こんにちは、Caffeineです。
今回は「The Last NightMary」のメリットとデメリットについて掲載していきます!
どんな人向け?
実績解除が好きな人
攻略情報を見ることに頓着しない人
進 – Advanced
「The Last NightMary」について、少し踏み込んだ情報を考えていきましょう。
プレイ感
まずは実際にプレイしてみた感想をまとめていきます。
解除が簡単な実績が多い
この「The Last NightMary」は本編のゲーム性は別としても、まっとうにプレイしていれば最初のプレイで次々と実績を解除することができるため、妙な気持ちよさがあります。ふつうSteamゲームの実績は、ある程度の時間をかけたり攻略情報を参照したりすることで解除することができるでしょう。
この実績というのは、実質的にはゲーム本編には関係してきません。いわば「メタ」的要素として、ゲーム外の情報に過ぎません。しかし実績がゲームのメタ情報であるということは、実績を解除するという行為自体が栄誉となりうるのです。たとえば「高い難易度(ハードモードなど)でクリア」というのがある実績を解除する条件だった場合、その実績を解除することは大きな達成感を呼び起こすでしょう。本作では難易度が選択できないためそういった実績はありませんが、非常に手軽に解除できる実績がたくさんあります。
つまり他のゲームではなかなか解除できない実績が「The Last NightMary」ではあっさり解除できるため、手軽に「実績解除」の爽快感を味わうことができるのです。
本作のすべての実績が簡単に解除できるわけではありませんが、進める度にポンポンと実績解除できる初回のプレイは不思議なおもしろさを感じるかもしれません。
攻略情報ありき?
続いてゲームを攻略する上で、いわゆる「謎解き」が難しかったことも明記しておきたいものです。細かく述べるとネタバレになりますので今回は避けますが、とあるメモを読んで謎解きをするシーンがあり、それをクリアすることが本作上の最大の要所となる謎解きが存在します。それが少なくとも私にとっては、攻略情報なしではクリアできるような代物ではなかったのです。
原因を私なりに考えてみると、おそらくメモが一意に理解できるものではなく、インディゲーム独特のあやふやな文章のために、「謎解きをするためになにをすべきか?」がハッキリとわかるようになっていなかったことが理由ではないかと思います。
そもそも私は日本で育った日本人ですので、英語は達者ではありません。その点からすると、私の読み違いがあり、私の英語スキルの低さが仇となった可能性は充分にあります。しかしプレイしていたときはまったく意味がわからず、攻略情報を参照してクリアした今になって見返してみると、やはり「謎解き用に最適化された文章」ではなかったのではないかと感じます。
この本作の問題に結論を与えるのは簡単です。「インディゲームだから」というだけで済みます。プロではなくアマチュアがつくったものだから、多少の至らないところがあってもしかたがない、と納得できます。
またこの問題にストレスを感じるか否かは、「自力でクリアしたいと考える気持ちがどれくらい強いか?」に依存しているかもしれません。すなわち攻略情報を参照せずにクリアしたいという気持ちが強いほど、このインディゲームらしい理不尽さは許容しにくくなります。逆に攻略情報なんて見て当たり前というような感覚であれば、その理不尽さもどうとでもよくなります。なぜなら攻略情報を参照すれば謎解きはただの「答え合わせ」に過ぎないからです。
楽しい……?
さて、ここでは少し深掘りして考えていきましょう。それは本作が「楽しい」のかどうかという点です。改めて本作のジャンルを確認すると、ポイント&クリックのホラーゲームということでした。私は実際にプレイしてみて、ポイント&クリックのゲームとして、またホラーゲームとしてもイマイチだと感じました。ハッキリ申し上げると、とある実績を解除するためにエンディングを見ようとしたのですが、攻略情報に沿って試したものの環境のせいかエンディングに辿り着けず、実績も解除できずに諦めるしかなかったため、そこでモチベーションが大きく下がってしまいました。
本作の特殊性は、本編のゲーム性よりも実績を解除していくことに楽しみを見出すことになるところです。Steamでいえば、Steamで購入できるゲームを楽しむことだけでなく、Steamでゲームを集めること自体が楽しみになる可能性があるところです。こうした「本質」と異なる部分が楽しくなってくるのは、つくった側もあまり意図せずにそうなってしまうものなのかもしれません。
いずれにせよ、本作が楽しいかどうかと問われると、私は口ごもります。少なくとも実績を解除する妙なおもしろさは感じたからです。しかしそれを楽しいと評していいのかは、人によるでしょう。実績解除を楽しみとしてカウントしない人にとっては、楽しさは半減するかもしれません。
「ここがオススメ!」
「The Last NightMary」のどんなところがオススメできるところなのでしょうか?
慣れればサクッとクリアできる
「The Last NightMary」の根本的なゲーム性は、「Crispimという敵から逃げる」という目的のために謎解きをするところにあります。その外側に、実績を解除するために何周もプレイする、というスタイルも存在します。
本作の謎解きにランダム性はないため、答えを覚えたり攻略情報を参照したりすれば、解法はまったく同じであるため難易度が大幅に下がります。最初のプレイでは謎解きを楽しみ、周回プレイでは実績解除を楽しむようにすれば、周回プレイでは1回1回のプレイを非常に楽にサックリとプレイすることができるようになります。
実績の解除を楽しめる
「The Last NightMary」では、実績を解除する楽しさがあります。本作の実績のなかには、「70回敵から逃げる」や「100回敵から逃げる」といった時間と労力がかかるものがありますが、半分近くの実績は初めて謎解きをしてエンディングを見るまでの間に自動的に解除できます。
ストーリーをクリアする上で、なにかアイテムを見つけたり手がかりを見つけたりすると、すぐに実績が解除されるのです。初めて敵から逃げたり、鍵を手に入れたりするだけで実績が解除されます。これはもともとゲームのボリュームに対して実績が多く設定されているのと、他のゲームよりずっと楽な作業に対して実績が設定されているため、非常に簡単に実績解除ができるのでしょう。
こうした他のゲームと異なる実績の設定がなされているために、実績を解除する不思議なおもしろさが本作にはあるのです。
おもしろかったのは、
一気に実績が2~3個
同時に解除される瞬間だよな。
非常にサクサクッと
実績が解除される瞬間が
ありますよね。
えっ、こんな簡単に
実績解除されていいの?
って気分になるよね。
マルチエンディング
また非常に簡素ながら、本作はマルチエンディング方式となっています。全部で5つのエンディングがあり、そのうち1つがシークレットエンディングとなっています。特にシークレットエンディングはメインストーリーに関係あるのかないのかわからないサブストーリーとなっており、攻略法はメインストーリーのものとまったく異なるので、自力で解くより攻略情報を参照したほうがずっと楽でしょう。
「ここはイマイチ……」
それでは逆にどんなところがイマイチなのでしょうか?
謎解きがやや意味不明
プレイ感のところでも述べましたが、インディゲームにありがちな「不可解な謎解き」があります。ストーリーやゲーム性に対してマッチしておらず、「なぜこのような謎解きをしないといけないのか」「なぜこの謎解きをするとクリアすることになるのか」という問いに対しての答えがないのです。
これはポイント&クリックのゲームとして、ややおもしろみに欠ける内容になっていることを示しています。FLASHの脱出ゲームで、「なぜ部屋に閉じ込められて、なぜこの謎解きをしなければならず、なぜ謎を解くヒントが隠されているのか」という問いへの答えがないのと同じです。これへの答えは、もはや「そういうものだから」「そこの答えを用意するのは大きなコストだから」ということで納得する他ありません。
怖くない
前回のエントリでも述べましたが、本作はまったく怖くありません。拍子抜けするほどです。これはホラーゲームとして販売されている以上、がっかりする点として挙げられます。あえて好意的に解釈するなら、「ホラーは苦手だがホラーゲームをプレイしたい人」にとってはプレイしやすい恐怖度だといえるでしょう。
ホラーゲームって
つくるのすごく難しいと思うぜ。
怖すぎるとプレイできないし、
怖くなさすぎるとつまらないし。
本当にそうですね。
怖さに慣れることもあります。
いつまでも慣れない怖さは
大きなストレスとなりますし、
すぐに慣れるホラゲーは
作業になりさがります。
自分はどの怖さが好きか
好みを把握しておくのも大事だよね。
好みから外れても許す大らかさとか。
いろいろなゲームがありますからね。
自分の好みしか許容できないのも
狭量なのかもしれませんね。
実績解除用ゲーム
本作の魅力のひとつとして「実績を解除する楽しみがある」と述べました。これは裏返せば、実績を解除する以外の楽しみに乏しい可能性があることを示します。実際、本作はポイント&クリックとして、ホラーゲームとして本編のゲーム性としての楽しみが薄味なのです。
おまけのオモチャが重視されてもともとのお菓子が中途半端な食玩のように、なんだか本末転倒な印象を受けるゲームです。どのような構図であろうと、楽しみがあるならそれはそれでいい、という人にとっては充分に楽しむ余地があります。しかし本質を重視する人にとっては、魅力はかなり低く映ることでしょう。
次のエントリ
次回は攻略情報を交えて、実績の解除のしかたを掲載していきましょう。