそれに気づかず、短時間でクリアできるゲームであることがあいまって、プレイし始めてからデフォルトのセンシのまま少し酔いながらクリアするに至ってしまいました。
フリーのインディーズゲームでも、タイトルに戻ることなくプレイ中にセンシを設定できることを考えると、やや不満は残ります。
この「Putrefaction」で特徴的なのは、リロードの概念がないことです。設定のControl画面ではリロードが「R」に設定されているようですが、プレイ中に使用することはありませんでした。ゲーム設計が「弾薬とヘルスパックをマップ上で回収する伝統的FPS」としてなされているため、弾薬は至るところに落ちています。それを回収すると各種武器の弾薬が増え、撃つと消費していくことになります。リロードがないので、装填数に気を配る必要はありません。
また発砲時のブレがない(もしくはほとんどない)ため、リコイルコントロールの必要もありません。ヘッドショットの概念もないのか、逃げながらエイムを置いて撃つことである程度の数の敵を処理することができます。
そうした観点からは、FPSとしてのスキルに重点をおいて”いない”ゲームであり、FPSプレイヤーにとっては敷居が低いといえるのではないでしょうか。
しかしプレイ中のストレスという要素について考えてみると、後退しながら敵を撃っているとそこかしこに引っかかるオブジェクトが配置されていて敵に囲まれる、階段を上っているとなぜか途中の段差で進めなくなる(ジャンプしないと通れない)といったストレスに繋がる現象があります。引っかかるオブジェクトについては、わざと配置して難易度を上げるつもりだったのかもしれません。
あとは殲滅戦で敵をすべて倒したときにバリアが解除されて次に進める仕様であるため、どこかに敵が隠れたり引っかかったりしていた場合は先に進めなくなってしまいます。そのときは少し戻ってくまなく探せば残党を見つけ出すことができるはずですが、やはり少し不親切さを感じてしまうかもしれません。
そうはいうものの、全体的には「こんなゲームもう二度とプレイするか!」というタイプのストレスではなく、「まあ安いしこれぐらいはしかたないよね」という許容できる程度のストレスではないでしょうか。
安さというのは、とても大きな魅力です。なんでもかんでも5,000円以上で場合によっては1万円もするようなゲームばかりではなく、こうした「安い分、他のゲームがいかに作り込まれているか」を実感できるようなゲームがあってもいいのではないでしょうか。
Professional – プロフェッショナル
ではこの「Putrefaction」について、もっと踏み込んだ情報を考えていきましょう。
食べ物に譬えると?
そうした指標になりうるのが、「このゲームを料理・食べ物・飲食品に譬えたら?」という情報です。
この「Putrefaction」を食べ物に譬えると、「100円の赤黒担々麺(実は辛味ひかえめ)」です。
- 100円の赤黒担々麺(実は辛味ひかえめ)
- 100円
- 小腹を満たすにはイイ量
- 見た目は赤黒
- スプラッタやゴア要素
- 辛味ひかえめ
- 見た目だけでさほど難しくはない
まず「Putrefaction」は基本価格でもおよそ100円となっていて、これは注目に値するでしょう。安いものでは「安かろう悪かろう」という言葉がありますが、ある程度しっかりと遊べるものがこの価格で販売されていれば、満足できる人は多いでしょう。
たとえばこの100円で料理を提供している店で、「なんだこの味は! あそこの有名店と比べるべくもねえじゃねえか!!」と怒っている人がいるとしたら、その人の方がやや場違いでしょう。味に文句があるとしても怒るべきものではなく、腹が立ったなら途中ででも店を出てその有名店に行くなりすればいいでしょう。
少なくともこの安値の商品に目をつけた私たちは、料理そのものを楽しむ姿勢に加えて、「これだけの価格の安いものを楽しんでいる」という姿勢で臨むことで、より深く味わうことができます。
またこの担々麺は見た目が赤黒で、人によっては見ただけでとても口にできないと感じることがあるかもしれません。しかし実際には辛味がひかえられており、食べてみれば「意外と食べやすい」と感じることでしょう。人によっては辛味もゴマの風味も抑えられているので、もう少し濃くてよかったと感じる人すらいるかもしれません。
この赤黒い見た目というのは、すなわちゲーム内のスプラッタとしての流血表現や、ゴアとしての身体破損表現などがそれに類します。ゴア表現に慣れていない人にとっては少し身構えてしまうものかもしれませんが、全体的な表現自体はマイルドです。
ただしあえて触れておくと、海外のゲームというのはやはりゴア表現が過激なものがいくつもあります。Mortal KombatのFatalityのゴアシーンや、BethesdaゲーのTESシリーズやFalloutシリーズでのゴア表現を見ていると、この「Putrefaction」のようなゴア表現は手ぬるく感じられるかもしれません。あくまで慣れの問題ですので、たとえこの赤黒担々麺が見た目ほど辛くはないといっても、辛いものがまったく口にできないという人にとっては刺激が強い可能性があることは、言及しておいたほうがいいでしょう。
さいごに
たとえSteamのゲームといえども、安いものにはやはり安さ相応のクォリティのものが多くあります。そんななかでこの「Putrefaction」は完成度が高いわけではありませんが、100円程度で遊ぶことのできるゲームとしては充分なクォリティなのではないでしょうか。
生涯で初めてのFPSとしてオススメするなどできるようなものとは少し異なりますが、他のFPSゲームをいくつかプレイしたことがある人にとっては、「こうした激安FPSがあってもイイ」とは思えるのではないでしょうか。