タイトル | 星雨列車の終着駅 |
開発 | 蔓桜 |
オススメ度 | SS<超オススメ>:★★★★(月間でのオススメ) |
リリース日 | 2020/04/04 |
価格 | フリー |
次元 | 2D(2次元) |
ジャンル | 探索ADV |
特徴 | グロ/ハートフル/ミステリ/サスペンス/ホラー/ヒューマンドラマ/物語重視/シングル/殺人事件/幽霊/モンスター/救済措置/ウディタ/マルチエンド/鬼ごっこ |
視点 | ― |
グラフィック | アニメ調2D |
操作方法 | キーボード |
言語 | 日本語 |
インストール | 不要 |
ファイル容量 | 171MB<アーカイブ> / 182MB<解凍後>(Version 1.00) |
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【#1ツイゲームレビュー】「星雨列車の終着駅」
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寝台列車に乗った主人公・鴉(からす)。
いろいろな人が乗る列車。しかし朝には血塗れの手首(オモチャ)が。
それは始まりに過ぎなかった……次々と人が死んでいく
ハートフル(←えっ?)ADV。#フリーゲーム pic.twitter.com/RqqVsblpgb— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) April 18, 2020
補足
個人的にかなり気に入った作品です!
ストーリーが二転三転する
サスペンス系ヒューマンドラマ!探索系が苦手な人でも
クリアしやすいよう
配慮された救済システム!これもSSランクで
月間の超オススメ入りしますね。
強い。 pic.twitter.com/ZAYYgOwrDX— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) April 18, 2020
約4時間半で完全クリアしました。
この作者さん、かなり手練れですね。
物語の展開つくるの巧い。定期的に「コロッ」と
物語が転回(≠展開)していくんですよね。クルクル回る部屋という
アトラクションに乗ってるような。ボリュームは中編程度です。
かなりオススメ。 pic.twitter.com/ahF6JQy2EP— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) April 18, 2020
ちなみに同じ作者の方が
制作されているシリーズものの
番外編という位置づけだそうです。他の作品はプレイしたことありませんが
本作だけでもしっかり楽しめます。ミステリ好きも
ヒューマンドラマ好きも
これは楽しめるぞ……。
ヤヴァイ。— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) April 18, 2020
概要
「星雨列車の終着駅」は、日本製のADVゲームです。ゲームの進行度によってミステリ色が強かったりファンタジー色が強かったりコロコロ変わる作品です。
全体的なシステムは探索系で、タイトルにもなっている星雨列車(スターレイン号)のなかを探索します。ストーリーはほぼ一本道で、エンディングの前に分岐点があります。探索系ですが、ゲーム内でヒントを見られるので苦手な方でも救済措置として利用できます(使わなくてもクリアできる難易度です)。
本作は、同じ作者の制作しているゲームシリーズの番外編という位置づけのようで、登場するキャラのなかには「本作では語られないバックグラウンドがある」と匂わされる場面がいくつかあります。ただしあくまでそうしたキャラは本作においてサブキャラ扱いがほとんどです。本作だけプレイしても充分 楽しめます。
物語が二転三転する
本作のおもしろいところは、展開が二転三転するところです。最初は、仕事をしていたのに車を使えなくなってしかたなく列車に乗ることになった主人公が、列車の従業員や客たちとしばしコミュニケーションをとっていきます。多少の波乱はありつつも、比較的 落ち着いた雰囲気が保たれます。
しかし翌朝にはイタズラなのか「血まみれの手首(のオモチャ)」が列車で見つかり、客たちに不安が広がります。本作では流血およびわずかながらグロ表現があります。いわばそういう展開が繰り広げられていくのです。
しかしゲームを進めていくと、この展開が単なるミステリやサスペンスではなく、急に魔法が登場するようなファンタジーに変わっていきます。そしてファンタジーとして進めていくと、今度は登場キャラたちの過去にまつわるヒューマンドラマへと変化していき、かなりハートフルな内容へと繋がっていきます。
かと思いきや、意外な人物が思いもよらない事情を抱えていたり、主人公に牙を剥いたりしてきます。ボリュームは公式で約4~5時間(私は4時間半ほどですべてのエンディングを見ました)と記されているくらいですが、物語のおおよその流れをつかむごとに足元をすくうような展開が巻き起こるので、なかなか予想がつかないものとなっています。作者の物語の作り方が巧いということだと、私は判断しています。
ゲーム性は疑似的に保たれている
ゲームを評価する際、おおまかに「物語(ストーリー)」と「ゲーム性」の2点で私は判断しています。本作はかなり物語に偏った作品です。
ただそれはゲーム性が損なわれているというより、「苦手な方でもプレイできるように配慮されている」というユーザビリティに配慮した結果だと捉えられます。ストーリー上、ミステリとして推理していく要素があるのですが、実質的には推理を外してもデメリットがないように、ゲーム全体が設定されています。
エンディングが3つあるマルチエンド方式ですが、複雑な分岐をしないので1つのエンディングを見るくらいまで進めれば、すべてのエンディングを見るのはまったく苦労しません。分岐自体には少しイジワルな設計がされているのですが、トゥルーエンドに行けなかった場合は最後に分岐の条件がヒントとして提示されます。
救済措置は難易度を著しく下げる
こうした救済措置は、ハードなプレイを求めるゲーマーにとっては「難易度というゲーム性を損なう設計」と見なせます。たとえばマリオで穴に落ちたときに、絶対に死なずに助けてくれる救済措置があれば、ACTとしてかなり難易度が下がることがわかるでしょう。そうした「ユーザビリティへの配慮」は、ときに「つまらない」という印象を与えかねないのです。
本作では推理をしたり誰かを助けたりする展開があるものの、いずれもミスが発生しないように配慮されています。そのため難しめの推理を求めている方は、生半可、つまらないといった印象を受ける可能性があります。
難易度はひとつの思想
ここはもはや制作者の設計として、「みんなが楽しめる」を目指すか「コアな人だけが楽しめる」を目指すかの思想に依存します。マリオの話を続けるなら、残機というシステムを捨てて1度でも倒されれば最初からやり直しという設定にすれば簡単に難しくできます。敵を踏むという攻撃システムも捨てれば、よりハードにできます。しかしその難易度だと、現在ほどマリオが流行っていたかは定かではありません。
しかし本当に手慣れたプレイヤーであれば、そんな救済措置は意味をなしません。マリオで一度たりとも穴に落ちず、敵に触れる(敵を踏む)ことすらなく全ステージをクリアできるなら、そもそもミスがないので救済があってもなくても同じなのです。そうなるといずれにせよマリオでは「ACT性」というゲーム性が重要なものとして浮かび上がります。
そうした観点からすると、本作でもすべての謎をストレートにミスなく解けるなら、救済措置やユーザビリティについてああだこうだいう必要はなくなります。そうして見てみると、あとは「ミステリとして謎がしっかり描かれているか」という点が本作の重要なものとして浮かび上がります。そこに関しては、しっかり描かれていると私は判断します。
オススメ度
「星雨列車の終着駅」のオススメ度は、SSランクです。SSランクは、毎月の「#1ツイゲームレビュー」のまとめ記事にて月間の「超オススメ」としてピックアップするくらいのオススメ度です。
本作がSSランクなのは、まずミステリとしてしっかり謎が描かれており、その謎がすべて明かされた暁にはヒューマンドラマとしての一種の清々しさが残る見事なストーリー展開が理由です。
それだけでなくゲーム性も疑似的とはいえ保たれており、ミスを恐れることなく推理を楽しめるでしょう。救済措置がありユーザビリティが高く保たれているので、推理が苦手な人でもプレイでき、ストーリーを楽しめるようにもなっています。