記事の最後にある「レビューツイート」に、プレイの様子を撮影した動画があります。実際にプレイしている様子を見てみたい方は、こちらでご覧ください。
概要
「AER」は、海外製のフライト系ADVです。島が点在するオープンワールドの世界を、鳥になって飛び回る作品です。
鳥になって空を舞おう
このゲームの最大の特徴は、「空を飛ぶ」というシステムです。最序盤ではチュートリアルがあるため飛べないものの、いったんワールドに出てしまえばジャンプ中にEキーを押すことで鳥に変身できます。鳥になるので、ドラゴンボールの浮遊のような直線的な動きではなく、翼を使った曲線的な動きをします。
ここは主観をあえて交えて解説しますが、この「鳥になって空を飛ぶ」というシステムには、爽快感を含めた”感動”がありました。頭にガンッと来てそれまでの人生観を変えられるような大きなものではありませんが、ゲームとはいえ本当に空を飛んでいるような、「単なるシミュレーターではない」という印象を受けました。
これはFPSではなくTPSなので視界が広くもてることや、浮遊時や雲のなかを抜けるときのSEがしっかりしていて、またBGMも落ち着いていて静かに縁の下の力持ちになっているのも影響しています。
つまるところそうした音響演出や鳥としての曲線的な飛行といった表現が、かなり巧く演出されているということなのでしょう。
個人的に好きなムーブは、飛行している間に変形を解除して人間の姿に戻り、高い位置から人間の姿で落ちながら滑空する動きです。
私は昔からあまりロボットものに憧れることがなかった男で、空飛ぶ機械にも興味があまり湧きはしませんでした。おそらく私のようなタイプの人間にはこうした「鳥に変身して飛ぶ」「人間の姿では羽ばたけないが滑空ならできる」というモデルのほうがより素直に「飛ぶ」行為として実感できたからなのかもしれません。
他はそこそこ
フライトシミュレーターとしてはかなり爽快感があるものの、他の要素は「そこそこ」といった具合です。
キャラのグラフィック
グラフィックはローポリゴンで、キャラの顔には目や口などが描かれていません。
海外ゲームではときおりキャラの顔が省略されていることがありますが、個人的にこれは有効な方法だと判断しています。プレイヤーが特徴的な顔、特にカッコよかったりカワイかったりするキャラの顔を求めているのはわかりますが、それを細かく表現していくのは大きなコストであり、また失敗すると他の要素すら浸食しかねないリスクでもあります。
そのため省コストを兼ねてリスクを減らすために、わざと「顔を細かく表現せずデフォルメ調でごまかす」というのは、インディ系に向いた作戦だと判断しています。
しかしそうはいっても、プレイヤーにとって「あれ? 顔がない……」と感じるのはまた別の話で、その反応も正しいのです。そのため「キャラの顔がちゃんと描かれていないと我慢できない」という人でない限りは、ここは大きな問題点ではないでしょう。
世界のグラフィック
風景やマップのグラフィックは、全体的にシンプルで平坦な印象を受けるものとなっています。キャラがローポリゴンなので そことの違和感は少ないでしょう。
いわゆるFFやバイオハザードなどのビッグタイトル(のリメイク)のようなリアル系を追究したものとは異なります。むしろインディ感が強い作風といえるのかもしれません。
なお陸のない空間をずっと下りていくと、自動的にロードが挿入されてチェックポイントまで戻されるようです。しかしプレイしているとき試しにわざと下まで降りてみたら、画面がホワイトアウトして操作をまったく受けつけず、強制終了するしかないバグに出くわしました。特に致命的でもないのですが、アップデートなどで修正されるとイイ点ですね。
ストーリー
そしてストーリーは神話的で、冒頭で手に入れるランタンを含めたいろいろなものに、神話的な要素が絡んできます。これもフレーバーとしてはイイものですし、キャラや雰囲気とかなり合っているともいえるでしょう。
ただ実際にゲームをプレイして空を飛ぶ楽しみを体感してみると、正直のところストーリーはどうでもいいと感じることがあるかもしれません。あって困るものではありませんが、「あってよかった!」と喜ぶほどのものでもないかもしれません。
「空を飛ぶ爽やかさ」の一点訴求
総評すると、このゲームは「空を飛ぶ」という点だけで充分な作品だといえます。このゲームでは空を飛ぶ楽しさを満喫できれば、グラフィックやストーリーは些細であまり気にしないものになってしまうのです。
もちろん空を飛ぶ間はずっと島や雲などが見えているので、ちゃんと評価するとグラフィックは重要な要素だといえるのでしょう。しかしそれは『「カレーライス」にとっての「ライス」』のようなもので、カレーライスで”一番”大事なのは「カレー」だということに異論のある人は少ないでしょう。
そのためレビューや評価でも、「空を飛ぶ」ことの楽しさにすべて帰結するといっても構わないでしょう。このゲームの「空を飛ぶ」が気に入らなければこのゲーム自体を気に入ることはそうそうありえませんし、逆にこのゲームの「空を飛ぶ」さえ気に入ってしまえば他をすべて無視してでもこのゲーム自体を好きになってしまう可能性が高いのです。
オススメ度
「AER」のオススメ度は、SSランクです。SSランクは、毎月の「#1ツイゲームレビュー」まとめ記事にて、月間の「超オススメ」としてピックアップできるくらいのオススメ度です。
このゲームがSSランクなのは、これまで解説してきたように「空を飛ぶ」という表現がただただ巧みだからです。
このサイトでは、基本的に新作や準新作を扱っているため、無料配布ゲームなどの発売から時間が経っている作品にはあまりSSランクをつけることはありません。それでもSSランクにしたのは、それだけの感動があったからです。
ゲームの情報
タイトル | AER |
開発 | Forgotten Key |
オススメ度 | SS<超オススメ>:★★★★(月間でのオススメ) |
リリース日 | 2017/10/25 |
価格 | ¥1,580(Epic Games)、¥ 1,880(Steam) |
次元 | 3D(3次元) |
ジャンル | フライトADV |
特徴 | 鳥/変身/女性主人公/島/浮島/雲/神話/シングル/実績 |
視点 | TPS視点 |
グラフィック | デフォルメ3D |
操作方法 | マウス&キーボード |
言語 | 日本語/英語/その他/マルチ |
インストール | 必要 |
ファイル容量 | 1.22GB(2020/06/26時点) |
ツイート
【#1ツイゲームレビュー】「AER」
期間限定で無料⬇https://t.co/Wy07JRGU84
浮かぶ島が点在するオープンワールド世界を
鳥になって思うまま駆け抜けよう。キミは鳥だ 空が世界だ
他にはなにもいらないだろう?空を飛ぶ心地よさに溺れる
フライト系ADV。#期間限定 pic.twitter.com/ZfWF8xOYkb— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) June 26, 2020
補足
個人的にかなりヒットしたゲームです。
フライト系とか
ぜんぜん趣味じゃありませんでしたが
これはちょっとした感動がありました。ストーリーとかいらないから
とにかく飛ぼう?
みんな飛ぼう。
キミも飛ぼう! pic.twitter.com/9WJtSpPMor— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) June 26, 2020
ストーリーは神話的で、
グラフィックはローポリゴン。空に浮く島々を
渡り歩いて(渡り飛んで)
探索していくタイプです。 pic.twitter.com/0Lb3vLrl2f— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) June 26, 2020
というかこんなレビュー見てないで
せっかくの無料配布ゲームなんだから
今すぐもらいに行きましょう!プレイすればわかる!
飛べばわかる!キミは鳥だ!
ゲーマーの鳥だ!
そして これはいいゲームだ!
だったらキミは幸せな鳥になれる! pic.twitter.com/U5u5gvqP2m— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) June 26, 2020
レビューした後で思ったのは、
海のゲームで「Subnautica」っていうのがあって
いわば「海の大きさを味わえるゲーム」
なので好きなんですよね。この「AER」はソレの空版みたいな。
空の大きさを味わえます。— GURASUTO @最新作など1ツイでレビュー (@CGurasuto) June 26, 2020