「ミノニヨクシティ」#20【考察】住人たちの真実を探る ガルル編【ネタバレ】

ゲーム考察
「ミノニヨクシティ」の考察です。ミノニヨクシティでパン屋を営むガルルにどのような裏事情があったのかを考察していきます。

こんにちは、Caffeineです!
今回は、威勢がよく声の大きなパン屋のガルルについて焦点を当てていきます!

前回のエントリ(【考察】センセーとジョシュ):
「ミノニヨクシティ」#19【考察】住人たちの真実を探る センセー・ジョシュ編【ネタバレ】
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ガルルの真実

ガルルについては、一度クリアするだけだとわかりづらいところがあるかもしれません。私はプレイを動画に残して確認しながら記事を書いていますので、ある程度「予習と復習」ができる状態です。情報を見返すと、ガルルは意外とわかりやすいキャラであると気づきます。

特に彼の生前の死因については、ほぼ「答え」と考えてよさそうな情報を見つけることができます(結局のところ、状況証拠による考察に過ぎませんが)。
まずは初日から見ることができる「蒸しパン」の幻について、確認していきましょう。

「蒸しパン」の幻

蒸しパンの幻は、メッセージなどの言語的表現がないタイプの幻です。崖の上で、頭が手の形になった人がへの字顔の赤い風船に手を伸ばそうとしているように見えます。奥に船(どうやらヨットやボートではないらしい)があるため、おそらく海なのでしょう。

細かい状況は、以前に食べ物の効果をまとめていますので、そちらの記事で確認できます。

←「蒸しパン」の幻

ここで少し気になるのは、この頭が手になっている人の来ているシャツです。一見すると「B」と書いているように見える柄ですが、これはミノニヨクシティにいるガルルが来ているものと、ほぼ同一です。幻のときは夜のように明度が下がることがありますが、灰色という色味もほぼ同一と見て差し支えないでしょう。

この符合から、「蒸しパン」の幻のなかの「頭が手になっている人」はガルルのことをさしていると思われます。そう考えると、自動的にこの「蒸しパン」の幻が、ガルルのものであるとも見なせます。

凶新聞

そうした推論とは別に、この幻がガルルのものであるという根拠はあります。それは「凶の都」の「凶書店」で読むことのできる「凶新聞」に書かれています。

凶新聞(左)の内容:

●年、●月●日。
妻が夫を包丁で刺殺した、例の事件の続報。
母親はその後、娘2人(姉17)(妹12)を連れて
崖へとおもむき、心中をはかった模様。
たまたま通りがかったパン屋の男性(34)が
飛び降りに気づき、救出をはかるも甲斐なく、
そのまま全員溺死した。
なお、姉妹と男性の魂は、
ミノニヨクへ収納中とのこと。
母親の所在は不明。

これはルナ・サナ姉妹の項目でも述べたものです。ルナ・サナ姉妹の父が母親を刺そうとしたときに返り討ちに遭い、母親が誤って父親を刺殺してしまって、母親が娘のルナ・サナ姉妹と心中を図ったときの話です。

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読んだ人はおよそ想像がつくと思われますが、凶新聞に書かれている「パン屋の男性(34)」はガルルのことだと思われます。職業が一致するだけでなく、ガルルの年齢が34歳であるのは自宅のギャラリーで確認できます。この様子からガルルは、心中に巻き込まれて死に至ったと推測されます。

きのこねくしょんの崖

そしてガルルはミノニヨクシティで人間の姿をしていないことから、まだ彼自身死んだことを自覚していません。また夜にガルルが「きのこねくしょん」の傍の崖で「ここにくると何か思い出しそうな…」と思案に耽っている様子を見かけることができます。自覚する素養はあるのでしょう。

しかしルナの反応は薄い

しかし巻き込んだ側であるルナ・サナ姉妹は人間の姿をしており、自分たちが死んでいることには気づいているはずです。にもかかわらず、ルナ・サナ姉妹がガルルに対して特に罪悪感を示すようなシーンはありません。ちなみに上述のガルルが「きのこねくしょん」の崖で思案していることは、夜にルナからほのめかされて知ることができます。

このときルナは

…でも、忘れちゃったことってさ…
忘れたいって思ったから、
忘れちゃったんじゃないのかな…
よく…わかんないけどね。

と、つけたします。

自分たちを助けようとしてくれた人が誤って死んでしまったというのに、彼女たちはそれほど気にも留めていないのでしょうか。
ひょっとするとルナ・サナ姉妹は自分の生前の死因については理解しているものの、助けようとしてくれたガルルのことを知らないのかもしれません。

3種類の「知らない」の可能性

「知らない」と考えるにしても、この場合は3種類の「知らない」を考えることができます。彼らの死ついては、ルナ・サナ姉妹の視点からすると3つの要素に分けることができます。それはルナ・サナ姉妹から見て、「自分たちを助けようとしてくれた人がいる」「その人が死んだ」「その人が誰か」という3点です。

この3つのどの段階を「知らない」かで、ルナ・サナ姉妹の認識も変わってしまいます。つまり以下の3つになります。

  1. そもそも自分たちを助けようとしてくれた人がいることを知らない。
  2. 助けようとしてくれた人がいたのは知っているが、その人が死んだことを知らない。
  3. 助けようとしてくれた人が死んでしまったのを知っているが、誰か知らない。

この3つのどれであろうと、ガルルが自分たちを助けようとして死んだのを姉妹は知らないということになります。より細かく考えると、妹のルナは理解していないけれども、姉のサナは理解しているということもありうるでしょう。もしくは逆も考えられます。しかしこれらの推測に対して、どれが有力であるか方向づける論拠はなにもありません。

空虚な推測ではあるのですが、この3種類の「知らない」について考えておくことで、せめて私たちプレイヤーがルナ・サナ姉妹に対して、「場合によってはしかたないか……」と納得する材料にすることができます。

まとめ

ガルルの死因は他の住人に比べるとわかりやすく、虚しい死だと考えることはできるものの、悲観すべきものとはいいがたい死です。ガルルのように他人を助けようとする人が亡くなったことは悲しいことですし、なにも実りのない死だったといえます。しかしガルルの「助けよう」という姿勢は、裏のない優しさだったという他ありません。

細かい死因については、飛び降りたときの衝撃によるものか、溺れた際に飲んでしまった水が原因か、そこまではわかりません。ガルルの恐竜のような見た目も、死因というより彼のおおらかで豪傑な性格が起因しているように見えます。

なおこの飛び降りという点から、「海底都市から輪廻道へ繋がる和歌」の内容と重なる部分が見受けられます。以前この和歌についてもすべて考察していますが、現在のところ和歌がミノニヨクシティの住人と関連しているような証拠はありません。「関係あるかもしれない」ぐらいに留めておくのが安全でしょう。

ガルルの死は、誰かの策略や家族に殺されたといったように、悲劇的な人間の醜さを見せるものではありません。他殺が死因となっている可能性が濃い人々が何人もいるなかで、ガルルの死は負の感情が見られないものとなっています。

次のエントリ

次回のエントリでは、図書館を営む「ギルバート」について考察していきます。

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