「ミノニヨクシティ」#16【考察】住人たちの真実を探る ヤコフ編【ネタバレ】

ゲーム考察
「ミノニヨクシティ」の考察です。ミノニヨクで喫茶店を経営するヤコフにどのような裏事情があったのかを考察していきます。

こんにちは、Caffeineです!
今回は落ち着いた喫茶店を経営するヤコフに焦点を当てていきます! 彼についても一目でわかる情報が少ないので、いろいろと見落としがちな人物のひとりです。

前回のエントリ(【考察】ジーキルの真実):
「ミノニヨクシティ」#15【考察】住人たちの真実を探る ジーキル(+ヒロ)編【ネタバレ】
「ミノニヨクシティ」の考察です。ミノニヨクで修理屋を営むジーキルにどのような裏事情があったのかを考察していきます。 こんにちは、Caffeineです! 今回はややぶっきらぼうながらピギュラの心配をよくしてくれる兄貴分ジーキルと、その弟分...

ヤコフの真実

ヤコフは人間の姿をしておらず、「自覚」していない人だと思われます。彼の死因は論拠にはやや乏しいのですが、彼の死因を表すと思われる情報として幻と凶新聞が挙げられます。

「サンドイッチ」の幻

まず1つめの論拠は、ヤコフの経営する喫茶アムブロシアーにて購入できるサンドイッチで見られる幻です。幻の細かい内容は「サンドイッチ」の項目に掲載しています。ひとまずこの幻で一番重要であろう「モノローグ」について再掲しておきましょう。

1つめの花:

愛する人よ、覚えていますか?
むかし、私はこのノースポールの花畑で、
貴女にプロポーズをしましたね。

2つめの花:

愛する人よ、覚えていますか?
年老いるまで共にいようと、
ここで誓い合いましたね。
つい、昨日のことのようです。

3つめの花:

愛する人よ、それが今は。
2人の愛はここにはじまり、
ここで終わったのですね。

4つめの花:

愛する人よ。
私たちの冷たい身体の上に、
土があり、そのさらに上に、
ノースポールの花は、
今も変わらずに咲いているのです。
私たちの始まりの時のように、
私たちの終わりを飾りながら。

このモノローグからわかるのは「ノースポール」という地でプロポーズをして結婚した夫婦が死別したことが伺えます。特に憶えておきたいのは「ノースポールの花畑」という記述です。

これがヤコフの幻である確証は、この幻を見る上では「サンドイッチの入手元がヤコフ」という事実しかありません。

しかしこれらのメッセージの次に5つめの花があり、それを調べると「66」という数字が得られます。これは、凶の都の先にある電話からかけられる電話番号です。この番号で電話をかけると、喫茶アムブロシアーに繋がりヤコフが電話に出ます。電話の通話内容は特に重要ではなさそうですので、省略します。

凶新聞

2つめの論拠は、凶の都にある凶書店の「凶新聞」です。詳細はジーキルの真実の記事で全文を引用しましたので、ここではヤコフに関係ありそうな箇所だけ抜き出しましょう。

一昨日、新たに2名の遺体が発見された。
場所は、郊外にあるノースポールの花畑。
被害者は、その近くで喫茶店を営む夫婦(妻45)(夫48)。

この記述で気になるのは、「ノースポールの花畑」「喫茶店」「夫48」です。「ノースポールの花畑」は先述の「『サンドイッチ』幻」のモノローグにもあった表現です。喫茶店は、もちろんヤコフの経営している店です。そして自宅のギャラリーにあるプロフィールによると、ヤコフの年齢は48歳です。

名前

ちなみにヤコフの経営する喫茶アムブロシアーの店名は、古代ギリシャ語から来ているものと思われます。「アムブロシアー(ἀμβροσία, ambrosia)」は、「命のエリクサー」「(神々の)食べ物」「不死」などを意味するそうです。

ヤコフは(自覚していませんので)意識していないと思われるものの、この点からも、ミノニヨクシティのある死後の世界の食べ物を口にすると「幻」を見るというのが、通常の人間の食べる行為とは異なり、ヨモツヘグイ(黄泉竈食ひ・黄泉戸喫)に繋がるのかもしれないと推測できます。

ヤコフ自身の名前は、聖書にも登場する「Jacob(ヤコブ・ジェイコブ)」のロシア語「Яков(Jacob)」が由来でしょう。英語では「Jacob(ジェイコブ)」「James(ジェイムス)」に当たる一般的な名前の名称ですので、いろいろな歴史的人物などがいます。

そのため本作のヤコフにどういった含意があるのかを探るのは、難しいでしょう。また聖書の人物とも関連は薄そうです。

まとめ

こうした論拠から推測するに、ヤコフは連続殺人の被害者として殺された夫婦の「夫」だと考えられます。そしてジーキルの真実も加味すると、ジーキルはヤコフが殺された連続殺人の犯人として、冤罪ながら警察によってでっちあげられた可能性が高いのです。真犯人が誰なのかは不明のままです。

なおこのヤコフの奥さんと思われる女性の年齢・45歳をミノニヨクシティの住人から探してみると、ギャラリーのプロフィールで確認できる限りでは「ホポポ(45歳)」「ジョシュ(年齢不明)」「ジャミガ(年齢不明)」「ミチビキ(年齢不明)」が挙げられます。

しかしホポポ・ジャミガ・ミチビキはおそらく男性ですので、彼らは違うでしょう(ジャミガは「オネェ系のお兄さん」ということですので、「妻」と表記するのは難しそうです)。性別の転換などが発生しない限りは、彼らが該当することはないでしょう。またジョシュもヤコフとの関連性はあまり強くなさそうです。

これはルナ・サナ姉妹の母親もそうなのですが、住人の生前に深い関わりのある人物でも、情報がなければほとんどまったくといっていいほどなにもわからないということです。まだ見知らぬ街にいるのかもしれませんし、実はすでに出会っているのかもしれません。場合によっては裏世界へ連れていかれてしまっている可能性もあります。しかし結局のところ、わからないというしかないのです。

次のエントリ

次回のエントリでは、ストーリー上で主人公ピギュラ以外に唯一自覚する住人「カラコロ」について考察していきます。

「ミノニヨクシティ」#17【考察】住人たちの真実を探る カラコロ編(前)【ネタバレ】
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