このゲームでは、ベルの音に向かって進んでいくと英語で主人公のモノローグが語られていきます。その内容は、「昔 子供のころ、学校へ向かうときにこんな雪のなかを歩いた」というもので、そのときに怖い思いをしたことをいくつも思い出していきます。

そしてエンディングでは、こんなメッセージが表示されます。

I close my eyes and the belligerent monster pounces on me.
The disgusting munching sounds as the monster tore the flesh into shreds started waking me up.

目を閉じると、その好戦的なモンスターは飛びかかってきた。
モンスターが肉をバラバラにして、くちゃくちゃいう気持ちの悪い音を聞いて、目が覚めた。

The night forest fades and the pale morning light emerges.
Then I’m enveloped in real fear, lying on my bed, afraid to open my eyes.

夜の森は消えて、薄暗い朝の光が差してくる。
そして私は本当の恐怖に包まれた、ベッドに横たわったまま、目を開くのも怖かった。

The fear of the future shackles my mind in chains.
The future that I don’t even have.
Where adult life is just an illusion.
I’m 12 years old.

未来の恐怖が鎖のように心を縛りつける。
まだ来ていない未来。
大人の生活なんて幻だった。
ぼくは12歳だ。

Outside the window, heavy December clouds bring blistering cold and the first snow.
This is the first winter I’ll be going to be school alone.

窓の外では、重い12月の雲が厳しい寒さと今年初めての雪をはこんできている。
これが、ぼくがひとりで学校に行く初めての冬だ。

Lying in bed, I struggled to squeeze my eyes in a vain attempt to retain memories of my dream.
I’m waking up… but I must not forget this dream!

ベッドに横たわったまま、ぼくは夢のできごとを忘れないでいようと無駄にあがいた。
起きることはできた……でもこの夢を忘れちゃいけない。

I must not forget this dream…
I must not forget…

この夢を忘れちゃいけない……
忘れちゃいけない……

つまりこれまで経験してきたことは「未来予知」に近いもので、夢のなかで「昔は子供だった大人」だったはずが、夢から覚めてみると「夢と似た状況をこれから体験する子供」でしかなかったというオチなのです。