【無料ホラゲ】人々が「食ベテ……」と襲いかかる敵に……。性格が悪く嫌われ者で美食家の少女は、変貌した街でどう生き残る? 「暴食の街」

3.0
S:オススメ(★★★)

このゲームに一言キャッチフレーズをつけるとしたら?

性格が悪くもアツく漢(オトコ)らしい少女がゾンビ相手にジェノサイドするホラゲー
暴食の街:無料ゲーム配信中! [ふりーむ!]
「暴食の街」:さぁ 残さず食べましょう
暴食の街
さぁ 残さず食べましょう「暴食の街」|ホラーアクションゲームです。逃げもありますがだいたいアクションです。プレイ時間約2時間エンド数は1です。※追記(7/9)最初の戦闘で難易度が高いと感じた方は屋敷に戻った際に屋敷の中を探索して見て下さい。強化武器や敵の移動速度を変えることの出来るアイテムが手に入ります。(敵の移動速度...
暴食の街 - RPGアツマール
食がテーマのホラーアクションゲームです。 グロテスクなのが苦手な方は注意です。 エンド数は1つです。 追記(7/7) 難易度が高いと感じた方は屋敷に戻った際に探索をして見て下さい。 強化武器や敵の移動速度を変更出来るアイテムが手に入ります。 (移動速度を変更出来るアイテムはあるイベントとイベントの間で入手出来ます。 ...

概要

「暴食の街」は、日本製のホラーACTゲームです。裕福な育ちで食にうるさく性格の悪い女の子が、ゾンビのような敵であふれた街で生き延びようとする作品です。

美食家ながら性格が悪く、食べ物にも他人にも一切感謝をしない主人公「ロザーナ」。

ホラーゲーム? ジェノサイドゲーム?

このゲームの公式の説明では「ホラー」とされており、また実際ホラー演出がたくさんあります。しかし実際にゲームをプレイしてストーリー展開を追っていくと、主人公の「ロザーナ」が怒りにまかせて積極的に敵を殲滅しようとする作品なのだとわかります。

ホラーゲームと思いきやジェノサイドゲーム

主人公が傍若無人で食べ物どころか他人にも感謝の念がなく、そこから味方のほとんどいない敵だらけの状況に陥るので、ホラーに慣れた感覚からすると「あー、これで主人公がこらしめられるのか」と考えるかもしれません。

退屈だけだった生活が一変し……。そんな世界で、彼女はどう生き抜くのか……?

しかし実際には、主人公はびくびく怯えて女の子らしい悲鳴を上げながら逃げ回るのではなく、怒りを顔にほとばしらせながら敵を1匹残らず殲滅することを宣言して銃を乱射しまくります

メイドが振り返ると……。まさにバイオハザード。

説明としては不適切かとは思いますが、むしろ「熱血系作品のようなアツイ決意」が見られて、そこらのやわな男性キャラたちよりずっと男らしいのです。

両親までも……。いちおう主人公は、両親をなんとか元に戻そうと努力する。

そのため「ホラー」としての「追い詰められていく感」は強くありません。銃を手に入れるまでは逃げることしかできませんが、一旦 銃を手に入れてしまうと「無制限に体力を回復できるクリスタル」と「無制限に弾丸を補充できるクリスタル」が登場するので、ある程度ヒット&アウェイを繰り返してクリスタルを定期的に使用すれば、簡単にゲームオーバーになることはありません。

白っぽいクリスタルが体力、赤っぽいクリスタルが弾丸。エンディング分岐はないので、存分に撃とう。

全体的に「ドキドキ感」や「ゾクゾク感」というより、「ハラハラ感」が強めで、「この娘この調子で本当に大丈夫?」という印象が感じられるようになっています。

嫌味な小娘? 怒りのジェノサイダー?

このゲームでは、「主人公の気質」と「ゾンビのような敵の性質」が大きな特徴となっています。特に主人公の気持ちの変容がゲーム展開を大きく支えていて、ふつうならさっさと街を出ていくところを、主人公ロザーナは積極的に敵を倒そうと前へ進んでいきます。

暴食の街の生き残り、それは生意気な小娘

ロザーナは、「暴食の街」とも呼ばれる街で一番の裕福な家に育ちます。年齢はエンディングで明らかになりますが、ゲーム内グラフィックよりずっと幼いようです(私は高校生くらいの年齢かな、と思っていました)。

用意された食事を、冷めた表情でちゃぶ台返しするロザーナ。ハッキリいってイケ好かない。

美食家ながら食べ物には感謝せず、世話係たちからは嫌われ、本人は他人を「愚民」と見下して、両親に守られていることにも気づかず、趣味がないから暇だ暇だと退屈そうに暮らしています。

貰った手紙に、この反応。とにかく他人を軽視した性格。

街が変容する前の序盤では、世話係たちがロザーナのことを悪し様にいうのを地獄耳のように見つけ、「給料半分カットかクビ」をいいわたします。誰だって「ちゃんと稼いで偉いのは親であって、社会を知らない子供が偉そうにするもんじゃない」と思うことでしょう。

メイドたちの小言も聞き逃さず、きちんと罰だけ追究する嫌な性格。

そんな小生意気な少女が、街が変容してゾンビのような敵で溢れる様を目の当たりにすることで、シュワちゃんやシルベスター・スタローンも顔負けの「全員ブッ倒してやる」という”をんな”に変わるのです。私が感じるところでは、彼女はれっきとしたジェノサイダーです。

敵だらけの様子に激怒する主人公。

お決まりの文句、「愚民」。

彼女の動力源は「怒り」のようです。そのため「愚民が!」を口癖のように繰り返し、銃を乱射していきます。その様には、余計な正義感などをかなぐり捨てた「他人に屈しない”生きる意志”」のようなものが感じられて、清々しさすらあります。

若い女の子の主人公が、こんなに青筋たてているのをそんなに見たことがない。

PS2の無印「SIREN」プレイしたことがある人なら、SDKこと須田恭也のことを思い出すかもしれません。須田恭也はSIRENの隠しステージにて、延々と敵を狩り続けるというジェノサイド型の生き方を選んだキャラです。

(そのステージの動画をYouTubeで検索したところ、須田恭也を演じられていた篠田光亮氏のYouTubeチャンネルを見つけました。ちょうどSIRENの実況プレイをされているようなので、興味がある方はどうぞご覧ください)

エンディングはやや好みが分かれそう?

個人的に、ゲーム全体のテイストはかなりイイと感じました。しかしエンディングは、「わかるけど、うーん……」と感じさせられるものになっていました。

敵がなぜか「食べて」と襲ってくる。

その理由は、ストーリー展開やテーマとエンディングの繋がりがあまりないからです。

細かいことはネタバレになるから説明しませんが、ざっくりいうと「世界をめぐり冒険して魔王の城へ着いて魔王を倒したら、魔王城がロケットになって地上を激しく燃やしながら飛び立ち、勇者たちは宇宙でしたたかに生きることになりました」というRPGのエンディングみたいなナンカチガウ感です。

捕まるとむりやり口から食べられに来る。

個人的には、「こういうエンディングにするのが、作者にとっては気持ちよかったのかもしれない」と感じました(実際には違うかもしれませんが)。エンディングはやや突飛さ重視なものになっているといえるでしょう。

制作の手間が伺える出来

しかし全体的に「制作の手間」が伺える出来になっています。私はいろんなインディゲームをプレイしてきていますが、多くのゲームで「手を抜いている箇所」が見受けられます。それは低コストで実現するのには当然なのですが、むしろそれが「インディっぽさ」「インディ臭さ」に繋がっているともいえます。

そこからすると、このゲームは「すでに用意されている素材を転用」しているところがかなり少なそうな出来になっているのです。

オリジナルグラフィックの量

主人公をはじめ、家族や世話係、モブキャラに至るまでオリジナルのグラフィックで描かれています。また敵のグラフィックもどうやらオリジナルのようです。

生きている人もいた! いろんな人にグラフィックが用意されている。

ツクール系やウディタ系のゲームでも、やはりオリジナルグラフィックが使われていることが、かなり重要になります。デフォルト素材やフリー素材を使って作ることはもちろんできますが、それだと「どこかで見た」が絶対につきまとうので、「手を抜いている感」や「ありきたり感」に繋がりがちなのです。

それに加えて、主人公ロザーナの住む家や街のマップチップなども、かなり手をかけて制作されているように見えます。ここは「このゲーム特有の街」という雰囲気の醸成に繋がっているといえます。

PCとスマホの両立

システム面から見ると、かなり積極的にPCとスマホで両立させることを目指していたことが伺えます。私はPCにてキーボードで操作していましたが、クリックでも操作できますし、スマホのタップでも操作できるようです。

敵を殲滅するのが目的なので、左上の敵レーダーを頼りに倒していこう。

他にもUIにこだわりもあるようで、マップ上に敵がいる/いないを表示して、敵を探すのが楽になるようにもしているようです。屋敷だけでなく街のマップもあるので、迷う人がいることも想定しているのでしょう。

全体的にインディ作品としてはかなりユーザビリティを意識した作品です。

「まだ続くの!?」というイベント量

主人公の性格の悪さもあってか、私はざっくりと「主人公が失意のうちに敵に襲われて終わりかなー」と思っていました。しかし実際にはそうではなく、いろんな挫折を味わいながらも主人公ロザーナは諦めずに戦い続けます。

敵には大きいヤツも! 意外と長く遊べる作品。

そのために「あ、そろそろ終わりかな」というタイミングが見受けられるものの、なかなか終わらない「えっ、まだ続くの!?」という感覚を味わえます。

具体的には、公式の説明で「約2時間」でクリアできると明記されています。

オススメ度

「暴食の街」のオススメ度はSランクです。Sランクは★が3つ(★★★)で、毎週のまとめ記事にて「オススメ」としてピックアップできるくらいのオススメ度を示します。

このゲームがSランクなのは、クォリティが高く保たれつつ意外性のあるストーリー展開が魅力的だからです。特に主人公ロザーナの怒りを原動力として「生きる意志」に感銘を受けるようなタイプなら、かなり楽しんでプレイできるでしょう。

ゲームの情報

タイトル暴食の街
開発ちきぼん
オススメ度S<オススメ>:★★★
リリース日2020/07/16
価格フリー
次元2D(2次元)
ジャンルサバイバルホラーACT
特徴ゾンビ/女性主人公/銃/食/グロ/熱血/シングル
視点斜め見下ろし
グラフィックアニメ調2D
操作方法マウスorキーボード
言語日本語
インストール不要
ファイル容量239MB<アーカイブ> / 330MB<解凍後>(Version 1.00)

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補足

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