【無料ゲーム】人気者マリーを呪ったのは誰!? 犯人の本名を推理して化け物から逃げよう!「マリーの大除霊」

4.0
SS:超オススメ(★★★★)

概要

「マリーの大除霊」は、日本製のホラーADVゲームです。誰かに呪いをかけられたらしい主人公マリーが、呪いの化け物から逃げつつ呪いをかけた犯人を捜していく作品です。

誰かに呪われてしまったらしい主人公。なんとかしないと!

このゲームの特徴は、主人公が化け物から逃げる鬼ごっこ要素と、呪いを解除するために犯人の「本名」を探る推理要素と、その推理が成功したとき・失敗したときで分岐するエンディングです。

いきなり告白される主人公。人気者だからこそ、彼女は呪われた……?

呪われた主人公

まず物語は、主人公のマリーがとある男子学生に告白され、断るところから始まります。マリーは男性から人気があるらしく、女性の友人も多いようです。

誰から呪われている?

通常のゲームならば「人望の厚い主人公」というだけに見えますが、このゲームはホラーであり、主人公は誰かに呪われているようだとわかるので、むしろその「人気の高さ」が「告白を断った男子から呪われた?」「人気があるのに嫉妬した女子生徒の仕業?」と、どのようにでも疑える疑心暗鬼を生む根拠になってしまっています。

いきなり現れた化け物。捕まらないよう逃げないと!

戦えないので逃げよう

ゲームはいくつかのパートに分かれていて、最初は家族のいない自宅で呪いの化け物に襲われることになります。オーソドックスな鬼ごっこモノで、タンスなどの空きがある空間に隠れることでやりすごせます。

隠れられる場所はいくつもある。あらかじめ見つけておこう。

この呪いの化け物を倒すことはできないので、ひとまず逃げることを優先することになります。しかし逃げようにも呪いのためか入口が開かなくなってしまっているので、開ける方法を探さないといけません。このように鬼ごっこ要素は、逃げて隠れるしかできない非戦闘系のものとなっています。

推理して犯人を見つけよう

次に推理要素は、途中で得られる「名前を書かれるとその人は術(≒呪い)が使えなくなる」というアイテムを入手します。そのため単に「あの人が犯人だ!」と推理するだけでなく、しっかり情報を集めて「本名」を知らないと呪いが解除されないというシステムになっています。

犯人の本名を書こう。間違えると……。

犯人の本名を探らないといけない

そしてこのシステムがエンディングに強く関わってきます。まず簡単に想像できるのが「本当の犯人の名前を書いた場合」です。そして「犯人でない人の名前も書いた場合」という別ケースも想定できます(もちろん犯人は1人ではないかもしれません)。

犯人が誰か当たっていても、本名がわかっていないと正解にならない。

このように推理要素をうまくエンディングに繋げて、他のゲームではあまりないような分岐をつくっているのが、このゲームの巧妙なところです。

またこのゲームには、ゲーム内実績もあります。これがコレクション要素ともなっていて、どのエンディングを見たかという点もコレクションに関係してきます。ある種の「作者からの挑戦」として、ヒントなしでクリアしようと試してみるのもおもしろいでしょう。

隠された情報を見つけたりエンディングを見たりすると、実績が解除される。

インディらしい「わかりにくさ」も

ちなみに化け物に追われるとき、部屋を切り替えるだけではまくことができないので、なかなか振り切れないときがあるかもしれません。どうやら基本的には隠れることを前提とした設計らしいからです。そのため効率的に進めるには、「化け物が現れたらロードする」のような無味でおもしろみのない戦法をしたほうがラクなときもあるかもしれません。

また魔法のアイテムを使う際に、キーボードを使って名前を入力するのですが、このときひらがなとカタカナのどちらを使うべきかがわかりにくくなっています。こうした点は、ややマイナスな点だといえるでしょう。

オススメ度

「マリーの大除霊」のオススメ度は、SSランクです。SSランクは、毎月の「#1ツイゲームレビュー」まとめ記事にて、月間の「超オススメ」としてピックアップできるくらいのオススメ度です。

このゲームがSSランクなのは、呪いを解除するための「本名」を推理し書き込むシステムが、エンディングの種類や内容に厚みを出しているからです。

全体的なシステムを見ると、改善したほうがプレイしやすくなるだろうという点はいくつか見られます。しかし最後までクリアしたときの「そういうエンディングをつくったのか……」という感慨や納得感は、なかなか他では味わえないものだといえるでしょう。

そのため私が一番オススメするのは、推理が好きな人です。それも「犯人は誰だろう?」では収まらず、「この作者はどんなエンディングを見せたいと思ったんだろう?」と疑うような人は、このゲームをたっぷり楽しめるでしょう。

ゲームの情報

タイトルマリーの大除霊
開発サリー
オススメ度SS<超オススメ>:★★★★(月間でのオススメ)
リリース日2020/04/26
価格フリー
次元2D(2次元)
ジャンル鬼ごっこ×推理系ホラーADV
特徴探索/謎解き/隠れる/マルチエンド/ゲーム内実績/特殊セーブ/文字入力
視点斜め見下ろし
グラフィックアニメ調2D/デフォルメ2D
操作方法マウス&キーボード
言語日本語
インストール不要
ファイル容量139MB<アーカイブ> / 207MB<解凍後>(Version 1.00)

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補足

一番心が動かされたところ

最後に余談ですが、私がこのゲームをクリアするまでプレイして、一番心が動かされたところをあえて残しておきます。もちろんネタバレになるので、読む際はお気をつけください。

もちろん私が一番心を動かされたのは、エンディング前の犯人の名前を入力するところです。

そして私が入力した名前は、「作者の名前」でした。作者の名前は、登録サイト「ふりーむ」の このゲームのページに書かれています。そして実際にそれが1つのエンディングを見る条件になっていたので、強く心を動かされました。

細かくいうと、作者は自身と同名のキャラをゲーム内に登場させていたので、実質的には作者の名前というより、ゲーム内の同名のキャラの名前が指定されたことになっているのでしょう。

ミステリをある程度 好きな方なら、「犯人は誰だろう」という枠組みを飛び出して、「犯人はひょっとして作者じゃないか」「読者じゃないか」と考えることがあるでしょう。それの砕けた形が、「金田一少年やコナン君の周りでは殺人事件が多発するので、彼らこそが死神である」というような考え方に繋がるのでしょう。

いわばこのゲームでは、そのミステリへの1つのお遊びである「作者が犯人」と(たとえ間違っていたとしても)入力でき、それが1つの答えとして受け入れられるゲームなのです。

仮に自分がこうした「犯人の名前を入力できるゲーム」を作るときを想像してみてください。「誰が犯人か?」「どの立ち位置のキャラクタを犯人にするか?」という風には考えても、なかなか「私(作者)自身の名前を入力できるようにしてやろう」とは考えないものです。

その点をつきつめると、「疑似的に作者の名前が犯人だとふざけても受け入れられるゲーム」ではなく、より純粋に「本当に作者が犯人のゲーム」のほうが楽しいことにはなります。

しかし、そうした純粋さを横に置くことさえできれば、このゲームは作者の名前を入力して「犯人はお前だァーッ!」とつきつけられる珍しいゲームなのです。

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