こんにちは、Caffeineです! 今回から「ミノニヨクシティ」の中核である住人たちに焦点を当てていきます! これまで引用してきた情報などを元に考察していきます。
ピギュラ(ユウヤ)の真実
ここまで読んできてくださった方であれば、すでにミノニヨクシティのある世界は死後の世界だということはとっくにご存知でしょう。これからはゲーム内で高い頻度で接していくことになる住人たちの「生前の死因」などを考察していきます。まずは主人公のピギュラです。
主人公であるピギュラ以外は「幻」や他の情報を頼りにして考察する他ありませんが、ピギュラの場合は毎夜見る夢があり、またトゥルーエンドの最後には自覚する瞬間があるため、「ミノニヨクシティ」という作品のなかでは一番わかりやすいキャラクタでしょう。
ピギュラの見る夢
夢の細かい内容は以前のエントリでまとめていますが、ピギュラおよびユウヤの生前について知るとき特に重要なのは、トゥルーエンドルートでの6日めの夢です。なぜ6日めなのかという理由はおそらく演出上のもので、最初はミノニヨクシティの真相すらわからない状態のプレイヤーに情報を小出しにしているため、1日めや2日めより最後の6日めのほうが真実を深く映し出しているからだといえます。
6日めの夢(トゥルー)
トゥルーエンドルート6日めの夢では、ユウヤとおぼしき影を操作し、母親からのお使いのために外出します。そして途中で交差点に行き当たり、向かい側に父親の姿を見つけて、赤信号であるのにも気づかず飛び出してしまい轢かれるシーンが描かれます。
このことからユウヤが不注意の飛び出しによる交通事故で亡くなったことは、ほぼ間違いないでしょう。
2日めの夢
そして実は1日めと2日めの夢からも読みとることができる情報があります。そのなかでも2日めのほうが、少し情報が多いといえます。
取っ手つきのネジ
1日めで見る夢では、横断歩道の上に血だまりがあるのを見ることができます。これは2日めでも同じなのですが、2日めではその血だまりのなかにオルゴールの部品である「取っ手つきのネジ」を見つけることができます。トゥルーエンドの条件の1つですが、よっぽど不注意でない限りは拾うアイテムです。
しかし4日めの夢ではプレゼントのオルゴールが見つけられるものの、母親にお使いを頼まれる前に箱に戻している様子が確認できます。6日めの夢ではそうしてオルゴールを戻した後の様子のようで、もし4日めの夢と6日めの夢がしっかり繋がっているのであれば、交通事故に遭った瞬間にはオルゴールをもっていなかったものと思われます。
そのためこの2日めの夢で拾えるネジは、実際のプレゼントのオルゴールのパーツであるというより、「死因」をより強調するためのアイテムだと見なすことができます。
血だまり
そしてなにより特徴的なのは血だまりです。これは横断歩道でユウヤが亡くなったという情報より、「どれくらい流血して死んだか」という情報を知るものだといえます。さらに血だまりから反対側(上側)へ引きずったような足跡のような血痕が残っています。これは轢かれたユウヤを引きずった後だとも解釈できますが、血だまりの右にある矢印のように、実際にはなかったであろうものも表現されているので、厳密にはどういった血痕なのかはわかりません。
しかしさすがに血だまりまでがすべて単なる強調であるとはいいにくいでしょう。たとえば実際にはユウヤは跳ねられただけでほとんど外傷がなく、流血などもない状態で亡くなった、と楽観的に考えるのは無理があるということです。やはりあれだけの血だまりができるということは、轢かれて車の下敷きになったと考えるのが妥当でしょう。そのまま引きずられたのかもしれません。
自覚時の回想
なおトゥルーエンドの自覚の瞬間では、両親とおぼしき人物がユウヤの遺体の前で泣く姿が確認できます。このときユウヤの遺体は顔に布をかけられているだけで、体には特に隠すようなものがかけられていません(死に装束は着せられているようですが)。そのため体が意外と損傷していないことも確認できます。
ここから察するに、外傷の大きさよりも流血が甚大だったのだと考えられます。
部屋の様子
部屋の様子は、ピギュラ(ユウヤ)のみならずミノニヨクシティでは住人の生前の出来事・死因に密接に関わるものが現れるようになっています。特に主人公であるピギュラの場合は、自覚する前のピギュラの部屋と、自覚した後のユウヤとしての部屋を確認することができる稀有なケースです。
ピギュラの部屋
ピギュラの家にあるもので特徴的なのは、傾いた電柱と赤いコーンです。このうち電柱はゲーム冒頭から存在しますが、赤いコーンはカラコロが自覚する4日めの後、5日め以降に登場するようです。
ノーマルエンドルートだとデスクとテーブルの間の床に血痕があるくらいの違いで、トゥルーエンドルートでも大きな差はありません。どちらのエンドに向かうかというルートの違いは無視してしまって構わないでしょう。
赤いコーンは実質的に道路で亡くなったことを示すくらいで、大きな意味は読みとれません。赤いコーン自体はビル街にもあるので、途中で追加されていることに気づかなかったプレイヤーも多いかもしれません(私は撮影した動画を見返して気づきました)。
やはり特に印象深いのは、傾いた電柱です。これはゲームの序盤から不穏な雰囲気を醸し出しており、強い違和感に繋がっています。この電柱は傾いていて、根元の地面にはヒビが入っています。そしてなにより電柱の足元になにかが衝突した跡が見られます。
これはユウヤ自身が車に跳ねられてぶつかったというより、ユウヤが跳ねられた車が衝突した電柱だと解釈するのが妥当ではないでしょうか。その証拠に血痕がありません。
そのためこうして部屋にある印象的な物体などは、死因に密接に関わっていなくても、本人の印象に強く残っていれば現れるものなのかもしれません。たとえば轢かれて意識を失う前に、ユウヤは車が衝突するのを目の前で見ていたのかもしれません。
ユウヤの部屋
自覚してミノニヨクシティに残るトゥルーエンドを迎えた後のユウヤの部屋は、ピギュラのときと場所も変わっています。ピギュラがいた家はどうやら「ミノニヨクシティに新しく来た住人」が住む場所のようで、ユウヤは他のミノニヨクシティの住人と同様に、自店を住居とするようになっているようです。そのためトゥルーエンド後のおまけでは、かつての家に新しい「カーラース」という人が住んでいます
定かではありませんが、ミノニヨクシティの住人と認められることがミノニヨクシティの郊外ではなく、街中に住むことができる条件なのかもしれません(単に「店を構える前の住居」ぐらいのことでしかないのかもしれませんが)。
残念ながらユウヤの部屋はピギュラ当時とも他の住人とも違い、いやにこざっぱりしてしまっていて生前の出来事をにおわせるようなものがほとんどありません。
オルゴールの部品とは?
最後にゲーム内で手に入れるネジなどの「オルゴールの部品」について考えてみましょう。
オルゴールの部品はエンディングの分岐条件にもなっていて、特にトゥルーエンドを見るためにはすべて集めないといけないという「ピギュラ(ユウヤ)の真実」に近づくための必須条件ともいえます。
未踏の地になぜ部品があるのか
公式の攻略情報から、オルゴールの部品のある場所を引用しましょう。
①「何かのネジ」→「問題物件」内
②「取っ手つきのネジ」→2日目の夢の中
③「小さな木箱」→4日目の朝「問題物件」にいるジーキルに話しかける
④「電子オルゴール」→「青い森」で拾う
このなかで気になるのは、②と④です。「オルゴールの部品」は組み立てることで、生前のユウヤにとっての思い出のオルゴールを手にし、ピギュラが自覚するきっかけになりうるアイテムだ、ということは想像に難くありません。しかしそのオルゴールの部品がなぜ「夢」や裏世界の奥にある「青い森」で入手できるのでしょう?
精神的なアイテム?
この落ちている場所の不自然さから、オルゴールの部品は「実体的な存在」というより「精神的・霊的な存在」であると考えたほうがいいのかもしれません。つまり「はないちもんめ」でそれぞれの住人が自分の自宅の扉を見ることができ、他人からは見ることができないように、「自分にとって重要なものは他人に見えない」「重要であれば実体的かどうかは関係ない」とする捉え方です。
入手したという実感
こう捉えると、夢のなかで手に入れることが「物理的に入手したことにならない」としても、「精神的に入手した実感」から自覚するためのきっかけになりうると考えられます。実際にアイテムを物理的に得ることより、精神的に「得た」という実感が大事なのかもしれません。
そして青い森という裏世界の奥にあることも、実際に物理的に青い森に落ちているというより、青い森という奥深くへ行ったことのひとつの証として、オルゴールの部品が象徴的なものとして入手されたのではないか、と考えられます。
他の住人にとっては別の条件がある
これはピギュラだけのもので、他の住人が自覚する際には別の条件が必要だったと見なすこともできます。他の住人にとっては青い森に行くことが条件ではなかったかもしれません。自分の店のなかにあるとは限りませんし、むしろ取得しやすいミノニヨクシティのどこかに落ちていたかもしれませんし、他の箱庭に落ちている可能性もあるでしょう。
そしてこれはミノニヨクシティの住人だけでなく、死後の世界に住まう人々すべてになにかしらの条件があり、それを満たすことで「自覚」するに至ると考えることができます。そのため海底都市の住人たち、樹海クラブのメンバーたち、ビル街の住人たちにも似たような自覚するための条件があると見なせます。しかしそれは自覚するためだけの条件ですので、自覚後に暴れない保証はないと考えるのが妥当でしょう。
なぜジーキルからうけとる?
この考え方にはちょっとした問題点があります。それは③の「小さな木箱」をジーキルからうけとるというところです。あくまでこうした物品は本人の精神的なもので、物理的な存在ではないと捉えるのならば、ジーキルが見つけて触れたというのは不自然です。
しかしこれにも反論することができます。それはピギュラがまだ自覚していないながら、自覚しやすい状況になっていたということだと捉えることができるのです。
心を覗かれたくない
「はないちもんめ」での自宅のドアなどは、自覚していない人たちの自宅のドアの状態を確認できません。ガルルやヤコフがそれにあたります。
「はないちもんめ」で他人になったときに入れるようになるドアには、ルナ・サナ姉妹やショータのようにシンプルに店の奥のドアが自室へ通じているパターン、ジェミニのように他の人には見えないドアがあるパターン、そしてジーキルやギルバートのように隠し扉になっているパターンなどがあります。
こうした扉の見つけやすさ・見つけにくさは当人たちの「どれだけ心を覗かれたくないか」という心境に依存しているのかもしれません。ルナ・サナ姉妹はそうした壁が薄く、ショータは心を覗かれる抵抗が弱いのかもしれません。そしてジェミニは人並みに抵抗感があり、ジーキルやギルバートはそうした自分の場所に土足で踏み込まれたくないと感じているのかもしれません。
そう考えると、ピギュラの場合は死後から時間が浅いのか、自覚しやすい状況にあり、ジーキルのような他人でもピギュラの自覚条件である精神的なオルゴールの部品に触れるチャンスがあったというふうに考えることができます。
他人が「自覚」のきっかけになる
これはピギュラだけでなく他の住人でもそうで、カラコロ(ショータ)の場合も同様だと考えることができます。カラコロが樹海クラブの集落へ行ったのは突然です。しかしそれはピギュラから見た場合であり、カラコロにとっては自覚する条件を少しずつ積み重ねていき、最後の条件となる「首を吊った」という情報を思い出すきっかけとして樹海クラブの「ツリー」があったのではないでしょうか。
そしてそれはカラコロ本人がすべて自分だけで条件を積み重ねていったのではなく、他の住人たちがきっかけになることもあり、そのなかにはピギュラが入っていたかもしれません。もちろんカラコロだけでなく、すでに自覚している住人たちも、自覚する際にはそうした条件を他人の「いつのまにかの協力」を経て積み重ねていった可能性があります。
そういうふうに考えてみると、ガルルには自覚する可能性がありそうですが、それには本人だけでなく他人が関係するきっかけもあるのかもしれません。
まとめ
ゲーム全体を通してユウヤの死因を考えてみると、意外に情報が少ないとわかります。
そして死因自体も細かく推測できるほど、夢の内容が示唆に富んでいるわけでもありません。
なにより不明なのは、ピギュラがなぜ「一つ目」の存在としてミノニヨクシティに現れたのか、ということです。事故で片目を失うような事実があるのなら、一つ目として具現化していることが理解できます。しかしそうした情報がないので、一つ目である理由がまったくわからないのです。
主人公としては大まかな死因である「交通事故」というのは、クリアすれば誰にでもわかるようにはなっています。しかし詳細については、推測するのもなかなか難しいキャラクタです。
次のエントリ
次回はルナ・サナ姉妹とおまけとしてポポポについての真実を探っていきます。