このゲームに一言キャッチフレーズをつけるとしたら?
概要
「BEHERIT」はFPS視点のホラーゲームです。ITCH.IOでDLでき、データをインストールする必要はなくDLしたzipファイルを解凍してexeファイルを実行することでプレイできます。
クリアにかかる時間は、およそ1~4時間ほどと考えられます。ゲーム内のテキストを読むことでストーリーを確認できますが、これを飛ばすとプレイ時間を短くできるでしょう。
ただ攻略するにはパズルを解かねばならず、解法を知るにはストーリー同様に英語テキストを読んで理解しておくのが大事になります。
ホラーゲームとしては、基本的に「じわじわと追い詰められる」というタイプの恐怖があります(ネタバレを避けるため表現を曖昧にしています)。また館のなかを移動するようなシステムなのですが、部屋が多く今自分がどこにいるのかわからなくなる演出があるため、混乱するような恐怖感もあります。
またこのゲームのシステムを理解するには少なくとも中盤まで進めないといけないのですが、その「システムを理解する瞬間」はびっくりするかもしれません。映画「猿の惑星」の最終盤で主人公が着陸した猿たちの住む謎の星が、実は地球だと判明する瞬間のようなものです。「ああ、なるほどこの作品はこういうところをセールスポイントにしているのか」と理解する瞬間です。これはこのようなエントリでむやみに暴くものではないため、ぜひ実際にプレイしてどのようなシステムなのか体験してみてください。
セーブやロードの概念がないので、自分の思うポイントでやり直すことはできませんが、適度にチェックポイントが挿入されています。敵に襲われてやり直すことがありますが、チェックポイントに戻されるだけで済みます。
もう少し詳しく見ていきましょう。
プレイしている内に私が実際に感じたことを述べておきます。
まずはゲームのボリュームについてです。フリーゲームだからあまり時間はかからないだろうと、いつも通り事前情報なしにプレイしてみたところ、のんびりプレイしていたとはいえ3時間ほどかかりました。フリーゲームとしては充分にボリュームがあるといって過言ではないでしょう。
またパズル要素については、「意外と難しい」と表現しておきましょう。ホラーゲームにパズル要素があることは珍しくありません。日本のRPGツクール製のホラーゲームでも、パズル要素が盛り込まれていることはまったく珍しくありません。
このゲームにはボリュームに見合うだけの種類のパズルがあり、それぞれ独特な難しさがあります。
たとえばゲーム内でクリック・ドラッグすることで動かせるオブジェクトがあるのですが、複数のオブジェクトを適切な位置に並べ替えることで解くパズルがあります。このときドラッグしてもオブジェクトがなかなか思うように動かないことがあるのです。その理由は、「自分が見ている方向にドラッグしても動かない」からです。「オブジェクトごとにドラッグする方向が決まっている」からです。現実では目の前にあるカップを手前に引くには、それを引くことで動かせます。しかしこのゲームでは、そのカップは「左右にドラッグする」ように作られていることがあるのです。そのためこのゲームのなかではそのカップを「左にドラッグすることで奥に移動」させ、「右にドラッグすることで手前に移動」させることになっているかもしれないのです。実際の見た目と動作が違うので、パズルを解くのに困ってしまう可能性があります。
他にも英語で解き方が記されたパズルもあります。そうしたパズルのなかには英語がわからなくても解けるかもしれないものもあります(実際私がプレイしているとき英語メモに気づかずに解いたパズルもあります)が、ハッキリいって最終盤のパズルは英語を読んで理解できないと「詰む」タイプのものがあります。少し具体的に述べると、用意されたオブジェクトを決められた位置に並べていくパズルがあるのですが、どのオブジェクトをどこに配置するかが英語で記されているのです。しかもこれが最終盤に用意されているため、英語があまり得意でないにもかかわらずプレイしてきた日本人ゲーマーにとっては、がっかり度が高くなってしまいかねません。
そのためパズル要素は、「ゴリ押しだけでは厳しい」といっておいたほうがいいでしょう。
このパズル要素が「BEHERIT」では難易度に密接に関わってきます。そのため個人的に難易度は38点(100点中)ほどだと感じましたが、英語の理解度によって難易度が跳ね上がることが容易に想定されます。
次にホラー要素です。
基本は「じわじわ」で、「混乱する」こともあり、また最初は「びっくり」するかもしれないと前述しました。
この「BEHERIT」では敵が登場します。こちらからほとんど攻撃できず、敵に追われて逃げるのが基本形です。
しかし敵は「じわじわ」と追ってくるため、実は逃げるのはさほど難しくありません。舞台である屋敷のなかはぐるぐる回れるよう廊下がループする形になっているため、それを利用して敵をまくこともできます。ホラー要素としてしっかりしているのは、敵はずっと追ってくるにもかかわらず「パズル」を解かなくてはいけない点です。逃げることに躍起になってはパズルに集中できませんし、パズルに集中しすぎれば後ろから敵に襲われ絶叫することになります(実際私は最初に襲われたときに絶叫しました)。
スクリーンショットからもわかるように、ホラーとしての雰囲気はしっかりしているのはご理解いただけるでしょう。しかし全体的な恐怖度は中程度、人によってはあまり怖くないレベルだといえるのではないでしょうか。
その理由として「ホラーゲームとしてのシステムが容易に理解できる」、そして「敵をまくことが容易」で「パズルを解きながら敵に注意する」という対策もあるという点が挙げられるでしょう。ホラーゲームの恐怖として「いつ敵が出てくるかわからない」「どんな敵が襲ってくるかわからない」という「不明」「未定」であることは非常に重要です。たしかに「ゆっくりではあっても確実に迫ってくる」という恐怖もあるのですが(刃牙でもガイアがこの戦法をとっていましたね)、この「BEHERIT」では対策が容易に打ち立てられるため、恐怖度はさほど高くないといえます。
個人的には最初に敵に襲われたときは叫んでしまったものの、やがてシステムを理解して慣れてしまう点があったため、恐怖度は34点(100点中)としました。
シロートの顔がそうかどうかは別として、ベルセルクでのベヘリットは「失敗した福笑いを貼りつけた卵」という印象でしたね。
軽く調べてみたところ、「ベヘリットはシリア語でサタンを意味する」という情報が日本語・英語ともにWikipediaにあったのですが、シリア語を理解する能力が決定的に欠けていたため詳しいところはわかりませんでした(参考までにシリア語のWikipediaへのリンクを掲載しておきます)。
ゲームの情報
タイトル | BEHERIT |
開発 | Hickery |
オススメ度 | S<オススメ>:★★★ |
リリース日 | 2018/07/14 |
価格 | 無料 |
次元 | 3D(3次元) |
ジャンル | ホラーADV |
特徴 | 雰囲気/サバイバルホラー/パズル/鬼ごっこ/Unity |
視点 | 斜め見下ろし |
グラフィック | リアル系3D |
操作方法 | マウス&キーボード |
言語 | 英語 |
インストール | 不要 |
ファイル容量 | 651MB<アーカイブ> / 1.43GB<解凍後>(Ver 1.4) |