【海外無料ホラゲ】彼女が行方をくらませた、Bleakshoreへ行くと残して……。その浜辺はどこか怪しく、異音が鳴り続けていた……。「Bleakshore」

1ツイゲームレビュー
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Bleakshore by Breogán Hackett
​The haunting wilderness awaits you. You hope she's okay.

概要

「Bleakshore」は、海外製の微ホラーADVです。ゲームタイトルに「shore(浜辺)」とあるように、海辺の砂浜や木立を歩いて探索する作品です。

木立の奥には川のようなものも。水の傍はどこか怪しさが漂う。

落ち着きがあるもののどこか怪しさの漂う浜辺を歩きながら、失踪した主人公の彼女「Orla」を探します。霧が深い風景のなかを失踪した人を探すという状況から、初代サイレントヒルを思い出す人もいるかもしれません。

謎の灯台。霧がかかっていて不気味さが感じられる。

ゲームを開始してすぐ、じんわりとしたBGMのなかに奇妙な異音が聞こえてくるのがわかるでしょう。イヤフォンやヘッドフォンでよく聞くと、とある方向からのみそれが聞こえてくるのに気づきます。

この異音が単なる意味不明で不可解な音だと勘違いされないようあえてヒントを書くと、これは単なる雰囲気にフレーバーをもたせるだけのSEではなく、ゲームの攻略にも関係してくるホラー演出です。そのため「ヒントがあったらあえて無視して別のほうへ行く」という天邪鬼でない限りは、その異音に向かって進んでいくといいでしょう。

Orlaの落とし物を見つけよう。いろいろなところに落ちている。

ゲーム自体は、その異音の聞こえてくる方向へ歩いていくことと、ところどころにあるキラキラしたエフェクトを調べて失踪したOrlaの落とし物を見つけ、主人公のモノローグを読んでいくことで進めていきます。

全体的にホラー度は高くありません。いわゆるJumpscares(ジャンプスケア)のような極端な脅かしはありませんし、雰囲気でじわじわと不安がらせてくるタイプの微ホラーです。

個人的にイイ演出だと感じたのは、あえて異音に反して逆方向へ進むなどしたときに、マップ外へ出ようとしたときの演出です。通常のゲームだと見えない壁があってそれ以上は行けないことがわかることがほとんどですが、このゲームでは視界が白んで霧に飲まれ、そのまま進んでいくといつのまにか進んでいた方向が真逆に変えられて「マップ外からいつのまにか離れる方向へ歩かされていた」というポルナレフのような状態になっています。

見えない壁は単に「ゲームのプログラムの限界」を教えてくるだけでしたが、この手法だと不気味さを演出することにもなっているので、ホラーゲームとしては巧い手法だと思わされました。

余談

ちなみにこれは余談ですが、主人公にもちょっとしたトリックがしかけられているようです。

まず主人公が探している失踪者の名前が「Orla」、つまり女性名なので通常は女性だと推測できるところから見ていきましょう。

続いて、あるOrlaの落とし物を見つけたときの主人公のモノローグも確認してみましょう。

アイテムを拾ったときのモノローグ。主人公はドレスを着たことがあるらしい。

最初の文に「My first dress.(私の初めてのドレス。)」と書かれているのがわかります。ここで「ひょっとして主人公も女性なのでは?」と推測できるようになっています。このモノローグでは、ちゃんと主人公がこのドレスを着たことや、Orlaがそれを手助けしてくれたこと、ドレスを着た自分を見たとき強い違和感に襲われ、それと同時にどこか興奮も感じたことが語られます。

itch.ioの このゲームの公式タグには、「Queer」という言葉があります。わかりやすくいうと、LGBTQのQがこの「Queer(クィア)」という言葉です。

ここから読みとれるのは、主人公が女性であり、同性愛者であり、場合によっては性同一性障害のような自分が女性であることに違和感をもっている人なのかもしれない、という点です。

もちろん断片的な情報なので100%正しい推測というわけではありません(男性でドレスを着たことがあるのかもしれません)が、このゲームの演出を見ていくとそうした細かなところも見えてきます。

オススメ度

「Bleakshore」のオススメ度は、Aランクです。Aランクは★が2つ(★★)で、通常の「#1ツイゲームレビュー」と同程度のオススメ度を示します。

このゲームがAランクなのは、ホラーゲームとしての評価より、マップ外へ移動したときの演出や主人公が女性かもしれないと推測できる細かなトリックへの評価が理由です。いわば新作のカップ麺を食べてみたら、スープや麺よりチャーシューやメンマのようなトッピングが意外とおいしくて印象に強く残った、というのに似ています。

ボリュームも短いので、微ホラーではなくちゃんとホラーといえるくらいに演出を強くしたり、ストーリーに厚みをもたせたり、エンディングをもっと重厚にしたりしていたら、Sランクにもなっていたかもしれません。

ゲームの情報

タイトルBleakshore
開発Breogán Hackett
オススメ度A<GOOD>:★★(#1ツイゲームレビュー)
リリース日2020/04/15
価格無料
次元3D(3次元)
ジャンル微ホラーADV
特徴海岸/探索/雰囲気/LGBTQ/ストーリー重視/ウォーキング/シングル
視点FPS視点
グラフィックローポリゴン3D
操作方法マウス&キーボード
言語英語
インストール不要
ファイル容量52.1MB<アーカイブ> / 142MB<解凍後>(Version 1.0.1)

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補足

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