こんにちは、Caffeineです。
今回も「Room 303」について情報をまとめていきます!
今回は攻略情報をネタバレを交えてまとめながら、本作のオススメなところとイマイチなところについても深掘りしていきましょう。
どんな人向け?
手軽にサクッと短いゲームを遊びたい人
突然のビックリ演出が嫌いだけどホラーゲームを楽しみたい人
進 – Advanced
ではこの「Room 303」について、少し踏み込んだ情報を考えていきましょう。
プレイ感
まずは実際にプレイしてみた感想を、主観的に述べていきます。
7日でしあげられた素晴らしさ
まずなによりも先にいえることは、この「Room 303」が7日でしあげられたことが凄いということです。
なにかしら創作をしたことがある方はわかるかと思われますが、そもそも創作において作品を「しあげる」ということ自体がひとつの才能です。ゲームクリエイターを目指したりマンガ家を目指したりする人のなかには、それを標榜するばかりで実質的になにひとつ完成させることのない人がいます(「ワナビー:Wanna-be」と呼ばれあまり好まれません)。
それだけでなく自分の能力で制作できる規模をしっかり把握し、作品を実現させて作品を発表するというのは、管理としても技術のひとつに挙げられます。
創作において完成させることができずに諦めるという人は、決して少なくありません。
また短い期間でしっかり完成させるというのは、さらに上位の技術です。自分にできることをしっかり理解していないとできません。
さらにそれが「しっかりと遊べる」というレベルの作品であるということは、インディゲームとはいえ驚愕に値します。
特にこの「Room 303」の開発者は若い方です。
私たちが7日間でこれと同じものを作ることができるかどうかを考えてみれば、その意欲の大きさは確かなものだといえるのではないでしょうか。
これってそんなに
すごいことなの?
すごいというより、
「ちゃんとやった」
という感じでしょうか。
イラストなどでは時間を決めて
数時間以内に描き上げるというものがあり、
小説や詩でもテーマを与えられて
時間内に書き上げる方法があります。
一種の自己鍛錬に近いかもしれませんね。
筋トレみたいなもんか?
そうですね、
考え方としてはかなり近いかもしれません。
そのため内容も然ることながら
しっかりとやり終えたこと自体が
「よくやりましたね」と
褒められることなんです。
目的がわかりづらい
しかしそうはいっても、これは「7日間でそれなりのゲームを作った」ということに過ぎません。短期間で若い方が作ったのであれば、どんな内容であっても絶対にそれを褒めそやさないといけないわけではいけません。
実際、私はプレイしてみて不可解なところをいくつか見つけました。私だけでなく、プレイした方には同様に感じる方もいることでしょう。
「Fix it」の意図
不気味な謎の声は主人公に「Fix this」「Fix it」と繰り返しますが、これは少し意味が伝わりづらいところがあるでしょう。日本語でいうと「直せ」のようなことなのですが、英語での「fix」は問題を解決するというような意味もある汎用なものです。
また最初に「なぜか目の前で人が死んでいる部屋」に突然ほうりこまれる不可解な状況では、「なにを」直すべきなのかがわかりません。
一応「Search the room and set it right」と目的が表示されます。しかしこの英語の文章も「set it right(正しく配置する)」の「right(正しく)」の細かな状況がわかりにくいというのもやはり同様でわかりづらいといえるでしょう。
なぜ片づけないといけないのか
部屋を調べ続けていると、その「fix」が散らかった部屋を整頓することなのだとわかります。それがゲームを進める手順なのであれば、プレイヤーはそれに従う他ありません。
そうした「ゲームプレイの手続き」とは別に、「なぜそうしないといけないのか」という考えは常にプレイヤーの頭のなかで渦巻いています。そうした手続きは手段ですから、その手段がしっかり正当化されるだけの目的・動機がほしくなるのです。
しかしその動機を、この作品では明確に与えてくれません。
大まかに日本のインディゲームと英語圏のインディゲームを区分すると、日本のものはストーリーを常に意識するためこの「動機」は明確に解決されていることが多い印象がありますが、英語圏のものはストーリーよりもゲーム性や「ゲームとして成立する」ことを重視したものが多い印象です。本作をその点で考えてみると、やはり動機づけやストーリーが曖昧に感じられるところです。
オチの不可解さ
この要素はミステリ要素のある本作のオチにも関係してきます。結局のところ本作のオチは、「目の前の死体は自分自身だった」「自分を殺したのは自分だった」ということらしいと展開からは読みとれます。最後に謎の声は「Reset」といっているところから、延々と自分を殺しそれを発見しては殺したのが自分だと理解するのを繰り返す「ループ」を続けているかのような印象もあります。
この展開であれば、謎の声がなんだったのかという明確な答えを理解することはできません。またなぜ自分を殺し続けるのか、なぜ死んだ自分を見つけるという「2人の自分」が存在するのか、なぜループしているのかという疑問も置き去りです。
ここはやはり「インディゲームだからしかたない」と考えるしかないのかもしれません。特に短期間で制作されたのであれば、ストーリーとしてそこに明確な答えを与えるよう筋道立てるより、たとえ曖昧で謎が残るままであってもゲームとして完成させるほうが優先されたとしてもしょうがないのかもしれません。
よくも悪くも「短期制作」
インディゲームのよさは「洗練された質」や「完成度」よりも、「奇抜さ」や「手軽さ」に傾きがちです。むしろ前者の洗練された質や完成度は、大企業が制作するような予算の大きいものがそうしたよさをもつことが多いでしょう。
さらに短期間で制作されたものですので、時間的な開発コストもとても少なく、余計な要素が削がれてインディゲームとしてのいいところも悪いとこも、清濁が濃くなってしまうのはしかたないでしょう。そして本作が短期制作であるために削がれたのは、展開の整合性だったのかもしれません。
「ここがオススメ!」
では続いて、客観的にオススメできる点をまとめていきましょう。どういったところがオススメで、どういった要素が好きな人がプレイするとより楽しめるのか、確認していきましょう。
超短編
まず挙げられる「Room 303」のオススメなところは、やはりとてもとても短いところです。ゲームのボリュームは大きければ大きいほどいいと考える人もいますが、短編には短編のよさがあります。
短編のよさは、鑑賞するのに短い時間で済むということが挙げられます。長編であれば長く楽しめるのですが、裏を返せば「時間をかけないと楽しめない」ということでもあります。その点、短編は時間をかけなくても多くの人が楽しむことができます。
さらに「Room 303」はそのなかでも特に短く、30分もかからない作品、10分程度でクリアできる作品です。ハッキリいってゲームの情報を細かくまとめるのでなく単に紹介をするだけであれば、「このページを読む必要はありません! 気になるなら今すぐダウンロードしてプレイしましょう!」で充分なのです。
インストール不要
また「Room 303」はインストールが必要ないため、とても気軽にプレイすることができるのも利点です。これは短編であるということと相性がよく、サッとプレイしてサッと削除するというお手軽な楽しみ方ができます。
卑怯な「ビックリ」要素がない
そしてゲーム性としてはホラー・ミステリが主軸となっている「Room 303」ですが、本作では大きな音や急に画面いっぱいに敵の顔が表示されるようなビックリ要素がなく、ホラーとしては楽しみやすい部類の作品となっています。
英語圏では、大きな叫び声をあげて急に画面いっぱいに敵の顔が表示されるタイプのビックリ要素は「jumpscare(ジャンプスケア)」と呼ばれます。ときに飛びかかってくるアニメーションとなっていることもあります。
これはYouTubeやニコニコ動画のような動画・映像をメインとした文化のなかで、実況動画やLet’s Play(英語圏の実況のようなもの)を見るときに、プレイヤーの方が驚く様をカメラなどで見るのはおもしろいのですが、実際にプレイしてみたときにこのビックリ要素が最高のホラー演出だと感じられるかどうかは、人によるでしょう。
そうした点を考慮すると、このビックリ要素がなく落ち着いたホラー演出に終始しているこの「Room 303」は、インパクトが強いとはいいにくいところがあるものの、いろいろな人が楽しめるタイプのホラーゲームだといえるかもしれません。
ビックリ要素はたしかに
動画とかで見てるとおもしろいけど、
自分がひっかかると
騙された感じがしてムキーッってなるよね。
ホラー演出は好みが分かれますが、
「ホラー画像を画面いっぱいに出して大きな音を立てる」
というタイプの演出はコストが低いので、
使われやすいところではるかもしれませんね。
昔あった迷路ゲームみたいな感じか。
迷路進めてると急に
ホラー画像がアップで
叫び声が大音量で流れるアレ。
そうですね、まさにそれです。
あれだとホラーとしては
味わい深いというよりも
「ただ濃い」だけのようになるので
人によって好みは分かれるでしょうね。
それがこの作品ではないっていうのは
あえて避けたのかな?
細かくはわかりませんが、
楽なほうに逃げないのは
ゲーム制作に限らず
大事なことですよね。
私は評価したいところです。
「ここはイマイチ……」
では逆にどんなところがイマイチなのか、確認していきましょう。
やや迫力に欠ける
オススメとして「ビックリ要素がない」と述べましたが、これは逆にデメリットと捉えると「ホラーとしての迫力に欠けるきらいがある」と認識することができてしまいます。インパクトに欠けるため、少し印象に残りづらいところがあるのです。
たとえば「好きなインディゲームはなんですか?」と問われたときに、本作をプレイした数日後であれば「そういえば『Room 303』ってゲームは短かったけどけっこうよかったよ」とはいえるかもしれませんが、1年後に同じことがいえるかどうかは怪しいものがあります。
それはやはり迫力・インパクトとして強く印象に残るかどうか、という点が大きいといえるのかもしれません。
展開が「意味不明」
プレイ感のところでも述べましたが、ミステリとしてのオチが意味不明と感じられうるものとなっています。頓着しない人もいるかもしれませんが、プレイ後に違和感として残ってしまうと、その作品への評価が下がってしまうことは避けられないでしょう。
攻略情報
それでは最後に、英語が得意でない方やなかなかクリアできない方のために、攻略情報もまとめていきます。
ランプの修理
謎の声が「Fix This」と語りかけてきた後、画面には「Search the room and set it right」と表示されます。この後、主人公を動かせるようになるので、すぐに右を向いてチカチカと点滅しているランプを調べましょう。細いランプですので、調べるときの「指マーク」が少し見えにくいかもしれません。
一度クリックすると、倒れていたランプを立てることができます。直後に主人公の怯えた声が再生されます。そしてランプの電球部分を調べると電球をはめ込み、再度ランプ本体を調べることで点灯できます(電球をはめ込む前に本体を調べると「Not like that(そうじゃない)」のように謎の声が語りかけてきます)。
点灯後に落ちているカサをクリックすると、ランプの修理は終了です。
絵画の修正
次は窓と反対側、ドアの方向に進みましょう。右側の壁に絵画がかかっていてズレているので、クリックすると位置を修正することができます。
テレビの修正
次は最初に修理したランプの右側で倒れているテレビを戻しましょう。絵画を調べ終わるまでは、そうやらテレビを調べることはできないようです。次にランプとテレビの間の壁にコンセントがあるので、これを調べるとテレビの電源を入れることができます。
ソファの修正
次に窓の右側で上下が逆になっているソファを調べると、元の位置に戻すことができます。
死体を調べる
そうすると死体が調べられるようになるので、クリックして調べましょう。その後ドアがノックされますので、もう一度ドアのほうへ向かいます。
ドアを調べる
ドアを調べると、殺されていた人物が部屋の前に立っています。特別おどかしてきたりはしないので、次の行動に移りましょう。
クリーナーを取る
ドアを調べた後は、テレビの右側にある棚のクリーナーを調べられるようになります。調べると入手できます。
血を流す
入手したクリーナーで死体の血を洗い流しましょう。そうすると電話が鳴り始めます。
電話を調べる
電話を調べると受話器をとり、「What did we do?(俺たちはなにをしたんだ?)」という声を聞くことになります。次が最後となります。
鏡の布をとる
電話に出た後、窓の右側、ソファの左側にある布のかかった立てかけられているものの傍に行くと「The endgame is now(大詰めだ)」と謎の声が語りかけてきます。後は布を調べてとりのぞき、鏡を見ることでエンディングとなります。
最後に
「Room 303」は深く考えなくとも楽しめます。また深く考えずに楽しんでいい作品です。それは短いゲーム、インディゲームのちょっとした特権かもしれません。長いゲームや大企業のゲームでは、いろいろなものが求められてしまうからです。
こうした短い作品は、あまり躊躇せずにまずはダウンロードしてプレイしてみるのがいいのではないかと思います。もちろんそうすると今回のような紹介記事は意味が薄れますが、それはそれで構いません。この記事はプレイした後に読むこともできますし、紹介記事というものは「促進」が目的であるので、ゲームが実際にプレイされるのであればそれに越したことはないからです。
みなさんはこの「Room 303」を楽しめたでしょうか?
当サイトではこれからもインディゲームを中心にいろいろな作品をご紹介していきますので、お時間に余裕がありましたら他のゲームもご覧になってみてはいかがでしょうか?