概要
「H.G.」は、海外製のループ系ホラーADVです。かなり短い作品で、5分足らずでクリアできます。
かなりのショート
このゲームはかなり短く、人によっては呆気にとられるかもしれませんし、手軽に遊べる作品だと感じられるかもしれません。
「超ショート」といえるほどは短くなく、ループする通路を歩いていきます。ループ系は続けて歩いていくタイプなので、1分くらいで終わるものを作るのは難しいでしょう(もちろん短ければイイという問題でもありません)。
「P.T.」スタイルのループゲー
ゲームのテイストとしては、「P.T.」スタイルでループしていく内容となっています(公式の説明でも「P.T.に影響された」と書かれています)。少し珍しいのは、「ドアをくぐっていく」タイプではなく、オフィス風のフロアを進んでいき「エレベーターを経由」していくようです。
そのため毎回ロードが挿入されるようになっています。
恐怖度は低め
全体的に恐怖度は低めです。あえていうなら、ホラー好きの方は「肩透かし」をくらう可能性が高いので、「怖そうなのは好きだけど実際にめちゃくちゃ怖いのは苦手」くらいの人なら、より楽しめるかもしれません。
なお、タイトルの「H.G.」は「Horror Game(ホラーゲーム)」の頭文字だそうです。
雰囲気は良好
オフィス風フロアの天井にあるライトをうまく使っていて、光と闇の対比がしっかりしています。そのため闇による不安感は強めのタイプです。「なにか起こりそう」という気味の悪さが感じられるようになっています。
オススメ度
「H.G.」のオススメ度は、Bランクです。Bランクは★が1つで、通常の「#1ツイゲームレビューα」と同程度のオススメ度を示します。
このゲームがBランクなのは、短く盛り上がりに欠けるからです。ひとことでこのゲームを表すなら、「なにか起こりそうで起こらない」という評価になってしまいます。
もう少しインパクトがあったほうが、印象に残ったかもしれません。
建設的に考えてみよう
さて、今回のこのゲームはBランクでした。しかしこれをこのまま「Bランクでした」と放っておくのはもったいないので、「どう改変すればおもしろくなる可能性があるだろう?」と建設的に考えてみましょう。
どうすればおもしろくなっただろう?
個人的に、このゲーム1番のネックは「盛り上がりに欠ける」という部分だったと判断しています。短い作品でも、「Stone House Orphanage」のようにインパクトを残す作品もあります。
そのため「盛り上がり」を中心に考えてみましょう。
ショート系はインパクト重視
短い作品というのは、意外と難しいところがあります。強いテーマをストーリーにもたせることが難しく、単に「ノリ」や「インパクト」のみになりがちだからです。
もし「1口(以上食べられない状態)でも客を魅了する商品」を作ろうとすると、インパクトや奇抜さで勝負するパターンが多くなるのと同じです。
そのため、「インパクト以外でなにか勝負できるものはないか……」と探すより、思い切って「インパクトのみ」で勝負するのが潔いのではないでしょうか。
ループものは難しい
またループものというのも、思いのほか難しいところです。ゲームとしては同じ素材ばかり使えるので省エネではあります。しかし「段階的にイベントを発生させてソワソワ感を与える」という手段は誰でも思い浮かぶようです。
しかし「ここぞ!」というときの決め手で効果的にホラーイベントを体験させるのは、期待感が高まっているからこそ「スカシ」てしまいがちなのです。そもそもこうしたインディゲームは、経験が浅いところもあるのでなおのことです。
インディのホラーゲームというのは、素人作りのお化け屋敷に近いのかもしれません。資金も時間もかけていられないのでチープになりがちなのを、なんとか悟らせないように開発するのです。難しくないはずがありません。
「オフィス風」は生かせるかも
ただ今回のゲームで、「オフィス風」のマップになっていたのは、少しおもしろいと感じました。ホラーゲームというのは「人の住む家」が多く、そのなかでも「自宅」や「事件のあった家」「いわくつきの家」などが候補として挙がりやすいようです。
そう考えると、「オフィス」というのはあまり注目されていないため、「セオリー」を新しく作れるかもしれません。たとえばコピー機から血が噴出してきたり、天井からぶらさがる輪っかになったネクタイがあったりしてもホラー味が出るかもしれません。
ループものとして考えるなら、最初は「コーヒーの染み」だったはずのものが段々と赤黒く「血だまり」のように変貌していったり、メモを貼るコルクボードで「いつも仕事 手伝ってくれてありがとう!」という明るいメモがあったのに段々イジメっぽくなって「死ねばいいのに」と変化していったりしても、ホラー演出としてはイイかもしれません。
音声の恐怖
このゲームでは、女性の悲鳴とともに銃声が聞こえるという「音声」でのホラー演出がありました。正直にいうと、ココが「あ、このゲームはこの程度なのかもしれない」と感じる瞬間なのかもしれません。
おそらく音声でのホラー演出は、映像での演出よりも手軽なのではないかと思います。映像で演出するとなると、グラフィックが必要になるからです。本来なら「そのゲーム専用の敵グラフィック」があってほしいものですが、インディ作品となればそうもいかないことがあるかもしれません。
これは本来の演出とは異なるのかもしれませんが、私は3Dのインディゲームをプレイしているときに「どの方向から聞こえてきているのかわからない音」にビクビクするときがあります。「どこから敵が来ているのかわからない」といった恐怖に近いのかもしれません。
だとしたらその点を強調するために、フリとしてあえて「どんな方向から来ているか明確な音声演出」を4つか5つほど繰り返してから、「あ、このゲームはこのくらいの音声で怖がらせてるつもりなんだな」と油断させておいて、全方位から段々と近づいてくる音で脅かす(たとえばお経のような音声が段々近づいてくるように)というのも、音声の演出としてはインパクトがあるかもしれません。
ゲームの情報
タイトル | H.G. |
開発 | Glory Meat |
オススメ度 | B<OK>:★(#1ツイゲームレビューα) |
リリース日 | 2020/06/01 |
価格 | 無料(寄付可能) |
次元 | 3D(3次元) |
ジャンル | ホラーADV |
特徴 | P.T.ライク/ループ/ショート/シングル/Unity |
視点 | FPS視点 |
グラフィック | PS風3D/ローポリゴン3D |
操作方法 | マウス&キーボード |
言語 | 英語 |
インストール | 不要 |
ファイル容量 | 27.7MB<アーカイブ> / 64.5MB<解凍後> |
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【#1ツイゲームレビュー】「H.G.」
無料でプレイ⬇https://t.co/toueBjVBdS
この場所でいったいなにが……?
ループする通路、
聞こえる異音、
消えるライト……。T.P.ライクな
ショートなループホラー。#無料ゲーム pic.twitter.com/KsZ4gzH6MP— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) July 27, 2020
補足
もちろん
「フォーー!」
のH.G.ではありません。ホラーゲーム(Horror Game)の
略だそうです😅— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) July 27, 2020
けっこう短い作品。
なのでサクッと遊べます。ホラー度が低いので
「怖そうなの遊んでみたいけど
マジで怖いのがムリ」
くらいの人のほうが楽しめるかも。— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) July 27, 2020