こんにちは、Caffeineです。
今回ご紹介するのはSteamでプレイできるポイント&クリック(P&C)ゲーム「Cursed」です!
ジャンル | P&C/2D/パズル/女性主人公/ホラー/雰囲気/シングル |
開発元 | Jetdogs Studios |
価格 | \498 |
言語 | 英語/ロシア語/チェコ語(日本語未サポート) |
クリア所要時間 | 2~4時間 |
完全クリア時間 | 同上 |
プラットフォーム | PCのみ(Windows、SteamOS+Linux) |
操作方法 | マウスのみ |
難易度 | 中(39/100)★★★★☆☆☆☆☆☆ |
恐怖度 | 低(5/100)★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ |
必要英語力 | 中(59/100)★★★★★★☆☆☆☆ |
インストール | 必要 |
ファイル容量 | 約1.18GB |
実績 | あり(全12) |
食べ物に譬えると?
ケーキのバイキング!
どんな人向け?
英語ゲームでも試してみたい人!
完成度が高ければ少しの不満は捨てられる人!
Basic – ベーシック
まず「Cursed」について、基礎的な情報を確認していきましょう。
基本情報
Steam上での「Cursed」のストアページでは、以下のような説明文が掲載されています。
Her future, as well as of the whole world depends on her ingenuity and bravery. The path to her fiancé is blocked by ghosts, dragons, demons and other creatures from beyond. Will she overcome her fears? Will she find her beloved? Play “Cursed” and find out!
彼女の未来、そしてそれだけでなく世界の未来も、彼女の機転と勇気に委ねられています。彼女のフィアンセへと至る道はゴースト、ドラゴン、デーモンやその他のクリーチャーによって阻まれています。彼女は恐怖を乗り越えられるのでしょうか? 彼女の愛する者を見つけ出せるのでしょうか? 「Cursed」をプレイして見つけ出しましょう!
「Cursed」の通常価格は498円です。STEAMSALE.MEによると最安値は49円のようです。実際に私は49円で購入しました。
またインストールはSteamのゲームですので必要になります。容量はおよそ1.18GBですので、数TBのHDDを所有している場合はあまり気にしなくて構いませんが、数百GBのHDDを使用している場合などは空き容量に気をつけておきたいファイルサイズです。
操作方法は一般的なポイント&クリック系ゲームと同様、マウスのみです。コントローラのサポートはなさそうです。
また言語も英語のみで、全般的にどの場面でも英語を用いた状況説明が行われるので、全体的に英語への理解が求められます。
システム要件
プラットフォームはPCのみで、WindowsとSteamOS + Linuxが対応しています。
Windows
OS | Windows XP |
プロセッサー | 1.6 GHz |
メモリー | 1 GB RAM |
グラフィック | 1024×768 resolution |
ストレージ | 2 GB 利用可能 |
サウンドカード | On board |
ポイント&クリックの2Dのゲームですので、全体的なスペックの要求はさほど高くありません。
しかし低予算でPCを自作した場合は、少し重くなることがあるかもしれません。
とはいうものの、ゲーミングPCなどで全体的に性能を底上げしたマシンを使用しているなら、あまり気にしなくてもいい程度でしょう。
SteamOS + Linux
最低:
OS | Linux Kernel 3.0 or above |
プロセッサー | Core 2 Duo 1.8GHz or equivalent |
メモリー | 1 GB RAM |
グラフィック | 1024×768 resolution |
ストレージ | 2 GB 利用可能 |
サウンドカード | On board |
ゲーム概要
「Cursed」は2Dのポイント&クリック系ゲームです。日本ではさほど「ポイント&クリック(Point and Click)」という名称はメジャーではありませんが、画面の至るところを指して(point:指を向ける)クリックして(click)いろいろと探索するゲームです。基本的にアイテムが隠されていて、それを見つけて組み合わせたりして、様々な障壁や問題を切り抜けて次に進んでいくスタイルのゲームです。日本語では単に「探索ゲーム」と呼ぶ方が一般的かもしれません。
海外製のポイント&クリックでは、少し劇画調の写実的(リアル)な絵柄を扱っていて、2Dながらアニメーションを使用してムービーが挿まれるものがあります。すべてのポイント&クリックがこのスタイルということではありませんが、ポイント&クリックのジャンルにはそうしたスタイルのものがある程度確立しているのです。
この「Cursed」も、そのスタイルにのっとったポイント&クリックです。
この主人公、美人すぎね?
たしかに。
たしかに。
ココロなんて
足元にも及ばねえじゃん。
どういう意味?
……。
さっき同意したのに
なんで今回は黙ってんだよ、
Caffeine!
撃たれる雉の多くは
鳴く雉なんですよ?
及ばない足元ではありますが、
どうやら虐げてほしそうなので
シロートを踏んづけてやりましょう。
体重のせんな!
背骨が折れる!
折れない!
重くない!
シロートのことは自業自得ですので目をそむけるとして、話を戻しましょう。
ポイント&クリックではいくつかのスタイルがあり、主人公がいる部屋を離れた視点から見て、部屋の床などをクリックすることで主人公を移動させて調べるものもあります。このスタイルでは主人公がゲーム画面に映ります。
しかしこの「Cursed」のようなゲームでは、主人公の姿がゲームで描かれることはあまりありません。実際にこの「Cursed」では主人公はオープニングムービーで少し映るくらいで、それ以外ではほとんど描かれることはありません。
少し混乱を生じかねないのであまりいい表現ではないのですが、FPSと同様に「一人称視点(主人公視点)」のゲームと認識することもできるでしょう。(実質的に「FPS」という用語はWASDキーなどを使用して自由にマップを移動できるものを指すことがほとんどであるため、この「Cursed」などをFPSと呼ぶのは苦しいものがあります)
ポイント&クリックは難易度も様々なのですが、全体的にどこかしら「詰まる」箇所が生じることが多いジャンルです。王道な「FLASH」の「脱出」系ゲームでは、よくタンスと壁の隙間やゴミ箱の底・裏など普段はほとんど確認しないような場所を探索させることがよくありました。またクリックで反応する範囲が狭く、探索する楽しさ以上に煩わしさが勝ってしまうようなジャンルとなっていました。(FLASHで対策が講じられていないゲームでは、TABキーを押すと四角い黄色のボックスが表示されたものでした)
この「Cursed」のようなゲームでは、フリーのFLASHゲームとは違い有料なだけあって、いくつかの救済措置がシステムとしてあらかじめ存在します。今いるマップでどういう行動ができるか(どこへ移動しどこを超さできるか)を示す「ナビゲーション」、次に進むためにはどこへ行ってなにを調べるべきか示す「ヒント」、またゲーム全体で行き来できる場所とそれぞれがどのように分岐しているかを表示してくれる「マップ」といった機能があります。
そのためいわゆる「詰んだ」状態になっても、窮地を切り抜けやすくなっています。
またところどころにパズルが登場し、ほどよく気持ちを切り替えることができます。パズル自体はどれもあまり難易度は高くなく、でどのように解くか表示されることもありません。パズル単体として適当にルールを推測して試してみるだけで、ある程度はクリアできるでしょう。
全体的に見ると、ポイント&クリックとしてやはり詰まる箇所がいくつかはあるでしょう。実際に私はプレイするなかで何度も「詰みかけ」ました。しかし救済措置があることを考慮すると、やはり大幅に難易度は下がるものと思われます。またパズル自体はさほど難しくありません。そのため全体の難易度は少し低めの中程度である39点(100点中)としました。
なおこの「Cursed」には12個の実績がありますが、最後までクリアすればすべて解除することができます。
次に言語についてですが、ここがポイント&クリックの難しいところのひとつです。なぜならばポイント&クリックはインディーズゲームとして販売されることが多く、そのためか日本語をサポートしていないことがかなり多いのです。
今回の「Cursed」は「Jetdogs Studios」というスタジオから発売されており、公式ページによると2015年にフィンランドのヘルシンキで設立されたそうです。そのためか対応している言語は、英語・ロシア語・チェコ語と少し独特な並びとなっています。
そのため日本人にとっては、ややハードルが高めとなってしまっています。おそらく私も数年前であれば、プレイはまったくできなかったでしょう。私はSkyrimやFallout 4などのBethesdaゲーを(MODを入れたいがために)英語でプレイし、YouTubeなどで英語の動画を見る回数が増えたため、ある程度は英語を理解できます。大人になってから英語学習のスクールに通ったことはないので、ほぼ完全に独学ではありますが、独特な言い回しや文語的な高度な表現などでない限り整った文であればわかる、というのであれば私と同様ですので、この「Cursed」をオンライン辞書などでも使用することなくスラスラとプレイすることができるでしょう。
そのため全体的に要求される英語の理解力は少し高めになります。アクションゲームなどですと動かすことができれば英語の理解力は高くなくても済むことがあるのですが、ポイント&クリックのように英語でリアクションが返ってくるゲームでは、高くならざるを得ません。その点を考慮して、必要な英語の理解力は高めの中程度として59点(100点中)としました。
クリアするまでの時間はおよそ2~4時間程度と思われますが、ナビゲーションやヒントなどの救済措置を控える縛りプレイなどしない限り、あまり大きくは変わらないでしょう。もし英語がわからないなりに文章を飛ばしてプレイし、またナビゲーションやヒントを多用するならば1時間程度でクリアすることになるかもしれません。
なお音楽は、ゲーム全体を邪魔しないような比較的おだやかなものばかりとなっています。雰囲気を盛り上げるための荘厳なBGMが流れることはありますが、ホラーゲームのように驚くようなBGM・SEはほとんどないといっていいでしょう(私が驚かなかっただけで、過敏な人も驚くことはないという保証はありませんが)。
Advanced – アドバンス
次にこの「Cursed」について、少し踏み込んだ情報を考えていきましょう。
「ここがオススメ!」
この「Cursed」の魅力は、そのまま「ポイント&クリックの魅力」といってしまって差し支えないでしょう。いわば探索とパズルの醍醐味です。謎を解いていく楽しさです。
ポイント&クリックというジャンルでは、ホラーと組み合わせてあるゲームもあります。その場合は恐怖演出も醍醐味となりますが、この「Cursed」ではそうした演出はないので、単純に「どこにアイテムが隠され」ていて、「どのアイテムを使えば問題を解消でき」て、「どのようにすればパズルが解け」るのかと模索していくことが、このポイント&クリックの楽しさです。
またパズルゲームではストーリーがないのに対して、ポイント&クリックではしっかりとしたストーリーが用意されているのが、パズルゲームとの違いといえます。この「Cursed」でもしっかりとしたストーリーがあり、主人公のフィアンセAlbertはあるとき不思議な依頼を受け、結婚資金を稼ぐために遠出をするのですが、そこから音信不通となったそのフィアンセを探して、主人公は依頼の手紙に書いてある住所へと向かうことになる、というものです。
ネタバレはしないように心がけていますのでおおまかに述べると、ストーリーはフィアンセを見つけ出して脱出して終わり、というものではなく、ある程度つくりこまれているものです。映画のようにダイナミックなストーリーだというわけではありませんが、ストーリーラインのないパズルゲームを淡々と解くより、なにかしら起承転結があるほうが楽しめるという人にはオススメできるでしょう。
全体的な雰囲気はホラー風に演出されていますが、実際のところはまったく怖くありません。そのためちょっとだけ雰囲気を楽しみたい方にはちょうどいいかもしれません。
またゲーム全体を通してパズルゲームと似た謎解きが多いので、RPGやFPSのように「戦う」ことに主点を置いたゲームで気持ちを消耗したくないときにもうってつけでしょう。こうしたゲームは効率を求めたり早くクリアすることを目的としたりするゲームではないので、のんびりと楽しむのにいいでしょう。
こういう探索ゲーム、
個人的にはけっこう好き~。
(背中をさすりながら)
俺は頭使うの得意じゃねえが、
まあこういうのもおもしろいよな。
英語はかなり苦手だから
ストーリーはぜんぜん
わからなかったけどな。
たとえ英語がわからなくても
パズルと雰囲気だけ楽しむ
のもアリだと思いますよ。
「ここはイマイチ……」
ではプレイした上で「ちょっとここは……」と感じた部分を挙げてみましょう。
「仕様」という溝
この「Cursed」は全般的なポイント&クリックとしてある程度システムが整っているゲームです。そのジャンル上、やや詰まりやすい、停滞しやすい箇所があるにはあるのですが、全体的に整ってはいて救済措置としてナビゲーションやヒントが存在するということでした。
しかしこのナビゲーションやヒントが、やや曲者なのです。
具体的にいうと、ナビゲーションもヒントも具体的に「こういう行動をとればその謎が解ける」と指し示してくれるものではありません。システム上どうしても曖昧なヒントにしかならないのです。
たとえば立ち入り禁止を示す縄があってそれを切らなければならないとき、手持ちにハサミ・ナイフ・糸ノコギリ・ペンチなどがあったとして、ハサミでもナイフを使っても切れないときがあります。まさかと思って糸ノコギリやペンチをあてがっても切れません。他に拾わないといけないアイテムがあったり、先に別のところの謎を解いたりしないといけないのかなどとマップを行き来してみるものの、進展はありません。そこでヒントを使うとやはり縄のところへ誘導されます。縄の画面でヒントを使うと、やっぱりナイフを使うアイコンが表示されるので、そのアイコンが表示されたところにナイフを重ねてクリックします。しかしナイフを使用できず、縄は切れません。どうしてかどうしてかと繰り返しているうちに、急にスパンとナイフで縄を切るアニメーションが再生されます。そこで「ひょっとして……」とプレイヤーは気づくのです。
ナイフを縄に使用するという発想は間違いではありませんでした。そのためヒントが誤ってナイフで縄を切るよう指図していたのも間違いではありませんでした。縄の上にあるナイフで切る判定は、左右に伸びる立ち入り禁止の縄の「左右の端」にしかなかったのです。
これはあくまでここで私がでっちあげた架空のエピソードです。実際に似たような経験をこの「Cursed」で経験しましたが、それを事細かに説明するとネタバレになるので避けています。
ゲーマーであれば、こうした制作サイドとプレイヤーサイドの認識の違いに簡単な答えを出すことができます。「仕様」です。
この架空のエピソードでいうと、架空の制作サイドは縄を切るときのイメージとして「真ん中」ではなく「端」であって然るべきだと判断したのでしょう。そのため判定が「端」に設定されていました。しかしプレイヤーは、少なくともその架空のシーンをプレイしていた私は、縄を切るときのイメージとして「真ん中」であるのが当然だと認識していろいろと試しました。この認識の違いが仕様としてゲーム内で定着してしまっているとき、「なんで……」とプレイヤーとしてはストレスを感じることになってしまうのです。
プレイヤーとしてはわざわざ縄の「端」だけに判定を設定する必要はないだろうと考えることがあるでしょう。いってしまえばそれはちょっとした「固定観念」なのかもしれません。そして制作サイドも生半可な判定を残すのは美学やモットーに反すると考えたのかもしれません。この「認識の違い」が、こうしたゲームではストレスに繋がります。
またこういうゲームの常として、「特定のアイテムでしか処理できない」というイベントがあります。たとえばこの架空のエピソードでは縄を切るイベントでしたが、使えるアイテムは「ナイフ」だけが正解でした。他のハサミ・糸ノコギリ・ペンチはどれも外れです。そのためハサミや糸ノコギリで切るものだと「固定観念」に縛られていたプレイヤーがいて、ナイフを試す考えがなかったとすれば、「縄を切る判定が端にしかない」がどうのこうのいう前の段階で詰まってしまいます。
もちろんこうしたジャンルに慣れれば、類似したアイテムが複数ある場合はすべて試すのが常套手段だと認識するようになります。また仕様として「一部しか判定がなく、一見すると正常に動作するとユーザーが(勝手に)判断した判定では動作しない」という状況があったとしても、なかなか改善されることが望めないことがあります。
個人的にはこうした主観視点である2Dポイント&クリックのゲームは、もはやこうした「味」のものだと認識しています。よく通うコンビニで、自動ドアを入ってすぐ横にある「店舗の角」がいつも埃でひどく汚れていて、それがいつまで経っても改善されないのと似ています。おそらくそこは掃除がしにくいのです。改善が難しいのです。それを放置するのは「いい」ことではないと感じながらも、ずっとそのままの状態なのです。
この手の不満をなんとか抑えてそのコンビニを使い続けられる人は、通い続けることができます。しかしその不満を許容できない人は、他の店舗に行ってしまうでしょう。
それと同じように、この手のストレスを抑えて主観視点の2Dポイント&クリックをプレイして「それなりに楽しんだ」と納得できる人は、それ以降も同ジャンルのゲームをそこそこ楽しむことができるでしょう。しかしこの手のストレスを許容できない人は、やはりこのジャンルから去ってしまうことになります。
広い視点で見ると、こうした不満・ストレスを残すことは「リピーター」を減らすことになるので、具体的な損失であると認識できます。
私はこうした種類の不満・ストレスは抑えるように努めます(また実際に抑えられています)が、やはりプレイヤー全体が楽しめるようなシステムづくりを考えると、改善してもらった方がいいものだと感じています。
英語という壁
他にも問題があります。それは言語であり、日本語が未サポートという点です。
これはこのゲーム独特の難点というわけではなく、日本語未サポートのゲームすべてにいえることです。
日本人は多くの人が自分を「英語が苦手だ」「英語が下手だ」と感じています。学生時代の英語の成績や、実用的でない受験英語などをその例に挙げれば、もはや根拠としてはそれで充分でしょう。
ハッキリいって、これは双方の歩み寄りが必要なのではないでしょうか。双方とは、制作サイドとプレイヤーサイドの両方ということです。制作サイドが日本語のサポートに乗り気でなければ、この「Cursed」のジャンルのように日本人プレイヤーが近づかない領域となってしまいます。またプレイヤーサイドが「英語のゲームだから」と忌避していれば、制作サイドもゲームを売り込むターゲット層として「日本人は不適」と冷遇することに繋がりかねません。
少なくとも当サイトにおいては、英語のゲームであってもあまりゲーム内で影響がなければ日本人でも充分プレイできるのだと示すようにしています。それは日本語がサポートされていないゲームというだけで忌避感をおぼえるプレイヤーの方に、実際にプレイしてみればさほど英語の理解力は必要ないと示せば、そのゲームをプレイするきっかけになるかもしれないと考えているからです。
人に誇れるほどではないとはいえ、ある程度ならば日本語未サポートの英語ゲームでも私はプレイできます。そうした身からすると、海外のゲーム制作陣が「英語で発表すれば充分。日本語サポートなんてコストが高い」と考えても、いくらか「しかたない」と感じてしまいます。だからといって日本人プレイヤーに「ゲーマーなら誰もが英語を学ばないといけない」などと馬鹿馬鹿しいハードルを掲げるつもりもありません。
とても単純なことで、日本語未サポートのゲームのなかにはとてもおもしろいものがあるので、英語に苦手意識がある人にでも試してみてほしいのです。高価なゲームであれば、実際に試してみて失敗だと感じたときとても損した気分になるでしょう。そうであればフリーゲームや激安ゲームでも構わないので、ちょっと試してみるだけで新しいゲームの楽しさを知ることができるかもしれません。
それはこの「Cursed」でも同じです。前述のように、システム上「仕様」として片づけられてしまうような箇所で不満を感じるものはたしかにあります。しかし「日本人のゲーマー」で「英語を忌避している層」のなかにはそうした不満を「まあしかたないよね仕様なら」と呑み込んでしまえる人がいるはずです。そうした人は英語が壁になっているだけで、こうしたポイント&クリックを試してみれば実はとても楽しめる人たちかもしれません。
逆にもちろん日本人のゲーマーで「英語を忌避していない層」のなかに、同様の不満を「とてもじゃないけど納得できないし受け入れられない」と感じる人もいるはずです。それはその人の感じ方なので、尊重されるべきでしょう。
英語というのは、「水」に似ています。慣れてしまえばそこで泳いで楽しむことができます。しかしその「水」を溺れるかもしれないと怖がっていては、一生泳ぐ楽しさを感じることはできません。いきなり足のつかない深さに飛び込めというつもりはまったくありませんが(危険ですしね)、腰くらいまでの水……簡単な英語のゲームなら試してみるのもいいのではないでしょうか?
それは決してこの「Cursed」でなくても、それぞれの人が好きなジャンルで試してみればいい、と私は思っています。
ゲームは楽しむもんだから
ちょっとくらいの悪いところは
俺は気にしないぜ。
まあ、それには反対しないかな。
100%納得できるものを
見つけるほうが難しいもんね。
英語が苦手な人でも
理解力が少なくて済むゲームなど
選んでプレイしてみるのも
いいかもしれませんね。
Professional – プロフェッショナル
ではこの「Cursed」について、より踏み込んだ情報を考えていきましょう。
食べ物に譬えると?
そうした指標になりうるのが、「このゲームを料理・食べ物・飲食品に譬えたら?」という情報です。
この「Cursed」を食べ物に譬えると、「ケーキのバイキング」です。
- ケーキのバイキング
- いろいろなケーキを楽しめる
- いろいろなパズル・謎解きを楽しめる
- ケーキだけどたくさんレモンがあしらわれている。
- シロップ漬けなのでぜんぜん酸っぱくない。
- ほとんど怖くないゲーム。
- ときどき固いケーキがある
- 少し不親切なところがある
- 解凍しきれてない回転寿司のようなもの
- システムは非常に確立されている
- 慣れれば他店舗でも気楽に楽しめる
- 同ジャンルを気軽に楽しめるようになる
- ほとんどの店舗が英語
- このジャンルはほとんどが日本語未サポート
- シロップ漬けなのでぜんぜん酸っぱくない。
- いろいろなケーキを楽しめる
この「ケーキのバイキング」では、もちろんいろいろなケーキを楽しむことができます。ケーキのなかにはレモンが多くあしらわれていて酸っぱそうに見えるものも提供されていますが、実際にはシロップ漬けで酸っぱくないように調整されています。またときどき固いケーキを引き当ててしまうことがありますが、バイキングとしてのシステムがかなりきっちりと確立しているので、このチェーン店のケーキを楽しむことができれば、他店舗のケーキもいろいろと楽しむことができるでしょう。多くの店舗が英語しかしゃべれない店員さんを抱えていますが、気軽に楽しめるバイキングのチェーン店でしょう。
つまりいろいろなケーキを楽しめるというのは、ポイント&クリックとしていろいろなパズルや探索を楽しめることを指します。また怖そうな雰囲気(酸っぱそうなレモン)や少し詰まってしまうような不親切さ(固いケーキ)はあるものの、これは回転寿司でしっかり解凍されずにシャリとネタの温度が落ち着いていない寿司のようなものです。安値で楽しめることを考えると、「このくらいしかたないか」と納得することができるかもしれません。そしてポイント&クリックとしてかなりシステムが完成しているので、この「Cursed」を楽しめるのなら同ジャンルの他のゲームも楽しめるでしょう。英語という点も、試してみると意外と乗り越えるのが容易な壁かもしれません。
さいごに
実際のところ英語が多く表示されるゲームは、日本のプレイヤーにススメるのが難しいものです。私は英語のゲームということくらいなら、たとえちょっと厳しそうでも試してみることが多いので、次第に免疫がついてきたようなタイプです。私は「Doki Doki Literature Club(ドキドキ文芸部)」を日本語化パッチを使用せずにクリアしました(すべての文章を的確に理解できた、などという勘違いは微塵もしていません)が、「英語のゲームでもちょっと試してみようかな」と思える日本人プレイヤーの人たちの手助けを、少しでもできればと考えています。