こんにちは、Caffeineです。
今回ご紹介するのは「Diehard Dungeon」です!
ジャンル | アクション/2D/ローグライク/ハクスラ/ピクセル/見下ろし型/シングル |
開発元 | Tricktale |
価格 | \498 |
言語 | 英語のみ(日本語未サポート) |
クリア所要時間 | 繰り返しプレイできるため省略 |
完全クリア時間 | 同上 |
プラットフォーム | PCのみ(Windowsのみ) |
操作方法 | マウス&キーボード |
難易度 | 中~高(69/100)★★★★★★★☆☆☆ |
必要英語力 | 中~高(45/100)★★★★★☆☆☆☆☆ |
インストール | 必要 |
ファイル容量 | 約61MB |
実績 | あり(全69個) |
食べ物に譬えると?
バリカタのわんこそば
どんな人向け?
「高難易度バッチコイ!」な人
体力が減る緊張感でドキドキしたい人
基 – Basic
まずこの「Diehard Dungeon」について、基礎的な情報をまとめていきましょう。
基本情報
この「Diehard Dungeon」の開発元は「Tricktale」というディベロッパーで、公式サイトによると2009年に設立されたそうです。
基本価格は498円で、STEAMSALE.MEによるとセール時には54円などになることがあるようです。私は最安値なのか、49円で購入しました(Steamの購入履歴から確認しました)。
Steamのゲームですのでインストールは必要となりますが、インストールデータは約61MBと古めのPCでもほとんど気にする必要がないくらいにサイズが小さいので、インストールやアンインストールも気軽に行えます。
システム要件
「Diehard Dungeon」はWindowsのみが対応しています。
OS | XP, Vista, Win 7, Win 8 |
プロセッサー | Dual Core 2.0 GHz |
メモリー | 256 MB RAM |
グラフィック | 128MB video RAM and at least Shader Model 2.0 |
DirectX | Version 9.0c |
ストレージ | 150 MB 利用可能 |
「Diehard Dungeon」のシステム要件は最低スペックしか記述されていません。推奨スペックなどは明記されていません。
各種項目が設定されていますが、ある程度古いPCでもほとんど気にしなくて構わないくらいの要求スペックです。
グラフィックボードの項目も明記されていますが、おそらくCPU内蔵のグラフィック機能などでも動くことは想定されます。もちろんそうしたものはゲームの動作を保証するものではないことには注意しておきたいものです。
ゲーム概要
「Diehard Dungeon」は、ドット絵で描かれた2Dのローグライクゲームです。プレイヤーはダンジョンのなかから脱出することを直近の目標として、剣と「ハンドキャノン」を武器として悪党はびこるダンジョンを切り抜けていきます。
ゲームシステムはとにかく敵と戦い続ける「ハック&スラッシュ(ハクスラ)」で、道中にあるチェスト(宝箱)を開けるなどすることで、特殊スキルや移動速度アップなど様々な強化をしていくことができます。
道中ではゴールドや指輪といったアイテムを集めることができますが、同行する「移動するチェスト」が勝手に集めてくれます。この同行する仲間のチェストも、ゴールドなどを集めることでグレードアップしていきます。
トークン(Token)といったゲーム内通貨のようなアイテムもあり、これを特定のパネルに捧げることでゴールドや特殊スキルなどを獲得できることがあります。
1回のプレイは「ダンジョン内からスタートしてゴールであるダンジョン外へ脱出する」という目標のもと30~1時間程度で行われます。もちろんライフがゼロになって失敗するとやり直しです。途中でセーブも行えません。
この「Diehard Dungeon」はこの「1回のプレイ」を何度も繰り返して、ランクを上げるなどして楽しむゲームです。
また主人公の見た目をキャラエディットで変更することができます。大幅に変更することはできませんが、色を選択するなどができます。
操作はマウスとキーボードで行います。キーボードで主人公を移動させ、マウスで武器を使用する方向を選びつつ、クリックをすることで攻撃を行えます。左クリックで剣を振り、右クリックでハンドキャノンを構えて左クリックで放つことができます。
ハンドキャノンは砲弾を撃つことになり、放ってから少し後に小さく爆発します。砲弾の個数に限りはないので遠距離攻撃として使えますが、連射があまりきかず右クリックで構えているときは移動が遅くなるため、混戦時は剣で対応したほうがいいときもあるでしょう。
いわゆるシレンやトルネコのような不思議なダンジョンシリーズとは異なり、敵は完全に自由に移動しているため、リアルタイムな判断をしていくことになります。
マップのいたるところにトラップがしかけられ、移動を遅くしたり炎上してダメージを与えるデバフ効果などもあるため、慎重かつ即時の判断が求められます。
また左クリックを押し続けることでエネルギーを溜め、回転切りを行うこともできます。しかし溜めているときはハンドキャノンを構えるときと同様に移動が遅くなるので、とっさに行うのは少し難しい技となります。
回転切りを行っているときにタイミングよく左クリックをすると、もう一度重ねて回転切りを行うことができます。
こうした動作のため、ややプレイヤーの戦闘技術がモノをいうゲームであるといえます。
またダンジョンを進めていくとボスが登場します。こうしたボスや通常の敵には種類がいくつもあり、また特殊スキルやバフ効果にも様々ありますので、プレイを進めていくことができれば飽きずにプレイし続けることができるかもしれません。
こうした状況を見ると、この「Diehard Dungeon」の全体的な難易度は少し高めといえます。
まずダンジョン進行時に大まかなルート・難易度の選択が可能ですが、少しでも難易度が上がると敵が増えて混戦にもちこまれ、対応を考えている余裕がなくなります。また体力を回復するハートは敵を倒したりツボを壊したりすることでドロップすることがありますが、あまり頻度は高くありません。そのため受けたダメージを回復する術に乏しく、「なるべくダメージを受けない」という行為が生き抜く単純なコツとなります。
そうした状況に加えて、基本的な攻撃手段である左クリックの剣はとてもリーチが短く、敵がかなり近づいていないと剣を当てることができません。しかし近づくということはダメージを受ける原因ともなるため、基本的な攻撃自体がプレイヤーの技術に委ねられている状態なのです。
こうした生き残る難しさを考慮して、全体的な難易度はやや高めの69点(100点中)としました。
グラフィックはドット絵で描かれており完成度が高いのですが、昔のSFCのような「美麗」なドット絵とは少し異なります。見慣れると味があり違和感もないのですが、「ドット絵=美麗なピクセルアート」だと見なしている人には、少し馴染みづらいと感じられるかもしれません。
音楽はややアンビエント寄りの少し落ち着いたBGMです。攻撃やアクションに合わせて効果音がしっかりと発生するため、ハクスラとしての完成度は高いほうなのではないでしょうか。
なお英語に関しては、全体的に「敵をなぎたおしていくハクスラ」であるため、さほど大きなウェイトを占めているわけではありません。しかしスキルやバフの説明が英語で行われているため、しっかりと理解するにはある程度の英語の理解力があったほうがより楽しめるでしょう。
そのため決して高度な読解力が必要なわけではありませんが、しっかりとシステムを理解するための英語の読解力はあったほうがいいということで、中程度の45点(100点中)としました。
けっこう難しいね、これ。
好きな人はけっこう
好きになりそうだけど。
死んだ後とかに
スキルとかバフがぜんぶ
リセットされるのが痛いなー。
こうしたジャンルを好きな人で
よりハードコアを求める人が
好きになりそうなイメージですね。
進 – Advanced
次にこの「Diehard Dungeon」について、少し踏み込んだ情報を考えていきましょう。
プレイのコツは?
この「Diehard Dungeon」では、おそらく「体力」がもっとも大事なのではないでしょうか。とにかくダメージを受けないように立ち回ることです。
ゴールドなどを集め続けることでチェストが成長し、攻撃をサポートしてくれるようになるなど強力な仲間へと成長します。これはたしかに強くありがたいのですが、体力が減った状態でチェストが成長しても、「焼け石に水」の感覚が強いのです。
どうしても体力を回復するハートの出現率が高くない状態で、他に特筆すべき回復方法もないということであれば、やはり体力を大事にしていくことが肝要です。
俺はとにかくつっこむぜ!
ちょとつもーしんイェ――――!
あれは玉砕しますね。
この前あんな感じで
女の子に告白してたよ。
……結果のほどは?
(首を横に振る)
…………。
(うつむいて目頭を抑える)
…………。
イェ――――!
「ここがオススメ!」
この「Diehard Dungeon」のオススメな点は、「ぬるくない」という箇所です。敵に囲まれると容赦なく体力が減っていき、救済措置であるハートの出現率が高くないため、緊張感を味わえます。
手痛いミスをしてしまうと、それをとりかえすのに何倍もの労力を費やすことになります。
また主人公が強すぎないという点もあります。初期の攻撃手段は短いレンジの剣と、連射のきかないハンドキャノンのみです。剣は連続で繰り出せるので近寄られたときには有効なのですが、強い敵の場合はダメージを受けずに剣で倒し切るのがなかなかに難しくなります。またハンドキャノンは爆発時に敵だけでなく自分も動かしてしまうので、やたらめったら撃っていると制御がきかなくなります。
ゲームシステム自体はシンプルで、敵を倒して強くなるというだけなのですが、ダメージを頻繁に受けていられないという緊張感があります。簡単なゲームをプレイしたいときには少し方向性が変わってしまいますが、少しシビアなゲームを求めているときには、こうしたゲームを楽しむのもいいのではないでしょうか。
「ここはイマイチ……」
この「Diehard Dungeon」での難点は、オススメの点でもあった難しさ、そして画面の華やかさです。
難しさ・死にやすさ
この「Diehard Dungeon」の困る点は、オススメな箇所と同様に難しさです。簡単に死にます。歯ごたえがあるといえば聞こえはいいのですが、とにかく「体力が減った」ときのジリ貧感がとても強い作品です。
またこのゲームをプレイしての実感は、ストレスとは違って「どうにもしがたい」という諦めに近いものがあります。
敵が本気でゴリ押しで近寄ってくると、かなり対処が難しくなります。ある程度は成長していても敵が押し寄せてくれば、風前の灯火のごとく、あっさりと倒されてしまいます。
ゲーム自体は完成度が高いので、またプレイしてみようかとゲームを起動してみて最初の脱出はそれなりに楽しく遊べるのですが、リトライを繰り返しているうちに段々とテンションが下がっていくような感じです。リトライ時のテンションの回復がないために、起動して1回めのプレイが最高潮であとは少しずつ下がっていくようなイメージです。
画面の華やかさ
この「Diehard Dungeon」をプレイし、また他の人に紹介するという視点から見てみると、「画面の華やかさに乏しい」という点も挙げることができます。自動生成のダンジョンであり、多少の構造の変化などはあるものの、プレイしている本人以外の視点で見るとほとんど同じようなダンジョンの部屋を繰り返し見るだけになるので、絵面がかなり地味になってしまいます。
つまり実況などで使用するゲームとしては不向きといえるのではないでしょうか。私はマルチタスクができるタイプではなく、ゲームに集中しているときは会話があまりできないのですが、この「Diehard Dungeon」は一般的なゲームより緊張感があるので、実況で会話に夢中になって死んでしまっては元の木阿弥でしょう。
いわゆる死にゲーでは、リプレイを重ねることで戦法など学ぶことがありますが、こうしたゲームでは死ぬことが成長を止めることにしかならないため、実況する場合にはどっちつかずになってしまう可能性もあります。
極 – Professional
ではこの「Diehard Dungeon」について、より踏み込んだ情報を考えていきましょう。
食べ物に譬えると?
そうした指標になりうるのが、「このゲームを料理・食べ物・飲食品に譬えたら?」という情報です。
この「Diehard Dungeon」を食べ物に譬えると、「バリカタのわんこそば」です。
- バリカタのわんこそば
- 麺が固い
- 難しい
- 何度でもおかわり(1杯は多すぎない)
- 1回のプレイはサクッとできる。
- でも固いので意外とそんなに食べられない?
- スープの味は少し粗め
- グラフィックは美麗なグラフィックではない。
- 薬味やトッピングもいろいろ(でもランダム)。
- スキルやバフなどで強化できるが、自分で選べない。
- 麺が固い
この「わんこそば」の麺は固く、一般的に豚骨ラーメン以外では使用されない「バリカタ」で提供されています。ふつうわんこそばは早食いで使われるくらいスピードがある食べ方ですが、バリカタであるということもありスピードが重視されているわけではありません。
わんこそばではあるのですが、自分のペースで食べ進めることができ、急かされるようなことはありません。じっくりゆっくりと1杯を味わうのも自由ですし、スピードを重視するのも自由です。しかしあまり急ぎすぎると麺が固いので喉に詰まらせてしまう危険性があることには注意しておきましょう。
人によっては何杯も食べられず、数杯おかわりすれば充分だという人もいるでしょう。もしくは1杯で充分という人もいるかもしれません。
なお麺料理として全体的にはしっかりと完成しているのですが、スープは少し粗が感じられます。人によってはもっと整ったスープの味を期待するかもしれません(とても簡単な反論として、もちろん「だったらもっとお金を払ってレベルの高いものを買おう」という答えが用意されます)。
薬味やトッピングを追加することもできるのですが、自由に選ぶことはできません。おいしく食べられるような薬味・トッピングが揃えられていますが、お好みのものが登場するかは運次第です。
こうして考えてみると、やはり麺の固さは自分である程度選べるとありがたいものです。このタイプのわんこそばを繰り返し食べたくなるように改善するのは、なかなかに難しいものです。「わんこそば」の形式と「1杯を味わう」という楽しみに親和性がないからです。1杯に重みをもたせればわんこそばである意味が薄まり、スピードを重視すれば1杯を味わう余地がなくなるからです。
それに加えて「バリカタ」という要素も絡んできます。バリカタという要素はわんこそばという要素にやや不利に働きます。そして麺の固さ自体にも好みが分かれてしまいます。
もしゲームとして繰り返しプレイする楽しみを増やすようにするならば、ゲームオーバーになって再プレイするときに溜めたトークンや財宝に合わせて好みのスキルやバフを選べるようにしていれば、もう少し長く楽しめるようになっていたかもしれません。
しかし基本価格でも500円でお釣りが返ってくることを考えると、充分楽しめる内容だといえるのではないでしょうか。
さいごに
最初の意図的な設定かしだいにそうなってしまったのかはわかりませんが、「起動して最初のプレイが最高潮」になるというのは少し難しいものですね。
こうしたゲームをオススメするとすれば、テンションの下がり方が緩やかになるような人や、こうしたゲームでも次第にテンションを上げていける人になるでしょう。
最初の1回の楽しさについて語るなら、それは決して小さくはありません。その楽しさを(少し時間を置くことで)何度も経験できるのだとすれば、それは(セール時を含めた)価格以上の価値はあるのではないでしょうか。