「IQuest」#02【フリゲ】Q.どんな人向け? A.キャラが多くて賑やかだけど、結局クイズが嫌いでない人向け【クイズゲー】

ゲーム紹介

こんにちは、Caffeineです。
今回はフリーゲーム「IQuest」のオススメなところとイマイチなところを、なるべく客観的にご紹介していきます!

どんな人向け?
クイズが苦手でない人
ケモノキャラが好きな人

前回のエントリ(基本情報):
「IQuest」#01【フリゲ】ケモノ仲間たちとクイズで世界を救え!【クイズゲー】
こんにちは、Caffeineです。 今回ご紹介するのはウディタ製フリゲのクイズADV「IQuest」です! タイトル IQuest(アイキュエスト) ジャンル 2D/クイズ/ADV/RPG風/ケモノ/多...

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それでは「IQuest」について、少し踏み込んだ情報を考えていきましょう。

「ここがオススメ!」

「IQuest」はどんなところがオススメなのでしょうか?
キャラクタの多いクイズゲームとして、いろいろな人が楽しめるゲームだといえるでしょう。

幅広いクイズ問題

「IQuest」のゲームシステムは、「クイズ」に絞られています。この点がブレていないため、しっかりとクイズを楽しむことができます。
出題のジャンルは食べ物・スポーツ・自然科学・言語文学・音楽美術など多岐にわたります。いわばTVのクイズ番組をゲームとしてプレイできるような感覚かもしれません。

これは自分1人でプレイしていても楽しいですし、友人などにススメるのも、一緒にプレイするのもいいかもしれません。また実況者や配信者であれば、このゲームを扱って皆で楽しむのもいいかもしれません。

なお本作は同梱の「【プレイ前に必ずお読み下さい!】Readme.txt」というファイルにて、《実況・生放送について》として「事前連絡は不要です。」と明記されています。

キャラがいい!

また「IQuest」はオリジナルのグラフィックで描かれたキャラクタにも魅力があります。

キャラが多い

まずキャラクタの多さがわかりやすい魅力として挙げられます。序盤で6人の味方キャラクタが登場し、それとは別に戦う相手としてほぼ同数のキャラクタが登場します。その後さらに敵味方どちらもキャラクタが増えていき、かなり大所帯になっていきます。


後半で選べるようになるキャラクタたち。上に並んでいるなかから3人選べる。

特に「IQuest」では味方キャラをアシストとして選択できるため、味方キャラが多いというのはそれだけアシストの内容が多様だということにもなります。実際、序盤の仲間はそれぞれの得意ジャンルの選択肢を1つ削るというアシストが多いのですが、仲間が増える中盤以降では「ジャンル問わず間違った選択肢を1つ消す」「魔法攻撃を3回無効化する」「連続不正解時に先制攻撃(カウンター)を3回まで行う」「連続正解すると追加攻撃」「体力が減ると1度だけ全回復」など、より特徴的なアシストが選べるようになります。

クイズの得意不得意が多少は関係してきますが、キャラクタの好みで選んでしまってもいいでしょうし、アシスト能力の好みで選ぶこともできます。
こうした取捨選択が行えるのは、キャラクタが多いからなのです。

キャラがかっこいい・かわいい

「IQuest」はケモノのキャラクタのゲームです。イヌやヒツジ、ウサギなど多種多様な動物が擬人化されています。どのキャラクタも「キャラが立って」おり、同じような見た目・性格でカブってしまうキャラクタはいません。それぞれのキャラクタが「自分」をもっているので、プレイヤーそれぞれの好みで選びやすくなっています。


主人公を助けてくれる味方キャラたち。味方だけでなく、敵のグラフィクもつくりこまれている。

クイズゲームとはいえRPG風バトル演出がなされ、攻撃時は属性魔法のアニメーションなどが再生されます。また主人公エッセのみならず、アシストに選んだキャラクタはアシスト能力を発動する際に、独自のアニメーションで攻撃・防御・補助を行います。
こうしたアニメーションを見ているだけでも、いろいろなバリエーションを見たくなって楽しくなってくることでしょう。

好きなキャラをアシストに選べる

アシストを選ぶときの制限は、基本的には数です。最初は1人しかアシストを選べませんが、途中から3人に増えます(それだけクイズが難しくなるということです)。そしてステージによっては連れていくことができないアシストキャラがいます。これは不要なアシストキャラを連れていけないようにすることと、同じキャラばかり選び続けて多様性が崩れるのを避けるためかもしれません。

そうしたちょっとした制限以外では、自分の好みでアシストキャラを選ぶことができます。
そのためクイズ攻略に特化させるアシスト選びも、自分の好みのアシスト選びもできるようになっているのです。

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初 心

ケモノっていうのもいいけど、
好きにアシストの味方を
選べるってのもいいよね。

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Caffeine

クイズゲームであれば
アシストとするのが
やはり妥当なのでしょうね。

王道少年マンガ風ストーリー

「IQuest」のストーリーは、とてもわかりやすい熱血ストーリーで、少年マンガが好きな方であればとても惹き込まれることでしょう。主人公エッセは記憶喪失であるため、自分の素性がわかりませんが、自分がどういった人物であっても、助けてくれた遺跡調査団の人々のためになれるように活動したい、というようなことをいいます。

また本作の終盤の物語は、絆の物語にもなっていきます。
全体的なストーリー展開やストーリーの内容が、かなり少年マンガの熱血ストーリーのようになっています。こうした物語が好きであれば、満足して楽しむことができるでしょう。

濃縮されている

「IQuest」は2時間前後でクリアできる作品ですが、ストーリーは濃縮されて感じられます。物語を広げるための余剰なストーリーを挟むこともできたはずですが、ゲームをコンパクトに収めるためか、ストーリーの肝要なところを煮詰めたような濃い物語を体験できるでしょう。

しかも王道少年マンガ風ストーリーであるため、展開はしっかりと熱いものになっています。短いからといってストーリーの味が薄くなっているということはありません。

「ここはイマイチ……」

それでは逆にどんなところがイマイチだといえるのでしょうか?
オススメとして紹介した長所も、裏を返すと短所として見なすことができます。

ゲーム性はクイズのみ

オススメとして「ゲームシステムはクイズに絞られている」と述べましたが、これは裏返すとクイズが苦手な人にとってはプレイしづらいものとなっています。
演出がRPGバトル風になっていたり、キャラが多いなどの魅力も、クイズ要素が合わなければなかなか難しくなってしまうでしょう。


クイズで戦う他ないため、クイズが苦手だと攻略しにくい。

それはゲームにとって「ゲーム性」こそが第一だからです。たとえばクイズを楽しめないのに本作を我慢してプレイしたとして、それでは楽しむことはできないでしょう。なぜなら本作ははクイズゲームであり、キャラクタを見るためのゲームではないからです。

もしゲーム性を無視してキャラクタだけを楽しみたいなら、ゲームではなくマンガやアニメを見るほうが建設的でしょう。あくまでゲームは自主的に操作してクリアしていくものであり、自分でプレイして楽しむことが基本です。
(もしくはクイズが苦手だけれど本作のクリアまでの様子を見てみたい、という人のために、実況などの動画を作成するのはアリかもしれません)

キャラは多いがやや薄味

オススメの項目で紹介したように、ストーリーは濃縮されて感じられます。
しかしそれとは対照的に、キャラクタが少し薄味に感じられるかもしれません。
それはキャラクタの多さに対してストーリーが短いため、専用グラフィックが用意されている味方・敵キャラクタでも、登場する頻度が少なくモブキャラに感じられるからです。

アシストは単なるアシスト

本作では全体的にキャラクタは多いのですが、その多いキャラクタをいかすシステムがなく、単に「アシストは単なるアシスト」というふうにしかなっていません。
つまり気に入ったキャラクタをずっとアシストに選んでも、そのキャラを一度も選ばなかったときとなんら変わらないということです。

これまでのゲームでは好感度といったパラメータが用いられることはよくあります。たとえばスターオーシャンシリーズのPA(プライベートアクション)のように、メインストーリーとは別に主人公と他キャラクタとの友情度や愛情度を上限させるイベントが設定されているゲームもあります。

こうした好感度のシステムがあると、やはり没入度が高くなります。なぜなら「プレイヤーが介入できる」という箇所が増えるからです。逆に好感度のようなシステムがないと、「プレイヤーがどう介入しようとしても、システムがそれを許容しない」というような認識になってしまうこともあるでしょう。

これは「平均的」といってしまってもいいのかもしれません。
主人公にとって誰かが特別になる、それは恋愛関係のみではなく、同性の親友、異性の親友であっても構わないでしょう、そういった特別な関係を構築できるシステムが存在しないため、「誰を選んでも別に同じ」と感じられてしまうのです。

敵キャラはほぼ1回のみの登場

これは実際に遊んだプレイヤーの1人として「もったいない」と感じたのですが、戦った相手のキャラクタは基本的にそのステージ限りで、その後に登場することはほとんどありません。序盤で登場する相手のキャラは「敵」と断言するほど強く敵対しているというわけではなく、主人公エッセを単に試す守護者という立ち位置の人たちです。
こうした人たちを仲間にすれば、少年ジャンプの王道ストーリーのようになったでしょうし、深みも増したかもしれません。


戦う相手は、ほぼそのステージ限り。しっかりグラフィックがつくりこまれているだけにもったいない。

しかし戦った相手キャラクタは繰り返し登場することはありません。しかもしっかりと個別のグラフィックが用意されており、ちゃんとアニメーションまで作られているのに、です。
キャラクタが多いのはいいものの1回限りのキャラクタとして終わらせてしまうのであれば、モブ(端役)とほとんど変わらないでしょう。

これに対する合理的な説明は、「物語を短くまとめるため」「ゲームを短くまとめるため」といった理由ぐらいしか思いつきませんでした。しかしそれではさすがに味気ないでしょう。

たとえばネット上では冷笑されがちですが、少年ジャンプで連載されていた「BLEACH」が、私はけっこう好きでした。そては「1人のキャラクタを深く掘り下げる」という点が、とても気に入っていたからです。
たしかに「オシャレ」と揶揄されるようなカッコつけた演出が多かったのですが、やはり物語において基本要素は「キャラクタ」です。キャラクタにしっかりとした味をつけていくのは、物語をつくるときの基本であり、難しいところでもあるのです。

すべての「物語をつくる人」があのようなキャラクタの掘り下げ方をしなければいけないとは思いません。しかしキャラクタを掘り下げる方法としては、いずれにせよしっかりと1人1人に焦点を当てない限りは掘り下げることができません。
そうしたキャラクタの深みについて、本作のことを考えてみると主人公であるエッセについてはさすがにしっかりと掘り下げることができているのですが、序盤に戦うキャラがモブ程度になっているだけでなく、仲間になるキャラクタも全体的に薄味に感じられるのです。

あまりにとんとん拍子のストーリー

王道ストーリーで短くまとまっているというのも、裏を返せば「あまりにできすぎている」と評することができます。コンパクトにまとめるために、「失敗」が描かれないからです。

物語をつくるとき、もしくは評するときによく使われる言葉に、「山」や「谷」があります。盛り上がる場所を「山」もしくは「山場」といい、主人公などが失敗したり悲劇的な出来事が起こる場面を「谷」といいます。
(失敗や悲劇的な出来事が非常に衝撃的であれば、それが山となることもあります)

これにならうなら、本作のストーリーには谷がありません。常に盛り上がっているということではなく、「大きくプラス」か「プラス」ばかりで、ほとんどゼロになったりマイナスに突入したりすることがないのです。

本作のストーリーを、前向きに捉えて「王道少年マンガ風」とオススメでは述べました。
これをつまらなくいうと「抑揚に乏しく先の読める展開」ともいいかえることができます。
物語中盤からは世界を救うという話に展開しますが、そうしたストーリー作りは古典的RPGですでに使い古されているのです。

そのため少年マンガや王道ストーリーの展開がとても好きな人にとっては「待ってました!」と喜べるものかもしれませんが、そうでない人にとっては「ああ、またこういうのね……」と少し冷めて見ることになるかもしれないのです。

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初 心

たしかにキャラが多くて見栄えがいい分、
気に入って選んだキャラが
別に大して活躍しないっていうのは
ちょっと気になるかもね。

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図部野 素人

俺はもうそれ以前だったなー、
やっぱクイズが苦手なのに
クイズゲーをするってのは
厳しいもんがあるぜ。

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Caffeine

グラフィックやアニメーションなど
非常に凝っているのがわかる作品です。
そこを評価するのは容易いのですが、
やはりゲームはゲームとして
楽しむことが大事ですからね。

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初 心

もちろんわたしは
それでも楽しめたけどね!

さいごに

本作「IQuest」について、良し悪しを判断するのを抑えて全体的に評すると、クイズゲームとして楽しくキャラクタも多い、そしてストーリーもそれなりに熱い、しかしクイズが苦手な人には手出しがしにくく、キャラクタも多いだけで深掘りはされておらず、ストーリーも先が読めてしまう、という一長一短な面があります。

私はインディゲームをプレイするときは、あまり事前情報なしにプレイすることが多いため、プラスマイナスがほとんどゼロの状態でプレイすることになります。しかし大きく期待してプレイすると、どこかしらがっかりすることになるかもしれません。
(もちろんしないかもしれません)

個人的にはキャラクタの友好度を深めるシステムが(たとえ陳腐であったとしても)あれば、もっと楽しめたのではないかと感じました。たとえばアシストに選ぶと仲間に経験値が入り、多く選ぶことでレベルが上がっていくというようなものでもよかったかもしれません。

個人的には「あまりにまっすぐ」だったと評していいのではないかと思います。全体的に非常にまっすぐな作品で、少しくらい歪んでいるほうがおもしろいと感じる場合には物足りなく感じられうるのです。
逆にその点も、「余計な要素がないほうがいい」という人にとっては、メリット・オススメな点となりうるのかもしれません。

もしここまで読んでいただいた方で、まだプレイしていない方がいらっしゃるようでしたら、私の意見や私からの情報ではなく、ご自身で判断いただくためにもダウンロードしてみてはいかがでしょうか?

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