やっぱりコスパ! ちょうどいいグラフィックボードを探そう

今では製品の購入基準として人口に膾炙している「コストパフォーマンス」という尺度ですが、やはりグラフィックボードを選ぶ際にもコストパフォーマンスの良し悪しは気になるものです。
今回もグラフィックボードの選び方のひとつとして、このコストパフォーマンスの観点から見ていくことにしましょう。

このエントリのポイント

  • コストパフォーマンス重視となるとミドルクラスの製品が多い。
  • 自分の求める性能はどんなものが把握しておく。
  • コストパフォーマンスは便利な尺度だが、自分で考えるのも大事
2019年決定版! ゲーミングPCに本気でオススメできるグラフィックボードとは!? | | グラスト! - THE GRAPHIC STRIDE
「ゲームをストレスなく楽しみたい」「グラフィックボードを買おう」と考えている人への決定的な提案です。価格重視・コストパフォーマンス重視・性能重視などの様々な観点から考察し、グラフィックボードを購入するメリット・デメリットについても解説しています。自作PCに興味がある方・ない方・初心者の方にもオススメしています。

コストパフォーマンスのいいグラフィックボード

市場を見てみると、コストパフォーマンスに優れた製品というものは、往々にしてミドルクラスのものが多くなりますハイエンドの製品ではどうしてもコストが目につき、ローエンドの製品では性能に納得できなくなりがちだからです。

今回はNVIDIA・AMDともにコストパフォーマンスに優れているミドルクラスのグラフィックボードをご紹介しましょう。

NVIDIA製GeForce

NVIDIA製のグラフィックボードでコストパフォーマンスに優れている製品を見るとなると、やはり「GeForce GTX 10シリーズ」を逃すことはできません。そのなかでも「GTX 1070」「GTX 1060」「GTX 1050」がコストパフォーマンスの観点からはピックアップすることができるでしょう。

GTX 1070

GTX 1070」は「GeForce GTX 10シリーズ」のなかではいくぶんか高性能な製品で、価格もやや張るグラフィックボードです。
VRAM(グラフィック用のメモリ)を8GB搭載しており、ゲームによっては最高クォリティでも充分に遊ぶことができることでしょう。

GTX 1060

GTX 1060」は性能・価格ともに落ち着いた実にミドルクラス然とした佇まいのグラフィックボードです。
VRAMは6GBを搭載しており、ハイクオリティの画質を求めるとFPSの低下などが懸念されますが、性能に折り合いをつけて設定を調整できるならば、活用することは充分にできるでしょう。

GTX 1050

GTX 1050」はやや廉価なグラフィックボードです。コストパフォーマンス重視というより安さに重きを置いた製品で、性能も値段に見合っているという趣です。
VRAMは2GBといささか物足りなく感じられますが、画質や解像度にこだわらず安価なグラフィックボードでとりあえずゲームをプレイさえできればいい、という際には重宝するでしょう。

AMD製Radeon

AMDのグラフィックボード製品で、よりコストパフォーマンスに優れているのは「Radeon RX 500シリーズ」でしょう。上位の「RX Vegaシリーズ」ではやや価格が勝ち気味で、コストパフォーマンス重視とはいいにくいところがあります。

さて、RX 500シリーズには「RX 580」「RX570」「RX 560」などがあります。
それぞれVRAMを「8GB」「4GB」「4GB」搭載しており、RX 580の8GBは流石というほかありません。

各製品のおおよその価格(2018/10現在)

NVIDIA製

GTX 10705万円~8万円
GTX 10602万円~4万円
GTX 10501万円~2万円

コストパフォーマンスの観点からすると、ややGTX 1070の価格が抜きん出ているのがわかります。やはり予算として「5万円」のラインを出るとややコストパフォーマンスが悪いという印象になります。
同じGeForce 10シリーズの上位製品「GTX 1080」がおよそ6~9万円ということを考えると、もう少し背伸びをしてGTX 1080を視野に入れるのも良いかもしれません。

その分、GTX 1060や1050はやや価格が落ち着いている様子です。大雑把に「2万円」より多く出せるか否かがGTX 1060か1050どちらを選ぶかの基準となりそうです。
なおコスト重視で安いものを選ぼうと1万円以下のグラフィックボードを探すこともできますが、ゲームを快適に遊ぶためにそこまで出資をカットするのであれば、もはやグラフィックボードではなくI/Oデバイスとしてマウスやキーボードに投資するのが早く楽かもしれません。

AMD製

RX 5803万円~4万円
RX 5702万円~4万円
RX 5601万円~2万円

コストパフォーマンスという考え方

さて、実際のグラフィックボード製品の種類を見てきましたが、では次に「コストパフォーマンス」について考えてみましょう。

コストパフォーマンスとは言わずもがな「パフォーマンス(性能)÷コスト(費用)」という意味で、「どの製品がより安く高性能であるか」、という基準を表す尺度です。
この尺度を、グラフィックボードならびにゲーム目的で製品を買うときの考え方でなぞってみましょう。

「満足」を増やすのではなく「損」を減らす方法

前述のようにコストパフォーマンスは「どの製品がより安く高性能であるか」を示す尺度ですが、実質的にはある一定額(100円や1000円など)を基準にして製品を比較した場合、どれくらいパフォーマンス(性能・効能)を保持しているのかを示す値です。

2つの要素を同時にはかる尺度

速さを表す単位がkm/h(キロメートル・パー・アワー:キロメートル毎時)ないしm/s(メートル・パー・セカンド:メートル毎秒)であるのとコストパフォーマンスは同様で、2つの要素(速さでは「距離」と「時間」)を同時にはかる尺度です。

こうした尺度であれば「1時間での移動距離はこっちよりあっちのほうが長い」と比較が容易であるように、コストパフォーマンスでも「パフォーマンスごとのコストはこっちよりもあっちのほうがいい」と比較が容易なのです。

精神的な要素を重視するか、無視するか

しかしご存知のように、この尺度は製品のパフォーマンス(性能・効能)を基準にしており、その製品を使用した際の「心地よさ」や「安心感」といったような精神的作用は含まれません。実質的にはそれもパフォーマンス(使い心地)として含まれうるのですが、あくまでコストパフォーマンスとして計測する上では、製品の性能という観点でのパフォーマンスしか含まれないからです。

様々な基準・尺度があるなかでコストパフォーマンスという考え方は、そうした精神的作用を無視し、価格と性能のみを効率的に数値化して「損を切り詰めよう」という考え方であるといえます。

しかしコストパフォーマンスの観点からでは精神的作用を最大化することは難しいことです。またコストパフォーマンスは「自分が本当にほしいものを選ぶ」のではなく「該当カテゴリーの製品・サービスのなかからもっとも損の少ないものを選ぶ」ことでしかありません。

やや厳しい言い方をすれば、それは「自分で考えている」わけではありません。自動的に効率のいい一部を抜き出すのに秀でた手法がコストパフォーマンスです。こうした手法を取り入れることで常に一見すると損の少ない選択肢を取り続けることができますが、それを続けることで「本当にほしいものはなにか」を見失うことになるとすれば、本当にそれは「損の少ない」考え方であるといえるのでしょうか?

ゲームの醍醐味とは?

グラフィックボードは現在では、ゲームをより快適に遊ぶために設置・換装されるパーツとして有名です。この視点からすると、ゲームはそもそも娯楽ですし、グラフィックボードも娯楽的な製品だといえます。

根本的な疑問

ゲームの楽しさとはなんでしょうか?
これに対する答えは千差万別であって然るべきです。友達とはしゃぎながら遊ぶことが楽しみである人もいるでしょう。なにより敵に打ち勝つことが快感だという人もいるでしょう。一人で黙々と克己することに意味を見出す人もいます。スポーツマンシップを求めて日がなPVPゲームをする人もいます。

そして様々なゲームが登場し、ソーシャルゲームやスマホゲームなどが充実し、PCをもたない人も増えてきた昨今ですが、そんななかでゲームについて重要な疑問が湧き上がってきています。

ゲームとは効率を求めて遊ぶものでしょうか?

攻めるべきか、守るべきか

なにか行動をとろうとしているときに、原点に立ち返るのは大事なことです。
筆者はLeague of Legendsをプレイしますし、Overwatchもプレイします。PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDSを所持していますし、Counter-Strike: Global Offensiveも所持しています。
ゲーマーのなかの区分としてよく「ガチ勢」と「エンジョイ勢」にわけられることがあります(そしてお互いがやや侮蔑的にいがみあっています)が、私は戦うときは本気で戦いますし、本気で楽しみたいタイプです。AFKやチートは許さない性格です。

筆者個人の見解としては、ゲームとは基本的に効率を求めながらも、折を見ては本気で立ち向かわないといけない代物だと考えています。
前述のようにコストパフォーマンスは「損を切り詰める」という守りの戦術です。しかしたとえばゲーム内の戦術で「死なないようにプレイする」というのは非常に立派な戦い方ではありますが、常に「死ぬことを避ける」プレイをしていては埒が明きませんし、なにより楽しくありません。渦中に飛び込むときは意を決する勇気が求められるときもあるでしょう。

「その瞬間に攻めておかないと後になってからでは遅い」という攻めなければいけないタイミングがありますが、それは当人を含め渦中にある人たちでないと責任のある判断をとることは難しいでしょう。また「たとえそこで得るものが少ないとしても損を切り詰めるほうが優先だ」と当人が考えるのであれば、それを他人が「違う」と制止するのも筋違いでしょう。

しかし今一度しっかりと主目的を再確認し、本当に求めているものを探るのは、決して無駄ではないはずです。たとえ答えが変わらないとしても、その確認は重要ではないでしょうか。

まとめ

  • 「損を切り詰める」という機械的な思考が、総合的に損を生んでいる可能性がある
  • コストパフォーマンスでは計れない精神的な満足感を無視するのはもったいない。
  • 高価なものでも攻めるべきか、安価なもので守るべきか、しっかり自分で決めておく。

さいごに

求める性能の製品は、個々人によって異なって当然です。当サイトではいくつかの理由からGTX 1080を強くオススメしていますが、それはゲームを楽しむ上でグラフィックボードにはなにより性能を求めるべきだという理由のためです。
もし自身で考えた上で求める性能がハッキリとしていて、予算と相談しながら後は少しの情報を得れば購入するだけ、という方は、その願望がしっかりと叶えられるように助力できる情報を提供できればと考えています。

あくまでゲームもグラフィックボードも嗜好品であることを忘れてはいけません。それでも迷ってしまうなら、立ち止まって購入を踏み留まるのも手段のひとつでしょう。自分の欲求以外にはそれを急かすものはなにものもありません。
ゆっくり落ち着いて考えられるときに決断すればいいことなのですから。

2019年決定版! ゲーミングPCに本気でオススメできるグラフィックボードとは!? | | グラスト! - THE GRAPHIC STRIDE
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