こんにちは、Caffeineです。
今回ご紹介するのは「ミノニヨクシティ」です!
タイトル | ミノニヨクシティ |
ジャンル | 2D/ほのぼの/ADV/探索/おつかいゲー/RPGツクール/シングル/ ホラー/鬱 |
開発者 | せがわ |
価格 | 無料(フリー) |
リリース日 | 2014年11月28日 |
言語 | 日本語 |
クリア所要時間 | 2~6時間 |
完全クリア時間 | 3時間以上 |
プラットフォーム | PC |
操作方法 | キーボード |
難易度 | 低~中(32/100)★★★☆☆☆☆☆☆☆ |
恐怖度 | 低(18/100)★★☆☆☆☆☆☆☆☆ |
インストール | RPGツクール2000のRTPが必要 |
ファイル容量 | 約222MB(アーカイブ)/約909MB(解凍後)<Ver.2.02> |
公式の攻略情報あり |
基 – Basic
まずこの「ミノニヨクシティ」について、基礎的な情報をまとめていきましょう。
基本情報
では基本情報として、本編以外の制作者やゲームファイルに関する情報をまとめましょう。
説明文
「Freem! – ふりーむ!」の個別ページでは、以下の説明文が掲載されています。
自覚してはいけない。
第10回ふりーむ!ゲームコンテストで「優秀賞」を頂きましたー!!
ありがとうございます!とても!嬉しいです!【制作ツール】
RPGツクール2000 RTP【プレイ時間】
じっくりやれば3時間かそれ以上かなと思います【ゲーム紹介文】
基本ほのぼのおつかいゲーですが、鬱やホラー要素が入っている箇所が多々あります。
苦手な方はご注意ください。
開発元・開発者
開発者は「せがわ」という日本の方です。
本作の他に、「END ROLL」「しらない星のあるきかた」などを発表されているようです。
また「WiX.com」にて、本作の公式サイトが存在します。
Twitterのアカウントなどは見つかりませんでしたが、はてなブログにて新作ゲームの進捗などを発表されているようです。
たとえばブログの最初のエントリでは、以下の自己紹介が掲載されています。
【名前】 せがわ
【好きなもの】 酒と音楽
【嫌いなもの】 人混み
【前世の仇】 イッカク
【来世の夢】 わさび
【最近みた夢】 カツサンドになる夢
他にもイラストや過去作の裏話なども掲載されていますので、ゲームをプレイして興味をもった方は読んでみると理解が深まるかもしれません。
インストール&容量
「ミノニヨクシティ」は、RPGツクール2000にて制作されています。そのためRPGツクール2000のRTP(ランタイムパッケージ)が必要となります。
ゲーム自体のデータ容量は、解凍前のアーカイブであるzipファイルが約222MB、解凍後だと約909MBとなっています(Ver.2.02)。解凍前のアーカイブに比べて解凍後のサイズが大きいので、圧縮率はかなり高いようです。
いずれにせよ、解凍後だとほぼ1GBとなっており、RPGツクール製の作品としてはやや大きめのファイルサイズです。本作はストーリー重視でゲーム性はあまり高くないので、完全にクリアした後でプレイし直したり、周回するようなタイプのものではありません。解凍前のアーカイブファイルは小さめなので、プレイ後はアーカイブファイルだけ残しておくのもいいかもしれません(フリーゲームはいつ公開終了してもおかしくないので、お気に入りの作品は削除しないのもひとつの考え方です)。
なお本作にはアニメーションが使用されており、フォルダ内に4つのaviファイルが存在します。この4ファイルで約694MBを占有しているので、実質的にゲーム本体の容量はもっと少ないといえるのかもしれません。
ゲーム概要
それではゲーム本編の内容に移りましょう。
ジャンル
「ミノニヨクシティ」は、2Dの探索型アドベンチャーゲームです。公式情報である説明文に「おつかいゲー」と記されているように、主人公以外のキャラクタの「こうしたほうがいい」というアドバイスに従って目標が決定され、それを完遂するためミノニヨクシティやその近辺を探索することになります。
RPGツクールで制作されてはいますが、戦闘要素は皆無です。アイテムを集めてストーリーを進めたり、いろいろなものを食べたりします。目標を進めていくと朝から夜に変わり、完遂することで眠って翌朝に移行することができます。そうしてミノニヨクシティでの日々を過ごしていきます。
世界観
本作「ミノニヨクシティ」の最大の特徴ともいえるものは、その世界観です。
ミノニヨクシティとは主人公が引っ越してきた街の名で、そこにはふつうの人間と、動物の姿をした亜人のような人たちが暮らしています。なかには動物の姿すらしていない人もいます(主人公もその1人です)。そしてミノニヨクシティには「きのこねくしょん」というワープ経路によって、他の街に移動することができます。このきのこねくしょんは「ミチビキ」という足のない幽霊のような男性によって管理されており、物語を進めていくと少しずつ解放されていきます。
この世界で特徴的なのは、「亜人のような人たち」だといえるでしょう。主人公「ピギュラ」もこれに該当し、彼は1つ目の小さな子供として登場します。落花生に爪楊枝か針金のような手足を生やしたような見た目をしていて、選択肢以外で話すことはほとんどありません。
このミノニヨクシティには独特な建物・商店が並んでいて、その名の通り血走った大きな目玉の建物である「おおめだま公民館」、頭が心電図のモニターになっている院長が経営している「どっこいしょ病院」、ヘビのような見た目のオネェ系の人が水槽を置いて開いている飲み屋「バー アクアリウム」、ドラゴンか怪獣のような見た目をしたおじさんが運営しているパン屋「総崩れベーカリー」などがあります。
最初は不可思議な雰囲気から、「フシギ系」や「おちゃらけ系」だと感じるかもしれません。
しかし進めていくにつれ、その展開に引き込まれていくことでしょう。
ストーリー
ストーリーは、ミノニヨクシティへ引っ越してきた主人公「ピギュラ」が、雑貨屋を開くために開店準備に奮闘するというストーリーです。
初日は店を購入して挨拶をして回り、開店準備としていろいろなアイテムを手に入れたり店舗の設備を修理するなどします。
ときにミノニヨクシティの人々に協力してもらい、ときに助けたりしながら、開店までの日々を過ごします。
グラフィック&音楽
世界観を表す特徴的なグラフィックがおもしろいのですが、音楽はフリー音源のようです。
グラフィック
グラフィック面では主人公ピギュラやミノニヨクシティの亜人のような住人たちの姿がかなり目立ちます。街並みは「おおめだま公民館」など独特な建物がありますが、商店街には図書館や喫茶店もあり、フツウとフシギが入り混じったような印象となっています。
ストーリーとはあまり関係ない点ですが、ゲーム内で食べ物を食べると「幻をみる」とされ、ムービーやイラストが「ギャラリー」として追加され、後で閲覧できるようになります。
イラストとしては、ミノニヨクシティ各住人のドット絵ではない作者の絵を見ることができ、非常にしっかりとした構成があってキャラクタがつくられたのだとわかります。
(公式サイトのトップページにあるイラストを見ると、それがよくわかるでしょう)
音楽
ゲームフォルダ内に同梱されている「ミノニヨクシティ_説明書.txt」を参照すると、「Presence of music」や「魔王魂」などのフリー音源が使用されているようです。
説明文にあるように、ほのぼの系が多いながらもときおりホラーや鬱要素があり、BGMもそれに合わせて様変わりするようになって、没入度が高くなっています。
わたしこれすき!
だんだん引き込まれていく感じ、
すごくいい!
俺は最初のイメージが強くて
「なんだこれ?」感がけっこう
長くついてまわったなー。
日本のフリーゲームをたくさん
プレイしてきている方にとっては
「なるほど、こういうタイプか」と
すぐわかるところだと思われます。
なかなか人気が高い作品であり、
その理由も納得できる良ゲーです。
操作方法
操作はキーボードのみで行います。戦闘など瞬時の判断を要するアクションはほとんどなく、探索してアイテムを集めたり会話を進めたりして、ゲーム本編を進めていきます。
全体的に行き来をすることが多く、主人公の移動はさほど遅くはないながらも、なにをどうすべきかわからないときは無駄足が増えてしまうかもしれません。行き詰ってどうしても進められない、なんとか早くクリアしたい、というときには公式の攻略情報を利用するのもいいかもしれません。
システム
「ミノニヨクシティ」のゲームシステムは、「おつかいゲー」と称されるように根本的には、いろいろな場所を探索し、クエストのように目標をこなしてアイテムを手に入れるなどして、物語を進めていくことが主体となります。
また物語の展開にとても味がある作品となっており、この探索とストーリーの2つが本作の軸となっているといえるでしょう。
探索
ゲームというメディア上、ストーリーは大事ではありますが「必須」ではありません。
(ストーリーだけなら、ゲームでなくとも小説やマンガでも表現できます)
そのためゲームとしての本質は、この探索要素にあるといえるでしょう。
ノーマルエンドが1つとトゥルーエンドが2つがあるマルチエンディングの形式をとっており、探索が不充分だとノーマルエンドとなってしまいます。
ほのぼの系の作品として、主人公が自分の雑貨屋を開くという目的を叶えるため、また時にはサブクエストのようにミノニヨクシティの人々を手助けするため、いろいろな場所へ行ったり来たりしてアイテムや情報を集めます。そうしてミノニヨクシティの人々に、「新たな住人」として認められることも、ひとつの目標だといえるのかもしれません。
ストーリー
本作のストーリー展開は非常に独特です。このエントリでは極限までネタバレを避けるため、その展開について言及はしません。間違いなく「癖がある」タイプのストーリーです。これは公式の説明文にあるように、ホラーや鬱といったベクトルへと展開していきます。
そのため万人受けするタイプのストーリーとはなかなかいいがたいものがあるでしょう。
しかしあえていうなれば、こうした癖のあるストーリー展開こそが、インディの特徴であり、なかなかメジャーの有名企業には出せないものだともいえるでしょう。細かな情報は今は明かせませんが、少なくとも私は好きになれるタイプのストーリーでした。
所要時間
本作のクリアにかかる時間は、公式の説明文では以下のように記されています。
【プレイ時間】
じっくりやれば3時間かそれ以上かなと思います
これはプレイスタイルなどに影響されると思われますが、私は約6時間程度でノーマルエンドを迎えました。これはエンディングに影響しないアイテム集めのような要素に時間をかけてしまったところがあると思われます。
なにぶん秘密の多いゲームですので、そうした要素を初めてのプレイで逃さないようにしようとすると、どうしても時間がかかってしまいます。
とりあえずクリアすることだけを考えるのであれば、与えられる目標をこなしていけば次々と先に進めることができます(おそらくノーマルエンドとなるでしょう)。
それだと3時間以内で、早ければ2時間程度でクリアすることも可能かもしれません。
難易度
「ミノニヨクシティ」は特にゲームオーバーのない作品であり、たとえばRPGやACTのように「セーブをし忘れてゲームオーバーになって大きく引き戻される」といったひどくテンションの下がる失敗はありません。
また超難易度の脱出ゲームのようにドット単位で調べないとアイテムや情報を見つけられないタイプの探索ゲームでもありません。それに加えて、公式で攻略情報が掲載されています。
こうした事情を考えてみると、全体的に難易度は低めでしょう。基本的にはそうした攻略情報を参照せずクリアするときのプレイを想定して点数を決めますが、それでもさほど高くなることはないでしょう。自力でクリアするとしても、低めの32点(100点中)程度でしょう。
攻略情報を参照するのであれば、20点台や10点台まで下がるかもしれません。
恐怖度
本作は厳密にはホラーゲームとして分類されていません。一義的に「Freem! – ふりーむ!」にてホラーゲームとして登録されていないからです。しかしホラー要素があると明言されてもいますので、サブ的な要素として捉えて、恐怖度を算出しておきましょう。
本作のホラー演出は、驚かすタイプではなく「気味悪がらせる」というタイプの演出です。
悲鳴を上げてプレイする手が止まってしまうというより、ほとんどが「……今のはなんだ?」といったふうに意味を捉えようとして手が止まるタイプのゲームです。
派手で露骨な驚かし要素がないため、ある程度は安心してプレイすることができるでしょう。しかし血や死をほのめかす表現がありますので、あらかじめそうした作品だと理解しておくのも大事かもしれません。しかし全体的に「許容できる」もしくは「予測できる」タイプの演出が多いため、全体的に恐怖度は低めの18点(100点中)としました。
次のエントリ
次回は「ミノニヨクシティ」のオススメなところとイマイチなところをまとめていきましょう。本作はネタバレによって著しくプレイ体験が損なわれる可能性があるため、次回は「少しネタバレ」として今回より少し踏み込んでゲーム内容についてお伝えしていきます。