こんにちは、Caffeineです! 今回は優しい姉妹である「ルナ」と「サナ」について焦点を当てていきます! ミノニヨクシティでは親切にしてくれますが、パッと見てわかる「真実」の情報が少ない姉妹です。あ、あと一応ホポポについてもまとめています。
ホポポの真実
ホポポには、特に秘められた真実はないようです。鳥の姿をしているため、まだ自覚していない人物なのでしょう。ホポポにあたる幻もないようですし、凶の都に特別な情報が見つかるわけでもありません。まったく情報のない不思議なキャラクタです。
作者の裏話
作者の方がブログにて裏話を掲載されています。それによるとホポポはミノニヨクシティ最初の住人であり、そのため町長代理となったようです。またミチビキがホポポを最初の住人に選んだ理由は、「絶対に自覚しなさそう」だというところだということです。
名前
ちなみに彼の名は「ポポポ(半濁点ありポ×3)」ではなく、「ホポポ(半濁点なしホ+半濁点ありポ×2)」のようです。
「ミノニヨクシティ」の考察記事を編集していて、今になって町長代理が「ポポポ」ではなく「ホポポ」として、最初の文字だけ〇がつかずにホになっていることに気づきました。
— caffeine@前向きに「いかがでしたか?」の逆を行く。 (@CGurasuto) October 8, 2019
ホポポについては以上です。
ルナ・サナの真実
ルナとサナは12歳と17歳の姉妹です。ゲーム冒頭から人間の姿をしているので、すでに2人とも「自覚」しており、生前の出来事や死因については理解していると思われます。
特にトゥルーエンドルートで幽霊対峙の際に誘うことのできる人物は、ピギュラがオルゴールを完成させて気絶した後、目が覚めたときに心配して「みんなついているから悲観しないで」というような励ましをいいます。ルナ・サナ姉妹も誘うことができますが、これは自覚する瞬間の痛みやつらさを知っているからこそいえることなのでしょう。
ルナ・サナの姉妹は、生前の出来事・死因の情報が比較的多いキャラクタです。彼女たちに関係のある幻があるだけでなく、凶の都の凶書店にある凶新聞、また自宅のギャラリーで確認できる本にも彼女たちの情報とおぼしき記述があります。
凶新聞
凶の都の凶書店にある凶新聞の1つには、こう書かれています。
●年、●月●日。
妻が夫を包丁で刺殺した、例の事件の続報。
母親はその後、娘2人(姉17)(妹12)を連れて
崖へとおもむき、心中をはかった模様。
たまたま通りがかったパン屋の男性(34)が
飛び降りに気づき、救出をはかるも甲斐なく、
そのまま全員溺死した。
なお、姉妹と男性の魂は、
ミノニヨクへ収納中とのこと。
母親の所在は不明。
姉のサナが17歳で妹のルナが12歳であるということは、自宅のギャラリーで確認できます。姉妹という記述からルナ・サナを想起することもあるかもしれませんが、年齢を確認することで強い確信に変わるでしょう。
さらに勘がいい人であれば、「パン屋の男性」という表記でガルルをも想起することでしょう。そして記述の通り、実際にガルルは34歳だとギャラリーで確認できます。
また母親の所在は不明とのことですが、ミノニヨクシティ以外の街でも2人の母親だと考えられそうな人物を発見することはできませんでした。そもそもミノニヨクシティや近辺の街に必ず収納(収容?)されるとは限らない上、場合によってはすでにイザナイに捕らわれて裏世界にいる可能性も否定できません。
キイロの本『姉妹』
自宅のギャラリーで確認できる本のなかには、「姉妹」というタイトルのものがあります。
また、父さんにぶたれた。
私はお姉ちゃんだから、我慢しなくては
ならないけど、妹までぶたれるのは、
とても可哀そうだ。
私たちの母だと名乗るひとが、
私たちをむかえに来た。
細やかな金色の髪が、私たちが親子で
あるということを物語っていた。
父さんが、母さんを刺しに来た。
こわい。
でも私は妹を守らないと。
母さんが、泣きながら包丁を洗っていた。
私たちは、母さんにキスをした。
母さんは、私と妹の手をひいて、
海の見える崖にやってきた。
大丈夫よ、と、私は妹の髪をなでた。
でも、母さん、お願い、
やめて、妹だけでも、
この本の内容は、姉であるサナの視点から描かれています。これがルナ・サナ姉妹のものであるという論拠は、「お姉ちゃん」「妹」という姉妹を示す名称だけでなく、「金色の髪」という点も挙げられます。ギャラリーで確認するまでもなく、ルナもサナも金髪をしています。
この本から読みとることのできる内容は、彼女たち姉妹の死因に関することではなく、ほとんどがサナの姉としての気丈さ、そして彼女たち姉妹が死んだのは母親の半強制的な心中のせいだったということです。
この本の内容から妹のルナがどう思っていたのかは推測できませんが、サナは母親が自分たちをつれて心中するつもりであると理解していたのでしょう。そして「やめて、妹だけでも」という記述から、自分はともかくサナは助けたいと考えていたことがわかります。
なおこの「自分はともかく」という点も、母親と一緒に進んで心中したかった、もしくは生きることに飽いていたのか、それとも(ルナを巻き込まずに自分だけであれば)母親のために一緒に死ぬことも厭わなかったのか、それもわかりません。冷静に考えると、いくら相手を思う優しさとはいえ、心中につきあうというのは常識的ではないからです。
考察する上では有力な情報源とはなりませんが、サナの生前の感情については深く知ることのできる内容となっています。
「蒸しパン」の幻
次は、1日めから食べることのできるアイテム「蒸しパン」の幻です。この幻はなんら言語的な説明がない視覚的なものとなっています。
この幻自体は、最初はなんのことだかわからないでしょう。これを見ることができる序盤では幻についての見識がないので、どういったシーンなのかがつかみにくいのです。
幻について見識を深めた上で見たとしても、誰の幻であるかは理解しにくいかもしれません。ここで先程の凶新聞やキイロの本『姉妹』について思い出してみると、この幻がルナ・サナ姉妹の心中のシーンかもしれないと気づくことになります。
しかしこの幻や他の状況から、以下の情報を得ることができます。
①「蒸しパン」はガルルから貰えるアイテムである。
②この幻では姉妹の情報がまったく欠けているため、母親と心中した姉妹のものというよりそれを助けようとしたパン屋男性(ガルル)のものだと推測できる。
③ガルルはミノニヨクシティで夜にときおり「きのこねくしょん」傍の崖に行っている。
この3点を踏まえると、この幻がルナ・サナ姉妹のものというより姉妹を助けようとして亡くなったガルルのものであると考えることができます。
実際、この幻からルナ・サナ姉妹のことを情報として直接的に得ることはないでしょう。しかしこの幻は間接的に彼女たち姉妹に繋がっていると確認しうる情報にもなっているのです。その根拠となるのが、次に示す「はないちもんめ」で見ることのできるルナ・サナ姉妹のミノニヨクシティでの自宅の様子なのです。
はないちもんめ<風船・船>
主人公以外のキャラクタを操作できる「はないちもんめ」でルナもしくはサナを選んだとき、ルナが経営する「ブルーリボン」の奥のドアを通れるようになり、彼女たちの部屋を見ることができます。
ここでは入口に風船が2つあり、時計を調べると「風船のモチーフの、振り子時計がある。」とメッセージが表示されます。
そして押し入れを調べると、以下のメッセージが表示されます。
…大きな押し入れがある。
よく、2人でここに隠れていたっけ…
この押し入れのメッセージは虐待を受けていたときに2人で隠れていたということを示しているのでしょう。また生前の家と間取りや家具の位置が一緒なのかもしれません。
ルナのときとサナのときで、このメッセージは変わりません。
そして彼女たちのナンジノユを見てみると、ピンク色をした若い女の子らしい風呂場となっています。しかし右側には不自然に崖が繋がっており、ピンク色の風船があります。崖を調べると、以下のメッセージが再生されます。
崖の底は見えない…
これ以上は、怖くて行けない…
これも押し入れのときと同様、ルナ・サナのどちらでもメッセージは同じです。
また湯船には船が浮かんでいます(私にはボートかヨットに見えましたが、調べると船であることがわかります)。
彼女たちの家を調べて気になるところは、おおまかに以上のようになっています。
さて、では先述のガルルのものと思われる「蒸しパンの幻」をふたたび見返してみましょう。
姉妹の部屋を見た後でこの幻を見返してみると、特に風船が特徴的に感じられます。この幻では、ガルルとおぼしき「頭が手になった人」が風船をつかもうとしています。この幻を見る限り、「風船をつかもうとしている手」は「姉妹を助けようとしている人(=ガルル)がどれだけ彼女たちを捕まえたかったか」を表していると見なせそうです。つまりこの幻では、ルナ・サナ姉妹は風船なのです。
そしてこの幻では、遠くの海に船が浮かんでいるのが確認できます。これはなにも知らないと無視してしまいがちですが、今であればルナ・サナ姉妹のナンジノユに浮かんでいた船とリンクさせることができます。
こうして考察してみると興味深いのは、「蒸しパン」の幻とルナ・サナ姉妹の自宅との間に符合があることです。この幻がガルルのものだとすれば、ガルルがルナ・サナ姉妹を助けようとしたとき実際に風船があった場合以外、ガルルの印象で姉妹を風船に見立ててしまったに過ぎないといえます。にもかかわらずルナ・サナ姉妹の家の家具と符合があるというのは、とても奇妙です。
たとえば私たちが今夜寝るときに夢を見たとしましょう。そのときに抽象的な事件や事故を想起するような夢を見て、不思議に思ったまま起きたとしましょう。そしてニュースなどでその抽象的イメージに合致する出来事が起きていれば、びっくりするでしょう。
これは予知夢、もしくはデジャヴと呼ばれるものです。これがなぜ驚くべき事柄なのかというと、私たちは夢というものは脳が記憶を処理する際に見るものだと知っているのに、それが現実とリンクしてしまう奇妙さがあるからです。その「自分のなかだけのはずのもの」と現実がリンクしている様子が、この「蒸しパンの幻」からも確認できるのです。
まとめ
ルナ・サナ姉妹の生前の出来事については、あまり謎は残っていません。死の詳細も動機もある程度は判明している上、ガルルという他人の幻からも情報を確認できるため、信憑性が高く考察しやすい人物です。
しかしこうして見てみると母親の視点でも見てみたいものです。ルナ・サナという子供の一方的な視点だけでなく、母親にも弁解があってよかったのではないか、と私は思うのです。それは母親の心情を知りたいというより、ルナ・サナ姉妹の死の正当性を確認したいといったほうが適切かもしれません。
母親に弁解させた上で、本当にその母親の判断は正しかったのかを私自身が考えたいという欲求です。本当にルナとサナは死ぬしかなかったのでしょうか? 私にはそう思えません。少なくともここまで考察してみると、どうしてもルナもサナも巻き込まれたという印象が強く感じられてしまいます。
いずれにせよ、それは叶いそうはありません。そしてルナ・サナ姉妹は両親なしでも、ミノニヨクシティの他の住人の助けを借りて立派に生きています。ひとまずはそこに安心する他ないのでしょう。
次のエントリ
次回のエントリでは、スイーツ店を営む「ジェミニ」について考察していきましょう。