「ミノニヨクシティ」#10【考察】樹海で「くくる」のはナニ? 樹海クラブから輪廻道へ続く和歌【ネタバレ】

ゲーム考察
フリーゲーム「ミノニヨクシティ」の考察です。「樹海クラブの集落」から輪廻道へ向かう鍵となる「和歌」を読み解いていきます。

こんにちは、Caffeineです。
引き続き「ミノニヨクシティ」の考察を続けていきましょう! 輪廻道へ向かう際に見ることになる「和歌」について、今回も見ていきます。

前回のエントリ(【考察】海底都市の和歌):
「ミノニヨクシティ」#09【考察】海へ飛び込む自殺の歌? 海底都市にある和歌について考えよう【ネタバレ】
フリーゲーム「ミノニヨクシティ」の考察です。「海底都市」から輪廻道へ向かう鍵となる「和歌」を読み解いていきます。 こんにちは、Caffeineです。 引き続き今回も「ミノニヨクシティ」の考察を続けていきましょう! 前回のエント...

輪廻道へ続く和歌

輪廻道へ向かうときに見るこの「和歌」は、内容について特にゲーム内では触れられません。そのためゲーム内では合言葉をあわせるための「鍵」という役割以外にはありません。しかしゲームを遊んでいる私たちプレイヤーにとっては、この和歌もしっかりと世界観を表す一端を担っているのです。

樹海クラブの和歌

樹海クラブからの輪廻道は、ひと気のないテントに置いてある包丁を調べると行くことができます。和歌の合言葉は「くくる」です。
ミノニヨクシティから行ける輪廻道の宿の湯に入り、ナンジノユのときのように「…もうあがる?」に「あがらない」を選ぶと、合言葉を聞き出すことができます。

和歌の内容

和歌の全文は以下の通りです。

樹海クラブの和歌の内容:

安穏と 首を括るは母の木々
森は拒まず 宙浮く阿呆

この歌はなぜか最初に合言葉を入力したときと、その後で包丁を調べたときとの和歌の内容が少し変わります。具体的には最後の「宙浮く阿呆」が「まみれる阿呆」に変わります。

他の和歌にはこうした例がないため、この樹海クラブのものだけ特別と見るか、単なるバグと見なすかになるでしょう。和歌としての意味は、最初の「宙浮く」のほうが「まみれる」より読み解きやすいものだといえます。

解釈

この歌も前回の海底都市のものと同様、比較的わかりやすいタイプのものだといえるでしょう。樹海クラブのメンバーたちは秘密の場所にある「ツリー」を神聖視しているため、この木を「母」と呼んでいてもおかしくはありません。また「森は拒まず」とありますが、おおよそ自然というものは何者をも拒むこともなく呑み込むものです。

少し捉えづらいところがあるとすれば、上の句の「首を括るは母の木々」でしょうか。これは木々が首を括るわけではなく、「首を括る(場所)は木々」という意味になります。

とはいってもさほど難しい言葉もなく、素直に読むことができる和歌です。
IT系の言葉で「一意」というものがあります。これはおおよそ「一つの意味にのみ解釈できる」というものです。そうした意味で捉えると、この和歌はほぼ一意です。

樹海クラブ

それというのも、ゲームを通して樹海クラブのメンバーたちの素性を、私たちは理解しているからです。樹海クラブのメンバー、もしくは彼らの生前を考えてみると、この和歌は非常に呑み込みやすいシンプルな歌です。

まず樹海クラブのメンバーは、首を吊って自殺した人たちの集まりだと思われます。もし場所が限定されるものであれば、やはりその名前から「富士の樹海」が想像されます。また彼らはツリーを進んで信仰しているので、他殺ではなくやはり自殺なのかもしれません。カラコロ(ショータ)が首を吊って死んだものの樹海クラブではなくミノニヨクシティに住むことになったのは、樹海で首を吊っていないこと、もしくは自殺ではないことが関係しているのかもしれません。

シンプルに読める和歌

このような事情を考えると、和歌の「首を括る」はそのまま首を吊るという意味で、「森」は樹海、「宙浮く」は首を吊っているから足が地から離れているということ、そして「阿呆」は樹海クラブにいるような自殺者のことを指していると捉えることができます。

少し気になるのは、「母の木々」です。特に「木々」の部分が複数であるため、「ツリー」の他にも神聖視されている木があるのかもしれません。もしくはツリーに限定されず、単に樹海の木々を総括して神聖視しているということなのかもしれません。

次のエントリ

今回は非常にシンプルな和歌でしたので少し短くなりましたが、次回は「ビル街」で見ることのできる和歌を読み解いていきます。こちらは少し解釈が揺れる可能性があり、読み解くのにいくらか時間がかかるでしょう。

「ミノニヨクシティ」#11【考察】忙しいだけってのも考えものだよね…… ビル街にある和歌について考えよう【ネタバレ】
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